和小屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 17:10 UTC 版)
和小屋は、主に折置組(おりおきぐみ)と京呂組(きょうろぐみ)の2つがある。折置組は柱の上に直接「小屋梁」を架け、その上に「軒桁」を渡す形式で、京呂組は逆に柱の上に「軒桁」を渡し、その上に「小屋梁」を架ける形式である(なお、図は京呂組である)。 折置組は小屋梁と軒桁の接合に「渡りあご」と呼ばれる両部材に掘られたホゾを噛み合わせる仕口を基本としており、強度に優れるが加工には手間がかかるため、かつては主要な構法であったが高度経済成長頃からあまり用いられなくなっている。 京呂組は現在の主流な構法で「蟻落とし」と呼ばれる軒桁に掘られたホゾに小屋梁材を落とし込む仕口であるため、加工が折置組よりも容易である反面、部材の接合が弱く羽子板ボルト等の金物で補強する必要がある。京呂組の基本的な構成は、柱の上に渡した軒桁に小屋梁を1間(1.8m - 2m程度)間隔に渡し、梁の上に小屋束を半間(90cm程度)間隔に立て、上に母屋・棟木を渡す。小屋束・棟木・母屋の継手部分には、釘や鎹(かすがい)を打ち、小屋束・母屋・梁・棟木に小屋筋交いを打ち付けて、剛性を強化する。母屋・棟木上に垂木を一定間隔に並べれば屋根の斜面が完成する。なお、梁の長さは2間(3.6m)程度が標準的である。
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