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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

なまえ ―まへ 0 【名前】

(1)ある人や事物を他の人や事物区別して表すために付け呼び方。名。
子供の―を考える」「に―を付ける」「停留所の―を忘れる」

(2)氏名
「ここに―を書いて下さい



物語要素事典

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名前

★1a.呼び名次々に変わる。

徒然草45段  良覚僧正の坊の傍にの木があったので、人々は彼を「の木の僧正」と呼んだ。良覚はこれを嫌い、の木を切った。すると根が残り、「きりくひ(=切り株)の僧正」と呼ばれるようになった。良覚はいよいよ腹を立て切り株を掘り捨てた。その跡が大きな堀になり、良覚は「堀池僧正」と呼ばれた。

袋草紙藤原清輔)「雑談」  丹後曽根好忠は、初め「曽丹後掾」と呼ばれ、後に「曽丹後」と呼ばれ、末には「曽丹」と呼ばれた。好忠はこれを嘆き、「いつ『ソタ』と言われるようになるだろうか」と心配した。

★1b.災い避けるために、名前を変える。あるいは、良くないことが起こったために、名前を変える

神仙伝巻1「老子」  老子は、たびたび名や字(あざな)を変えた。人間には「厄会(災い遭う時期)」があり、その時名字を変えて天地の気の変化順応するならば、寿命を延ばし、災い逃れることができる。老子は周に三百余年いたから、その間に何度か厄会があっただろう。それゆえ老子いくつもの名前を持っているのである

日本書紀25孝徳天皇大化5年3月  蘇我造媛は父・山田大臣二田造塩に斬られて以来、「塩」という言葉聞くのをいやがった。そこで近侍の者は、「塩」という名を避け、「堅塩(きたし)」と呼び名を変えた。

八幡愚童訓上  道鏡は帝位につこうとしたが、宇佐八幡許しを得られなかった。道鏡は「これは勅使和気清丸(清麻呂)が悪く申したからだ」と怒り、彼を「ワカレノキタナ丸」と名づけて罰した〔*続日本紀30神護景雲3年9月己丑宣命に、和気清丸の名を変える旨が記されている〕→〔うつほ舟3a

播磨国風土記神前の郡  荒ぶる神往来の人の半数取り殺したので、そこを「死野」と呼んだ。後、品太天皇応神)が、悪い名であると仰せられ「生野」と改められた。

★1c.名前を偽る

トリスタンとイゾルデシュトラースブルク)第1114章  トリスタンはモーロルトとの闘い傷を負う。モーロルトの妹、王妃イゾルデだけがその傷を治すことができるので、トリスタン楽人タントリスと名乗り王妃イゾルデとその同名の娘イゾルデ姫のもとに滞在し、傷をなおしてもらう。しかしイゾルデ姫は、タントリス=トリスタンで、伯父モーロルトの仇であることに気づく

日本書紀28天武天皇元年6月  大伴吹負大友皇子の臣だったが、戦況の不利を悟り天武天皇方に寝返ろうと考えた。吹負は偽って「天武の子高市皇子」と名のり、数十騎を率いて自軍混乱させ、多くの兵を服従させた。天武帝は喜び、吹負を将軍任命した。

*→〔金〕1aの『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』(鶴屋南北)・〔返答〕1aの『西遊記』百回本第34回。

*→〔返答〕5。

★1d.有名作家の名前を借りる。

断崖錯覚太宰治)  作家志望青年である「私」は温泉地遊びに出かけ、宿帳に、某新進作家の名前を記入する。「私」は喫茶店で働く少女恋し、関係を結ぶ。旅館裏山二人で登った時、は、某新進作家の名前で「私」を呼んだ。愛している男は「私」ではなく、某新進作家だったのだ。「私」は、断崖から突き落とし殺した。

東海道中膝栗毛十返舎一九)5編下「津」  弥次郎兵衛喜多八が下手な狂歌を詠みながら歩いていると、土地の男が感心して「お江戸の方ですか?」と声をかける弥次郎兵衛は「私は十返舎一九で、『膝栗毛著述の必要から出かけて来ました」、喜多八は「私は弟子一片南鐐」と、それぞれでたらめを言う。二人は男の家で歓待されるが、「本物十返舎一九当地来訪中で、まもなくこの家に来る」との知らせに、慌てて逃げ出す

★2a.怪物などから名前を問われても教えない。

オデュッセイア第9巻  一つ目巨人キュクロプス一人ポリュペモスがオデュッセウス部下たちを捕え、名前を問う。オデュッセウスは「ウーティス(誰でもない)」というでたらめの名前を教える。オデュッセウスはポリュペモスの目をつぶして逃げ苦しむポリュペモスに仲間キュクロプスたちが「誰にやられたのか」と聞く。ポリュペモスは「誰でもない」と答え仲間たちは「それならしかたがない」と言って去る。

述異記祖冲之41  山操は、人の顔・の体・手が一本・足が一本怪物である。山操は、人の姓名を知るとその人を傷つけるといわれる。ある時、王という男が、籠中に捕えた山操からしつこく名を問われたが、決して教えなかった。山操はもはや逃げられぬと諦めて、死を覚悟する。王は籠ごと山操焼いた

★2b.怪物などから名前を呼ばれる

今昔物語集巻27-34  夜、狩りに出た男の名を、何者かが呼ぶ。その弟が代わりにかけても、兄の名を呼ぶ。「弟と兄の区別つかないのなら、本当の鬼ではあるまい」と弟は考え、弓で射殺すと野猪であった。

封神演義36回  張芳は戦場で叫名落馬妖術使い、彼に名前を呼ばれた者は必ず落馬落車する。ナタナタク)が風火輪に乗って張芳に挑戦し、張芳がナタの名を呼ぶが、ナタ蓮華から造られた身体ゆえ、術がきかない。張芳はナタ投げ乾坤圏で負傷し、退く。

★3a.名前を秘密にする者に、その名前を言わせる

エジプト神話  太陽神ラーは、老いて口から涎(よだれ)をたらすようになる。その涎と土とをこねてイシスが作ったに、ラーは噛まれ苦しむ。イシスは「あなたの真の名を教えれば、の毒は消える」と言いラーいくつか偽りの名を述べた後、本当の名を告げる。ラーは身を隠しイシス大女神の座につく〔*金枝篇フレイザー)第22章に記事がある〕。

煙草と悪魔芥川龍之介)  日本に渡った悪魔煙草栽培を始め、「この植物の名を当てられなければ身体と魂をもらう」と牛商人に告げる。夜、牛商人は牛を畑に放し悪魔は「何だっておれの煙草畑を荒らすのだ」と叫ぶ。

*→〔禁忌〕3の『ローエングリン』(ワーグナー)。

★3b.名前を隠す者(またはその子供)が、秘密の名前を歌にうたうのを、たまたま聞く

大工と鬼六』昔話)  「川にけた代償に、お前の目玉をよこせ」と鬼が大工迫り、「それがいやなら俺の名を当ててみろ」と言う鬼の子が「早く鬼六が目玉持ってくるように」と歌うのを聞いた大工が、「鬼六」というと鬼は消える(岩手県胆沢郡)。

『トム・ティット・トット』イギリス昔話)  小鬼王妃の糸つむぎを手伝い、「俺の名を当てられなければ、お前をもらって行く」と言う。王が狩りをしに行き、穴の中で小鬼が「俺の名はトム・ティット・トット」と歌うのを聞いて、王妃教える。

『ルムペルシュティルツヒェン(がたがた竹馬小僧)』グリム)KHM55  小人王妃の生んだ子を要求し、自分の名を当てたら許してやろうという。山の家小人が「俺の名が『がたがた竹馬小僧』とは誰も知らない」と歌うのを王妃家来聞き王妃教える。

★3c.思わず口にした言葉が、秘密の名前を偶然言い当てる

ジャータカ380話  王が一人の娘に心奪われ、彼女を得たいと願う。娘を育て苦行者が「名前を当てることができたら与えよう」と言う三年かかっても王は名前がわからず、「私はすべてを失った。私自身息絶えるかと気がかりだ」と詩を唱える。娘は「その『気がかり』こそ私の名前です」と言い、王と娘は結婚する→〔誕生〕1。

★3d.秘密の名前を言い当てることができない人に、正答教える。

トゥーランドットプッチーニ)  求婚者の王子カラフは、王女トゥーランドット出し三つの謎を解いた後(*→〔難題1b)、「明日夜明けまでに、私の名前を言い当てよ」との課題を、トゥーランドット与える。トゥーランドットは、王子の父や女奴隷拷問して名前を知ろうとするが、成功しない。王子トゥーランドット接吻して、「我が名はカラフ」と教える。トゥーランドットは「このお方の名は『愛』」と群集に告げ、二人抱き合う

★4.同じ名前・類似した名前の人がいれば、死すべき人の代わりに冥府へ送ることができる。

今鏡藤波の下」第6「ますみの影」  左少弁能忠は若死にした。少将入道有家の子で同じ能忠という名の人が病気になり、公尹法印祈祷したが、「その折に、同名のため取り替えられたのだ」と世人は言った。有家の子の能忠はまだ存命である。

捜神記10-12通巻262話)  病気の徐隗を冥府使い迎えに来る。甥の泰が命請いし、使いは「県内同姓同名の者がいるか?」と問う。「張隗という者がいるが、姓が徐ではない」と泰が答えると、使いは「その者を連れて行くと言って去る。徐隗の病気は治った。

捜神記15-3通巻361話)  南陽の文合という男が病死し、冥府役人が彼を泰山連れて行った。すると上司帳簿調べて「某郡の文合を連れて来るはずだったのに、別人連れて来た。すぐ帰してやれ」と命じ、文合は死後二晩して蘇生した。

二人小町芥川龍之介)  黄泉使い小野小町訪れる。小野小町は、「私は深草少将の胤を宿しているから」と嘘をつき、同じ「小町」という名を持つ玉造小町を、代わりに冥土連れて行くように請う。しかし玉造小町色仕掛け黄泉使い丸めこみ、結局小野小町玉造小町生き延びる。数十年後、老乞食となった二人小町は死を願うが、黄泉使い二人を見捨てて去る。

*→〔選択〕2cの『マタイによる福音書』第27章の、「囚人のバラバ・イエス」と「メシア呼ばれるイエス」の物語は、二人とも「イエス」という名前を持つので、一方他方身代わりに殺すことができる、ということかもしれない。

*→〔死神〕2の『広異記』17冥土への身代わり」・『日本霊異記』中-25

*→〔入れ替わり3aの『転校生』(大林宣彦)の場合も、「斉藤一夫」「斉藤一美」という類似した名前を持つ二人だったから、身体と心の入れ替わりが可能だったのであろう

★5.自分の名前を忘れる。

『S・カルマ氏の犯罪安部公房)  朝、目を覚ますと、「ぼく」は自分の名前を忘れていた。勤務先受付名札によれば、「ぼく」の名前は「S・カルマ」のようである。事務所には別の「ぼく」がいて、仕事をしていた。右眼で見ると、「ぼく」に生き写しの男である。しかし左眼で見ると、一枚紙片にすぎなかった。それは、「N火災保険資料課 S・カルマ」と印刷された「ぼく」の名刺だったのだ。

名取川狂言)  遠国の僧が比叡山受戒し、「希代坊」「不祥坊」という二つの名前をもらって帰るが、川を渡って足を踏み外した時に、名前を忘れる。土地の男が「ここは名取川。我は名取の某」と言うので、僧は「汝が名前を取ったのであろう」と怒る。しかし男が「希代なことを言う。不祥所へ来た」と言ったことから、僧は名前を思い出す。

★6.威力ある名前。

黄金伝説50「主のお告げ」  ある騎士街道ぞいに城を構え往来する人々から金品巻きあげていた。悪魔騎士の魂をねらうが、騎士毎日アヴェ・マリア」を唱え聖母讃えるので、悪魔は手が出せない。

黄金伝説110「聖キュリアクスとその同勢」  ペルシア王女悪霊とりつかれる。聖キュリアクスが「主イエス・キリストが、ここから出て行けと命じておられると言うと悪魔は「なんと恐ろしい名だ」と悲鳴上げ王女体内から飛び出す

黄金伝説113聖母マリア被昇天」  修道士たちが、川辺で舟を漕ぐ音を聞き何者か」と問うと、「悪魔だ」という答えが帰って来る。修道士たちは「聖母マリア様」と叫ぶ。悪魔たちは「お前らを引き裂いて川に投げこんでやろうと思っていたのに」と言い捨てて去る。

今昔物語集1-37  天竺の財徳長者の幼な児は、父の教えしたがい、つねに「南無仏」と唱える。ある日、鬼神がこの小児を食おうとした時も、小児は「南無仏」と唱える。すると仏が瞬時に来て小児守り執金剛神鬼神退治した。

『夢を食うもの』小泉八雲骨董』)  悪鬼現れ時に」の名を呼べば、悪鬼地下三尺の下へ沈んでしまう。また、王侯には「」という字が金で書いてあり、こので眠る者は、文字効力によって悪夢に悩まされることがない。

*→〔悪魔〕7の『イワンのばか』(トルストイ)。

*→〔首〕10の首なし馬の伝説

★7a.同名異人

宇治拾遺物語14-7  の日、殿上人たちが退屈しのぎに、「六」という女を呼びにやる。ところが、やって来たのは白髪まじりの刑部録(ぎょうぶさかん)だった。「六」と「録」の取り違えであった。

源氏物語帚木」  空蝉が、女房の「中将の君」はどこへ行ったのか、とお付き人々に問う。近衛中将ある光源氏が、「中将をお呼びになったのでやって来ました」と言って空蝉の寝所入りこむ。

古今著聞集16興言利口」第25  兵庫助則定は老女小松寵愛したため、「小松まぎ」と呼ばれていた。ある日、台盤所女房が「こまつなぎ」(馬棘または三本草)を求めた時、侍が間違えて「小松まぎ」則定を連れて来た。

肉体の悪魔ラディゲ)  人妻愛人との間にできた子に、愛人と同じ名前をつける。人妻は病んで死ぬ時、愛人の名を呼ぶが、夫は、自分たちの子の名を呼んで死んだものと信じる。

歴史ヘロドトス)巻3-306465  カンビュセス王は、スメルディス玉座に座るとの夢を見て、弟スメルディス自分殺し王位につくのではないか疑い、弟を殺す。しかし後に、カンビュセス別人スメルディス王位奪われる

同名双子→〔双子1b

★7b.同名の人と動物

サザエさん朝日文庫版・第28125ページ  夫が寝言で「ナオミちゃん」と言う。妻が問い詰めると、夫は「おちつけ。昨日つけた飼い猫の名じゃないかと言う。妻は隣人サザエに「主人命名したのよ。あたしゃどう釈然としないんだ」と相談する。サザエは「奥さん疑わしきは罰せずよ」と言う

マハーバーラタ第7巻「ドローナの巻」  パーンダヴァ軍は、敵将ドローナ戦意喪失させるため、彼の息子アシュヴァッターマンと同じ名前の象を殺し、「アシュヴァッターマンを討ち取った」と叫ぶ。これを聞いたドローナは、呆然として生きる気力をなくし、武器捨て瞑想に入って、たやすく討たれてしまう。

★7c.同名の人と都市

『八岐の園』ボルヘス)  ドイツ帝国スパイ兪存(ユソン博士は、正体を知られて追われる。兪存は、英国砲兵陣地のある都市名をベルリン知らせるために、中国学者アルバート訪れ射殺し、その直後逮捕される。兪存によるアルバート殺害新聞記事を見たベルリン軍部は、アルベールアルバート)市が爆撃目標であることを知る。

*人の名前と思ったら、土地の名前だった→〔謎〕2aの『砂の器』(松本清張)。

*国の名前と思ったら、人の名前だった→〔予言〕3の『史記』「秦始皇本紀」第6。

★8.名前と命。瀕死の人の名前を呼んで生の世界引き戻す逆に、名前を唱えている間に死んでしまう。

軽口御前男巻之2-9「欲から沈む淵」  母親が寺へ行き、憎い継子に「如是我聞」という短い名、大事な実子に「阿耨多羅三藐三菩提」という長い名をつけてもらう。継子が川へ落ち、すぐに助け上げられるが、実子落ち時には母親救い求めて阿耨多羅三藐三菩提流れます」と言っているうちに、実子行方知れずになる。

寿限無落語)  生まれた子に、長生きするように「寿限無寿限無五劫の摺りきれ・・・・」という、長い名前をつける。この子近所の子の頭をぶって泣かし、瘤ができた近所の子が言いつけに来るが、「お前の家の寿限無寿限無五劫の摺りきれ・・・・が」と言っているうちに、瘤がひっこんでしまう〔*この子に溺れた時、長い名前ゆえ、友達危急伝えているうちに死んでしまう、というのが古型〕。

遠野物語柳田国男97  ある男が病んで死に瀕するが、いつのまにか人の頭ほどの高さの空中菩提寺向けて飛んでおり、たいへん快い。寺では、死んだ父親息子出迎えるが、寺門の辺で騒がしく自分の名を呼ぶ者がおり、いやいや引き返す、と思うと男は正気づいた。

★9.命名起源および命名まつわる誤解

悪太郎狂言)  大酒飲み悪太郎が、酔って道に寝る。伯父悪太郎の頭を剃り、「汝を『南無阿弥陀仏』と名づける」と言い置く。通りかかりの僧が「南無阿弥陀仏」と念仏唱えるのを、悪太郎は「自分の名を呼ばれたか」と思って返事をする。それがきっかけで、悪太郎出家する。

今昔物語集巻17-44  不思議な女が、大きなほどの黄金を産んだ。この時から子金(こがね)というようになった。

ナンジャモンジャの木の伝説  村人が、珍しい木の名前を弘法大師聞く弘法大師も木の名がわからず「何じゃろうか、どんなもんじゃろうか」と呟く。村人はそれを木の名前と思い、その木は「ナンジャモンジャの木」と呼ばれるようになった(埼玉県飯能市)。

薬罐落語)  博識自慢する隠居が、薬罐語源を聞かれる。隠居は「昔、あれは『わかし』といった。川中島の戦の時、夜討ちをかけられ、一人武者が兜代わりにわかし』をかぶって戦った。これに敵の矢がカーンと当たった。矢がカーンで『薬罐』だ」と答える。

*→〔〕1aの『日本霊異記』上-2。

★10.子供の名前をつけ間違える。

トリストラム・シャンディスターン)第4巻第8章・第14章  ウォルター・シャンディは、エジプト智恵トトギリシア名ヘルメス・トリスメジスタスにちなみ、息子にトリスメジスタスと命名ようとする。ところが、それを教区の副牧師伝えに行く女中スザンナが、うろ覚えで「トリス何とか」と言ったため、トリストラム(「悲しみ」を意味する)と名づけられてしまう。

★11.子供に名前をつけない。

王書フェルドウスィー第1部第6章「フェリドゥーン王」  フェリドゥーン王には三人王子がいた。王は彼らを可愛がるあまり、名前をつけなかった。イエメンのサルヴ王に三人王女がいた。サルヴ王も彼女たち可愛がるあまり、名前をつけなかった。フェリドゥーン王の三王子は、サルヴ王の三王女を妻として迎えた。フェリドゥーン王は、三王子の長男をサルム、次男トゥール三男をイーラジと名づけ、彼らの妻にもそれぞれ「自由」「高貴な月」「健やか糸杉」という意味の名前を与えた。  

★12.名前の呼び方の不審

半七捕物帳岡本綺堂)「三つの声」  待ち合わせの場所に庄五郎が来ないので、藤次郎が家まで呼び行き、戸を叩いて「おかみさん。庄さんはどうしました?」と尋ねる。その時すでに庄五郎は、待ち合わせ場所の近くで殺されていた。庄五郎呼びに行くのなら、まず庄五郎の名を呼ぶはずなのに、「おかみさん」と呼んだのは、庄五郎不在知っていたからだ、と半七は推理し、藤次郎殺人犯見抜く〔*新可笑記井原西鶴)巻3-2「国の掟はちえの海山」に類話〕。 

*同じ呼び名のため人違いされる→〔取り違え夫婦〕の『堤中納言物語』「思はぬ方にとまりする少将」。

前世同名・類名で転生する→〔前世〕2の『増鏡』第4「三神山」・〔転生〕1。

*逆綴りの名前の二人→〔記憶〕4の『鋸山奇談』(ポオ)。

*名前の読み方→〔文字〕4。

*男にも女にも用いられる名前→〔性転換〕2の『変身物語』(オヴィディウス)巻9。



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名前

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/08 17:41 UTC 版)

名前(なまえ)とは、人物に与えられた言葉のことで、それらを識別したり呼んだりする際に使われる。名称、あるいは単にとも言う。名前をつけることを「名付ける」「命名(めいめい)する」という。名前として使われる言葉を名詞という。

多くの場合、名前とは人名である。また、人名のうち、家族を表す(名字)でない方、個人を識別する名を指すことも多い。ただし、名ではなく姓を指して「名前」と呼ぶこともある。




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