喜屋武海岸及び荒崎海岸
名称: | 喜屋武海岸及び荒崎海岸 |
ふりがな: | きゃんかいがんおよびあらさきかいがん |
種別: | 名勝地関係 |
種別2: | |
都道府県: | 沖縄県 |
市区町村: | 糸満市 |
管理団体: | |
登録年月日: | 2006.07.28(平成18.07.28) |
登録基準: | 登-名3 |
追加登録年月日: | |
解説文: | 沖縄本島最南端の喜屋武及び荒崎の海岸には、琉球石灰岩から成る海岸段丘が発達し、岩石の節理と波の浸食により形成された独特の海食地形が見られる。 特に喜屋武海岸では、海岸段丘が海に面する端部に比高約30mにも及ぶ海食崖が連続し、波の浸食を受けて離岸した直径5~10mもの巨岩が波打ち際に多数散在している。また、荒崎海岸では、琉球石灰岩の節理が海面に平行に走ることから、いわゆる「サーフベンチ」と呼ばれる平面海食の地形が見られる。外洋に面する立地条件にあることから、打ち寄せる荒々しい海波により、水平方向の節理に沿って海食が進んだため形成された独特の地形である。打ち上げる海波の飛沫により塩分の影響を強く受けることから、他の地域には見られない独特の植生が見られる。 喜屋武海岸の巨岩群の中には、一辺約30mの「クガニ岩(黄金岩)」と名付けられ、「カタハラグスク」の異名を持つ大岩があり、和冦が岩体の凹部に財宝を隠したとの逸話が伝えられている。荒崎海岸にも大きなキノコ状の離岩がカレンフェルトの上に残されており、地域の人々が御嶽として信仰している。また、喜屋武海岸及び荒崎海岸は太平洋戦争末期の沖縄戦において最大の激戦地となり、戦後、荒野と化した海岸地帯の植生復興に関し、地域の人々によって地道な取組が続けられてきたという歴史的な意義も持っている。 以上のように、喜屋武海岸及び荒崎海岸は沖縄本島最南端に当たる海岸の景勝地として広く知られるとともに、地形の成因・植生に見る意義は深く、ひとたび失われると再現することが容易でない脆弱な性質を持っている。現在もなお当地の人々にとって精神的な重要性を持ち、その風致に富んだ優秀な景趣は自然的な名勝地として意義深い。 |
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