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向嶽寺庭園

名称: 向嶽寺庭園
ふりがな こうがくじていえん
種別 名勝
種別2:
都道府県 山梨県
市区町村 塩山市上於曽
管理団体
指定年月日 1994.06.06(平成6.06.06)
指定基準 名1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 向嶽寺は、臨済宗向嶽寺派大本山である。塩山市街地から北西方へ約一キロメートル標高約五五〇メートル独立峰「塩ノ山」南山麓に位置する。寺史によれば当寺は、康暦二年(一三八〇)、抜隊得勝禅師がこの地に草庵「向嶽庵」を開いたことに始まるとう。以後武田氏徳川氏庇護を受け、延亨二年(一七四五)幕府提出した寺院によれば向嶽寺本寺として塔頭三五末寺四九、孫末寺三二があり、別に離末寺二七が挙げられている。多く被災のうちでも最大火災天明六年(一七八六)に起こり伽藍大半を失った。以後徐々に復興されたが、古建築としては、中門室町時代重要文化財)を残すのみである。
 庭園は、境内最北端、大正十五年に焼失した方丈の裏(北側)に面した山裾斜面に造られている。長い間半ば埋もれ荒廃し、三尊石や滝石組などの頭部見えている状態であったが、平成二年度に発掘調査が行われ、全貌明らかになった。その結果上段の池が発見されるとともに後世逍遥するために設けられた飛石なども検出された。続いて三年度には、調査結果を基に、飛石などの除去を含めた修復工事が行われ庭景が整備された。
 庭園は、方丈からの眺め主目的に造られたものと考えられる正面上部の高さ二メートルを越す「三尊石」(「遠山石」の役も果たす)を主石として、左方上部から屈曲する石組溝により山水導き大振り添石を配した滝石組で上段小池へ落とす。右方からも(導水路の上部は不明だが)導き小振り滝石組で同じく池へ落とす。この池から伝落の小滝石組導き、高さ一・三メートル最大滝石組で下段の池へ落とす。下段の池では、滝石組の左方巨大立石添え洞窟風の護岸石組を配し、右方では出島および堅固な立石による護岸設け、共に庭景を引き締めている。池尻西端にあり、暗渠で西へ落とす。
 昨庭時期についての史料はないが、伽藍定形整備される江戸時代初期庭園原形が造られ、被災復興合わせてたびたび改修され、江戸時代中期頃に現形落ち着いた考えられる
 庭園植栽こそ遺存ていないものの、地割石組堅固に残され、作庭意図および技法をよく窺うことができる。三尊石(遠山石)を中心多くの滝を配し、山裾豪壮な石組でまとめる構図は見事である。特に、上段の池の左右向かいあうように設け滝石組の構成は珍しく、両方の滝が相殺されることなく纏めあげた意匠巧妙である。また、下段の池の洞窟護岸石組は、恵林寺庭園場合と同様、山梨県に残る古庭園によくみられる技法であり、この庭園護岸のうちでも最も注目されるものである
 このように、この庭園は、山梨県に残る古庭園典型として優秀であり、また、発掘調査による成果基盤とした、日本伝統的庭園歴史伝え学術資料としても貴重である。






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