国譲りとは? わかりやすく解説

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くに‐ゆずり〔‐ゆづり〕【国譲り】

読み方:くにゆずり

日本神話で、天照大神(あまてらすおおみかみ)の神勅奉じて大国主命(おおくにぬしのみこと)が国土瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に献上し隠退したこと。

天皇が位を譲ること。

「御—のこと俄(にはか)なれば、大后思しあわてたり」〈源・澪標


国譲り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 16:36 UTC 版)

国譲り(くにゆずり)は、日本神話において、天津神国津神から葦原中国の国譲りを受ける説話葦原中国平定(あしはらのなかつくにへいてい)ともいう。


注釈

  1. ^ 天之麻迦古弓の別名。
  2. ^ 天羽々矢の別名。
  3. ^ 高御産巣日神の別名と思われる。
  4. ^ 「伊耶佐(いざさ)の小浜」とする校訂本もある。
  5. ^ 動かすのに大勢の力を必要とするような巨大な岩のこと。
  6. ^ a b 「遠く離れた場所」「遠い隅の方」を意味する。「百足らず」は「八十(やそ)」の枕詞で、「クマ」は「隠れたところ」の意。「テ」は方向を示す。
  7. ^ 雄々しく立派な男のこと。
  8. ^ 原文では「残賊強暴横悪之神(ちはやぶるあしきかみ)」。
  9. ^ 経津主神の異名とされる。
  10. ^ 原文では「顕露(あらわ)の事」。
  11. ^ 原文では「強禦之者(いむかふもの)」。
  12. ^ 一書には「越の八国」とある。
  13. ^ 現・島根県安来市伯太町にある山。
  14. ^ 「垣のように周りを囲む青山」の意。
  15. ^ 強風に吹き飛ばされた魚の血や、ニムロドを騙すために天使がつけた血とする異伝もある。
  16. ^ なお、『画詞』が『旧事本紀』における国譲り神話を採用しながらも、建御名方神が追いつめられ殺されかけた場面は省略されている。
  17. ^ 考古学者の原田大六も地元の伝承や地名、考古遺物などから伊都国を天孫降臨の地としている。

出典

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  3. ^ 梅原猛『古事記 増補新版』学研プラス、2012年、34-39頁。
  4. ^ 現代語訳 古事記(武田祐吉訳)”. 青空文庫. 2019年7月25日閲覧。
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  11. ^ 日本書紀(現代語訳・口語訳の全文)”. 日本神話・神社まとめ. 2019年7月27日閲覧。
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  37. ^ 宝賀寿男「三輪氏一族の系図」『古代氏族の研究⑦ 三輪氏 大物主神の祭祀者』青垣出版、2015年。
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  39. ^ a b c 井原今朝男「鎌倉期の諏訪神社関係史料にみる神道と仏道 : 中世御記文の時代的特質について」『国立歴史民俗博物館研究報告』第139巻、国立歴史民俗博物館、2008年、161-162頁、doi:10.15024/00001521ISSN 0286-7400NAID 120005748619 
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  42. ^ 『諏訪市史 上巻 (原始・古代・中世)』諏訪市史編纂委員会編、1995年、718頁。
  43. ^ 宝賀寿男「大己貴神とその神統譜」『三輪氏 大物主神の祭祀者』青垣出版、2015年、59頁。
  44. ^ 宝賀寿男「上古史の流れの概観試論」『樹紀之房間』、2009年。
  45. ^ 宝賀寿男「長髄彦と磯城県主の系譜」『三輪氏 大物主神の祭祀者』青垣出版、2015年、115頁。
  46. ^ 寺田鎮子、鷲尾徹太 『諏訪明神―カミ信仰の原像』 岩田書店、2010年、81-82頁。


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国譲り

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タケミナカタ」の記事における「国譲り」の解説

タケミナカタ『古事記』では葦原中国平定(国譲り)の場面で記述されている。これによると、天照大御神高御産巣日神タカミムスビ)らによって派遣され建御雷神タケミカヅチ)と天鳥船神アメノトリフネ)が大国主神葦原中国の国譲りを迫った際、大国主神御子神である事代主神答えと言った事代主神承諾して隠れると、大国主神次に建御名方神タケミナカタ)が答えと言ったタケミナカタ千引の石千人もの大勢の力を必要とするような巨大な岩)を手先差し上げながら現れタケミカヅチ力競べ申し出た。そしてタケミカヅチの手を掴むと、タケミカヅチの手は氷や剣に変化したタケミナカタがこれを恐れて下がると、タケミカヅチタケミナカタの手若葦のように握りつぶして、放り投げた詳細後述)。タケミナカタ逃げ出したが、タケミカヅチがこれを追い、ついに科野国の州羽海(すわのうみ)まで追いつめてタケミナカタ殺そうとした。その時に、タケミナカタはその地から出ない旨と、大国主神事代主神背かない旨、葦原中国天津神御子奉る旨を約束したという。 一方『日本書紀』ではタケミナカタ登場せず、大己貴神大国主)は事代主神意向聞いた後に国譲りを承諾する。ここでは高皇産霊尊タカミムスビ)に遣わされ神々武甕槌神タケミカヅチ)と経津主神フツヌシ)である。 『先代旧事本紀』「天神本紀」では『古事記』『日本書紀』の記述組み合わされたものが書かれており、使者は『書紀』と同様に武甕槌神経津主神となっている。

※この「国譲り」の解説は、「タケミナカタ」の解説の一部です。
「国譲り」を含む「タケミナカタ」の記事については、「タケミナカタ」の概要を参照ください。

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