四国新幹線
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四国新幹線(しこくしんかんせん)は、本州・九州と四国をつなぐ新幹線の基本計画路線の総称であり、「四国新幹線」と「四国横断新幹線」の2系統の計画がある。中央新幹線や九州横断新幹線と共に「21世紀の国土のグランドデザイン」における太平洋新国土軸を構成する西日本の高速鉄道計画である[1]。整備新幹線には含まれていないが、2011年以降、基礎調査の結果を受けて、整備計画への格上げを求める誘致活動が活発化している。早ければ、2037年にリニア中央新幹線の新大阪駅延伸が実現し、三大都市圏が一体化した「スーパーメガリージョン」の形成が見込まれる。四国新幹線整備促進期成会では、これに合わせて2037年の四国新幹線開業を目指している[2]。中央新幹線の開通後は、新大阪での乗り継ぎにより、東京 - 徳島・高松・松山・高知間の所要時間がいずれも2時間台となる[3]。
注釈
出典
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四国新幹線
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歴史の項で述べたとおり、社会経済情勢、国鉄の財政事情への配慮等を勘案し、当初の道路・鉄道併用橋から道路単独橋に設計変更して建設された。そのため、児島・坂出ルートの瀬戸大橋や神戸・鳴門ルートのもう一方の橋である大鳴門橋と異なり、明石海峡大橋に鉄道を通すことは不可能である。また「神戸・鳴門ルートの調査の出足はよかったが、明石海峡大橋の架橋の困難さは他の架橋に比べて格段の差があった。」「これは当面、早期に完成すべき道路鉄道併用ルートを選ぶとすれば、児島・坂出ルートなりと受け止めてもよい。」とされるように、架橋の技術的理由により、鉄道併用橋としては児島-坂出ルートが先行していた。 高橋国一郎元建設事務次官は「一ルートに絞るならば一番経済性の高い明石〜鳴門ルートにすべきですが、これは今でこそいいますが、あの当時はまだ明石海峡に橋をかけることは技術的に困難だったのです。真ん中の児島〜坂出ルートならできますし、もう一つは鉄道が非常に強く希望していましたからね。鉄道をのせるのにはやはり真ん中のルートしかなかったのです。」と述べている。 なお、本四淡路線は、当初は在来線と新幹線の両方が検討された(その両方の路線図が「道路」1973年(昭和48年)1月号「本州四国連絡橋の計画」に掲載されている。)。しかし、横田英男・本州四国連絡橋公団鉄道課長は、「本州側では山陽本線との取付が困難」「四国側では、鳴門線、高徳線など在来線の改良を行わない限り機能を発揮しえない」「高松、松山などへの大幅な時間短縮が期待しえない」「従来の貨物輸送経路を一新することとなる」「明石海峡大橋に重量貨物列車を載荷すると急激に不連続な角折れとなり走行安全上問題かつ技術上困難性も増す」という理由をあげ、神戸-鳴門ルートについては、列車重量が比較的軽く、輸送効果の高い新幹線としたと述べている。その起終点は「山陽新幹線新神戸駅西方の白川峠付近」「高徳本線吉成駅付近」を想定していた 四国新幹線を含む新幹線の基本計画区間は、1973年(昭和48年) に決定されたが、「12新幹線は大赤字」「中央除き総合黒字メドなし」と報道されるなど、当初から採算性が疑問視されていた。 1978年(昭和53年)3月9日に建設・運輸・国土3庁は、大鳴門橋の道路単独橋への変更を固め、4月に鉄道建設審議会にて削除することとした。「国鉄財政が悪化しているのに、開通の見込みの立たない鉄道を併設するのはおかしい」との異論が以前から政府部内にあったものである。 住田正二運輸省鉄道管理局長(当時)は「新幹線の併用橋を造るには、全部の新幹線計画が決まらなければならない。大鳴門橋はともかく世界最長のつり橋になる明石海峡大橋に新幹線を乗せることは、騒音対策も含め、技術的に極めて困難だ。それに新幹線はいつできるかわからない。21世紀までむずかしいという見方もある。併用橋にすると赤字の国鉄が約4割の費用を負担し、利子だけでも大変。21世紀まで通らないなら、そのときに別にトンネルを掘った方が安くつく」と説明している。 このように神戸―鳴門ルートへの鉄道敷設については非常に厳しい見方のなか、大鳴門橋は「鉄道を載せるために将来でもできる仕事は、今回は極力やるまい、鉄道を載せるための手当ては最小限のことしかやっておくまい」ということで単線載荷での鉄道工事がなされることとなった。 一方、国鉄の財政は深刻度を増しており、臨時行政調査会でも、本州四国連絡橋への鉄道建設が取り上げられている。その際、国鉄OBの角本良平は、「本四連絡橋の上にレールを乗せるのは何事かと思う。それだけで、四国の管理局で生じているのと同額の300億~400億円の赤字が出る。」と述べた。臨時行政調査会は、1982年(昭和57年)7月の第三次答申で「進行中の大規模プロジェクト(青函トンネル、本州四国連絡鉄道)については、完成時点において分割会社(国鉄)の経営を圧迫しないよう国は措置する。」こととした。その後、国鉄再建監理委員会は、児島-坂出ルートの鉄道敷設工事をとりやめることを緊急提言に盛り込むよう中曽根康弘首相に働きかけたが、「国鉄以外の事業主体が行う国鉄関係の設備投資についても徹底した見直しを行い、さらに工事規模の抑制及び工事費の節減に努めるべきである」という文言に留まった。 明石・鳴門架橋促進議員連盟(原健三郎会長)は1984年(昭和59年)10月17日に政府に対し同大橋を道路単独橋として早期着工するよう求めた要望を決議したが、その際に、鉄道省・運輸省OBの細田吉蔵運輸相は「明石大橋は四国新幹線を通す道路、鉄道併用橋の計画だが、現在の国鉄の財政事情、鉄道の採算性からすると併用橋は非常に困難である。道路単独橋にするのに足を引っ張ることは避けたい」と計画変更もやむを得ないとの考えを示した。同議員連盟は、あわせて「鉄道についてはトンネル工法を採用し、その実施調査を促進する」ことも決議している。 そして、「その後の社会経済情勢、国鉄の財政事情等を勘案し、国土、運輸、建設三省庁で協議のうえ、1981年6月建設省から道路単独架橋の可能性等についても所要の調査検討を行うよう指示された。」 これを受け、「昭和60年4月に調査結果の報告がなされた。この報告をもとに、60年8月、国土庁長官、建設大臣、運輸大臣の3大臣により道路単独橋として整備する方針が合意された。」10月には国鉄の分割、民営化方針が閣議決定されている。 大鳴門橋は最低限の鉄道設備を備えて1985年(昭和60年)6月に供用開始したが、そのわずか2箇月後に明石海峡大橋を利用した神戸―鳴門ルートへの鉄道敷設は行わないことが決定されたことになる。 なお、井上孝元建設事務次官・国土庁長官は「明石海峡をやめたのは、やはりあれだけの長大吊り橋になると、たわみが大きくて吊り橋のジョイントというのか、あそこで非常に危険があるというようなのが最後の決め手になったみたいでやめましたけれども」と述べており、技術的困難性が明石海峡大橋への鉄道敷設断念の最後の決め手であったと指摘している。 また、山根孟元本州四国連絡橋公団総裁は、「トンネルにする案では、水深100mの明石海峡の下をトンネルで通っても、明石海峡大橋に乗せても、鉄道の規格にもよりますが、神戸の駅に取り付かないのですね。」と明石海峡をトンネルによって鉄道敷設することの困難性を述べるとともに、「明石はもう現にやめてしまったわけだ、当分はね。ただ、夢は消さないけれども、多分できないでしょうね。」「備讃線でもう十分行けると思うのですよ」と見通しを述べている。
※この「四国新幹線」の解説は、「明石海峡大橋」の解説の一部です。
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