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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

よしの-がわ ―がは 【吉野川】

?(名)

(1)奈良県紀伊山地の経ヶ峰付近水源とする川。和歌山県入り川となり紀淡海峡に注ぐ。長さ81キロメートル歌枕
「―岩波高く行く水のはやくぞ人を思ひそめてし/古今(恋一)」
(2)四国中央部を東西流れ大河長さ194キロメートル四国山地瓶ヶ森に発し、上流部に大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)峡谷をつくり、徳島平野形成して紀伊水道に注ぐ。流域が広く、交通大動脈であるとともに農業電力工業用水などに利用される。四国三郎
?枕詞
同音の「よしや」にかかる。
「―よしや人こそつらからめはやく言ひてしことは忘れじ/古今(恋五)」


日本の川

国土交通省河川局国土交通省河川局

吉野川

より青きよしのがわ
吉野川は、高知県愛媛県県境にある瓶ヶ森にその源を発し、四国中央部を東に流れ幾つも渓流合わせながら、高知徳島県付近流れを北に変え、大歩危小歩危奇勝をつくり、銅山川祖谷川合流徳島県池田町入ります。そして、再び東に向きを変え、徳島平野貫流し、旧吉野川分流徳島市紀伊水道に注ぎます。また、別名「四国三郎」とも呼ばれ、関東利根川坂東太郎九州筑後川筑紫次郎とともに日本を代表する大河川であり、暴れ川としても知られています。

吉野川の河口
吉野川の河口

河川概要
水系吉野川水系
河川吉野川
幹川流路延長194km
流域面積3,750km2
流域内人641,000人
流域関係都県徳島県香川県高知県愛媛県

吉野川流域図
○拡大図
1.吉野川の歴史
"江戸時代財政的技術的に現在のような築堤が困難だったとき、さまざまの洪水対策がとられていました。浸水を防ぐ高石垣の家。水勢を弱め、田畑への土石侵入を防ぐ竹林。また信仰心から洪水浸水ないようにした「高地」など多く洪水対す民衆知恵が現在も残っています。"

水防知恵信仰

徳島平野をゆるやかに流れ下る四国三郎吉野川。その壮大な流れ悠久歳月をかけて肥沃大地を育み、時に暴れ川となって猛威をふるいました。流域生き先人達にとって、吉野川は、母なる川であると同時にあらゆるものを奪い去る恐ろしい洪水元凶でした。
 高 地 蔵
高 地
堤防がなかった頃、どれだけ多く人命財産が、荒れ狂う暴れ川濁流飲み込まれていったことでしょう年中行事のように毎年襲ってくる洪水前に人々なす術もなく嘆くばかりでした。
吉野川の中下流域の低平地は、特に洪水災害甚大だったところです。中下流域を歩けば、あちらこちらでさまざまな表情のお地蔵さんに出会うことができます。高い台座鎮座するお地蔵さんは、俗に高地」と呼ばれて民衆親しまれてきました。他に類を見ない高さの台座には訳があります。『お地蔵さんがに浸かったり流されたりしては申し訳ない』。民衆たちの信仰心が、台座を高くしました。

田 中 家
田 中
江戸時代当時商の全盛思わせる田中家では、洪水から家を守るように石垣を築き、洪水屋根までくると茅葺きでつくられている母屋屋根浮き上がり船の代わりなるようにしています。更には軒下救助船の役目をする船が吊られています。吉野川の洪水恐ろしさを知っていた当時知恵者は、ここまでして緊急事態備え危機管理考えていたということでしょう

印 石
印 石
ときには洪水対す恐れ争い生むこともありました。洪水から自分たちのを守るため他のより、少しでも堤防を高く作ろうとしました。これは、他の堤防が高くなると自分流れ込んでくるためです。このため、今後争いが起こらないようにと堤防作る高さを規制する印石(しるしいし)堤防に埋め込まれました。

水 防 竹 林
水 防 竹 林
また、堤防構築財政的理由などによりできなかった藩政時代徳島藩は沿川部堤防竹藪植え付け奨励しました。地下茎のからんだ竹林による浸食から川岸堤防を守るとともに洪水水勢削ぎ、岩や小石耕作地に侵入したり、家屋流失することを防ぐ役割を果たしました。かつて水防竹林の竹材は物干し竿釣り竿などにも利用されました。また、竹尺、和傘製造原料となり、明治から昭和にかけ竹材を利用した地場産業発達をもたらしました。
洪水から家を守るように石垣を築いた家や、家屋流失を防いだ水防竹林が人の暮らしを守るために生まれた“暮らし知恵”ならば、高地台座は、地蔵を守るために生まれ民衆たちの“心の知恵なのです。そして、台座の高い地蔵が建つ場所ほど洪水被害大きく民衆願いもまた大きかったと言えます。そこには今も絶えることなく、赤いよだれかけ美しい花、たくさんの供物を見ることができます
2.地域の中の吉野川
"吉野川は、上流中流下流それぞれ変化にとんだ姿を我々の前に現します。上流では川下りラフティング中流では竹林親水施設下流では河川敷でのイベント。また河川清掃美化するボランティア活動も盛んです。"

地域社会との共生

吉野川は、上流中流下流それぞれ変化にとんだ姿を我々の前に現します。各地域でさまざまな川とのつながりがあり、イベントなどが行われ、河川親しむことができます

アドプト団体による清掃
アドプト団体による清掃
吉野川流域に暮らす人たちが自分たちの手で吉野川を守ろうという、「アドプトプログラム吉野川」と名付けられたボランティア活動あります。吉野川の堤防河川敷企業住民グループ養子縁組(アドプト)をし各団体定期的に清掃美化する活動です。
120超える団体が登録し、約90km区間清掃美化しています。

ひょうたん島クルーズ
ひょうたん島クルーズ
下流徳島平野支川新町川などが入り組み三角州形成しています。徳島市中心にある、川中島ひょうたん島と呼ばれ、NPO法人新町川を守る会」が運営するひょうたん島クルーズで川の中から町並み眺めることができます

吉野川フェスティバル
吉野川フェスティバル
吉野川の河川敷グランドなどに使用され、そこで夏季には地元ボランティア運営する「吉野川フェスティバル」が開催され、国土交通省でもPRブース体験コーナーなどで参加しています。
秋に家族参加できる「ファミリーハゼ釣り大会」が開かれ多く市民参加しています。

水防竹林
水防竹林
吉野川に沿った竹林中流域代表的景観となっています。現在のような規模築堤が困難だった江戸時代洪水被害を減らすため竹の植え付け奨励されました。地下茎がからんだ竹林は、洪水時の水勢弱めるとともに流木土石田畑などに流れ込むのを防ぐ役割を果たしました。水辺の楽校山川バンブーパークは、竹林一部整備して広場作り遊具設置し、川に親し施設となっています。

カヌーは吉野川全域で楽しめますが、上流高知県本山町一つ拠点となっています。国体予選もかねた「カヌー四国選手権大会」の会場ともなるコースでは、初心者から上級者まで楽しめます。また8月には手作りのいかだで川をくだる「いかだまつり」もおこなわれています。四国一の水質を誇る支流穴吹川でも手作り下り大会開催されています。

ラフティング
ラフティング
上流大歩危・小歩危峡はV字渓谷形成し、急峻渓谷美が全国的に有名です。ここではインストラクター指導のもと激流を下る「ラフティング」が体験できます。また、ゆったりと渓谷美を楽しみながら川下りしたいなら遊覧船による「大歩危下り」もあります

池田ダムの静かな湖面では「遊覧船スワン号」の運行もおこなわれ、約4キロコース周遊両岸広がる景色を楽しめます。支流銅山川金砂湖では、夏になるとウィンドサーフィンジェットスキーを楽しむ若者訪れます。金砂湖バス釣りポイントともなっています。
スワン号 金砂湖
スワン号金砂湖
3.吉野川の自然環境
"吉野川に生息する生物数多く水域生物ではオイカワアユ汽水域ではスズキトビハゼカニ類等が多く生息しています。一方、陸域生物では、ヨシ群落オギ群落アカメヤナギ群落ツルヨシ群落など自然度の高い豊かな植生形成されています。また、河口部は「東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク」に参加しています。"


アユ
アユ
吉野川の流域面積は3,750km2であり、そのうち山地87%平地13%を占めています。
吉野川に生息する生物数多く水域生物ではアユオイカワ、また、カゲロウ類、トビケラ類、カワゲラ類など河川中・下流域にみられる生物数多く生息しています。また、広大汽水域存在し、ボラスズキトビハゼなどの汽水海産性の魚類や、カニ類を初めとする干潟生物多く生息しています。

ヨシ
ヨシ
一方、陸域生物では、河口域の広大ヨシ原第十堰から上流オギ群落アカメヤナギ群落ツルヨシ群落など自然度の高い豊かな植生形成されており、これらを生息場所や採餌場所とする数多く動物生息しています。また、河口部は1996年3月開催されたラムサール条約特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約締約国会議でスタートした
シオマネキ
シオマネキ
「東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類に関する湿地ネットワーク」に参加しており、環境庁からは「日本の重要湿地500」に選定される等、四国最大のシギ・チドリ類の渡来地として重要な湿地となっています。
このような豊かな自然が残されている吉野川には、他の地域では少なくなった特定種も数多く生育生息しています。魚類ではイチモンジタナゴメダカ
コアジサシ
コアジサシ
底生動物ではシオマネキハクセンシオマネキ植物ではミゾコウジュやカワヂシャ、鳥類ではコアジサシミサゴ爬虫類ではスッポン昆虫ではルイスハンミョウなどその種類数多く、このことからも吉野川の自然度の高さが伺えます。
4.吉野川の主な災害


発生発生原因被災市町村被害状況
昭和36年9月第二室戸台風徳島市外6市町村浸水面積 農地 6,638ha
全壊流出 178
半壊床上浸水 15,462
床下浸水 9,702戸
昭和51年9月台風17号徳島市25市町村水面農地 8,093ha
全壊流出 109
半壊床上浸水 3,901戸
床下浸水 25,713戸

(注:この情報2008年2月現在のものです)


河川・湖沼名辞典

日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社

吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 広島県

水系 芦田川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 山口県

水系 三蒲川水系

等級 2級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 高知県

水系 鏡川水系

等級 2級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 高知県愛媛県

水系 渡川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 高知県徳島県

水系 吉野川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 佐賀県

水系 有田川水系

等級 2級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 大分県

水系 山国川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 大分県

水系 大野川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 北海道

水系 天塩川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 宮城県

水系 北上川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 山形県

水系 最上川水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 埼玉県

水系 荒川(東京都埼玉県)水系

等級 1級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 京都府

水系 吉野川水系

等級 2級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 京都府

水系 朝来川水系

等級 2級


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 和歌山県奈良県

水系 紀の川水系


吉野川

読み方:ヨシノガワ(yoshinogawa)

所在 岡山県

水系 吉井川水系

等級 1級



地名辞典

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吉野川

読み方:ヨシノカワ(yoshinokawa)

所在 愛媛県喜多郡内子町

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。


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吉野川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/07 18:57 UTC 版)

吉野川(よしのがわ)は、一級水系である吉野川水系の本川で、高知県および徳島県を流れる幹川流路延長194 km、流域面積3,750 km²の河川である。


[ヘルプ]
  1. ^ 数値の上段はダムの高さ(単位:メートル)、下段は総貯水容量(単位:トン)である。
  2. ^ 吉野川源流の森 - 水源の森百選 - 林野庁
  3. ^ 嶺北仁淀流域 - 四国森林管理局 林野庁
  4. ^ 高知分水 - 国土交通省
  5. ^ 愛媛分水 - 国土交通省






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