し‐みん【四民】
士農工商
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士農工商(しのうこうしょう)または四民(しみん)は「国中のすべての人びと」といった意味合いの儒学的表現である[1]。日本では、近代になり江戸時代の身分制度を意味すると捉えられるようになったがこれは誤りであり、1990年代頃から実証的研究が進み、同時代的に現実に施行された制度ではないと理解されるようになった[2]。
注釈
- ^ 『書経』周書周官には「司空は邦土を掌り、四民を居く(司空掌邦土、居四民)」と記されている。
- ^ 『荀子』王制「農農・士士・工工・商商一也」
- ^ 『春秋穀梁伝』成公元年「古者有四民。有士民、有商民、有農民、有工民」
- ^ 「非人」となる例として、刑罰「非人手下」「奴刑」の執行などがある。
- ^ 武士の士分・侍、彼等の中には後に華族として爵位を与えられた者もいたが、解体された江戸幕府・奥羽越列藩同盟・蝦夷共和国(幕府陸軍・幕府海軍)のはからいにより、明治政府からの官軍(新政府軍)や大日本帝国陸軍・海軍の「贈位の日本軍の階級」の官職および称号の申し出を受けて得る者、または、必ずしもこの申し出を「固辞」して名誉や名声などの裕福を求めなかった者もいた。
出典
- ^ 牧原 2008, p. 104.
- ^ a b c これまでよく使われていた「士農工商」や「四民平等」といった記述がなくなったことについて,理由を教えてください。(東京書籍小学校(平成27年度から)社会 よくある質問Q&A)
- ^ 上杉聰『部落史がかわる』(三一書房、1997年)
- ^ “最近の教科書には「士農工商」が載っていない? 近年の研究で「不適切だった」と判明 → 教科書から削除に”. ITmedia. 2023年8月31日閲覧。
- ^ 宮本武蔵著、渡辺一郎校注『五輪書』(岩波書店、1985年、pp. 15-16)ISBN 4-00330021-1
- ^ 河原由紀子「江戸前期武家服飾の材質規定について」『金城学院大学論集 家政学編』第25号、金城学院大学、1985年、1-10頁、ISSN 02868237、NAID 110000062121。
- ^ 青柳精一『診療報酬の歴史』(思文閣出版、1996年)ISBN 978-4-7842-0896-8 P113-136
- ^ a b 斎藤洋一『身分差別社会の真実』(1995年7月、講談社現代文庫)
- ^ 筒井功『サンカと犯罪』現代書館、2008年11月、106-108頁。ISBN 9784768469811。
- ^ 畑中敏之 『「部落史」を問う』(兵庫部落問題研究所、 1993年4月)
- ^ 吉村豊雄「近世の身分制編成に関する覚え書」『文学部論叢』第78号、熊本大学、2003年3月、135-158頁、ISSN 03887073、NAID 110000949943。
- ^ a b c 編者、奈良 人権・部落解放研究所『日本歴史の中の被差別民』100頁(朝尾直弘)
- ^ 田中圭一『百姓の江戸時代』ちくま新書 58頁
- ^ ひろげよう人権 関西大学文学部講師 上杉聰「部落史は変わった」(その3)
- ^ a b 斎藤洋一『身分制社会の真実』(講談社現代新書)における「『士農工商・えた・ひにん』の虚構」の章。[要ページ番号]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 江上茂『差別用語を見直す』p.90-100
- ^ 小林健治『部落解放同盟「糾弾」史』107-108頁
- ^ a b c d 筒井康隆『断筆宣言への軌跡』
- ^ 野町均『永井荷風と部落問題』85頁
- ^ 『解放新聞』2016年12月12日
- ^ “差別表現だと認め 反省文をもとに話し合い|部落解放同盟中央本部”. www.bll.gr.jp. 2021年12月26日閲覧。
- ^ 磯田道史 『素顔の西郷隆盛』 (新潮新書、 2018年、 p249.)
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