和字正濫鈔とは? わかりやすく解説

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わじしょうらんしょう〔ワジシヤウランセウ〕【和字正濫鈔】

読み方:わじしょうらんしょう

江戸前期語学書。5巻契沖著。元禄8年(1695)刊。「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)」以前文献仮名遣い基準とし、仮名正しい用法を示したもの。


和字正濫鈔

読み方:ワジショウランショウ(wajishouranshou)

分野 語学

年代 江戸中期

作者 契沖


和字正濫鈔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 13:52 UTC 版)

和字正濫鈔』(わじしょうらんしょう)は、江戸時代中期に契沖が著した語学書[注 1]。個々の語彙仮名遣いの根拠を示し、いわゆる歴史的仮名遣に端緒を開いた[2]


注釈

  1. ^ 一般的には「仮名遣書」と定義されることが多いが、これについては少なからず疑義を呈する意見もある[1]
  2. ^ 例えば本居宣長は『玉勝間』や『字音仮字用格』で「正濫抄」と表記している。
  3. ^ 元文4年(1739年)版のほか、文化4年(1807年)版など、多くの後刷本がある[3]
  4. ^ ただし契沖は「定家仮名遣」という表現を1度も使用しておらず、行阿『仮名文字遣』を頻りに取り上げている[6]。また、声高な批判は比較的に少数であることから、出典を明示して『仮名文字遣』との相違を示す方に重点が置かれているとされる[7]
  5. ^ 掲示した全ての語彙に出典が明記されているわけではなく、文献に拠ることのできない語彙については語源の推定によって決定しており、「未定」あるいは「未考」とせざるを得ない語彙も多く残ってしまっている[11]。こうした典拠が示されていない語彙については、多くが『類字仮名遣』や『初心仮名遣』と合致することから、定家仮名遣い系統の文献との対照も行う必要性を指摘する声もある[12]
  6. ^ ただし成員の論拠は「口伝にあり」というだけで、学問的とは言い難いとされる[16]。そもそも同書には、「正濫鈔」どころか「契沖」という語すら使用されておらず、積極的に契沖を否定するような文面も見当たらないという[17]。そのため、同書において契沖に反駁する意図は一切なく、「当時の状況において現実に沿ったもの」とする意見もある[18]
  7. ^ 公刊には至っておらず[19]、成員を愚弄するような狂歌も含まれており、その過激さからか、北野神社に自筆稿本が残されているのみで[20]、弟子が見た形跡もないという[21]
  8. ^ こちらも公刊には至っておらず[19]、『和字正濫鈔』の記述や所収語を簡略化して仮名遣いを指摘するに留めている[21]。また、多くの写本を残しており、広く流布していたことが窺える[20]
  9. ^ ただし稿本においては定家仮名遣いの混用が散見される[24]
  10. ^ 例えば昭和21年(1946年)に創刊された『神社新報』は、「現代仮名遣いは文法的に考えて欠陥が多い」ことを理由に、全国唯一の「歴史的仮名遣の新聞」として発行を続けている[26]。また、昭和34年(1959年)には、戦後の国語改革に疑問を有する各界有志160余名の賛同を得て「國語問題協議會」が設立され、隔月に機関誌『國語國字』を発行するなど、現代仮名遣いに対する活発な反対運動を展開している[27]

出典



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