営業の自由
営業の自由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 05:08 UTC 版)
憲法学上の通説は職業選択の自由には職業を行う自由(営業の自由)を含むとする。しかし、経済史学者の岡田与好などから、営業の自由は歴史的に見て私的独占や同業組合による営業制限を排除する制度として現れたもので公序として追求されてきたものであるという指摘が出された。 そこで、営業の自由には、開業・維持・存続・廃業についての「営業をすることの自由」(狭義の営業の自由)と、現に営業をしている者が任意に営業活動を行い得る「営業活動の自由」があるとし、日本国憲法第22条第1項が保障しているのは、狭義の営業の自由のみで、財産権行使の自由である営業活動の自由については、日本国憲法第29条(財産権)で保障されているとする有力説が現れた。 最高裁判所は、小売市場許可制合憲判決で憲法22条1項に「いわゆる営業の自由を保障する趣旨を包含している」と判示し(最大判昭和47年11月22日刑集26巻9号586頁)、狭義の職業選択の自由だけでなく、営業の自由も保障しているとした。さらに、最高裁は薬事法距離制限違憲判決で「職業は、ひとりその選択、すなわち職業の開始、継続、廃止において自由であるばかりでなく、選択した職業の遂行自体、すなわちその職業活動の内容、態様においても、原則として自由であることが要請されるのであり、したがって、右規定は、狭義における職業選択の自由のみならず、職業活動の自由の保障をも包含しているものと解すべきである。」とし(最大判昭和50年4月30日民集第29巻4号572頁)、職業活動の自由(職業活動の内容や態様を決定する自由)についても、憲法22条1項で保障されていると判示した。
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