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合同式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/12/06 02:43 UTC 版)
数学、特に初等代数的整数論における合同算術(ごうどうさんじゅつ、英: modular arithmetic; モジュラ計算)は、(剰余を持つ除法の意味で)自然数あるいは整数をある特定の自然数で割ったときの剰余に注目して、自然数あるいは整数に関する問題を解決する一連の方法の総称である。合同算術の起源は、一般にはガウスが著作『Disquisitiones Arithmeticae』を出版する1801年にまで遡れるものとされる。ガウスによる合同式(ごうどうしき、英: congruence or congruence equation)を用いたこの新しい手法は、有名な平方剰余の相互法則を明らかにし、より抽象的な観点からウィルソンの定理などの定理の記述の簡素化に一役を買った[note 1]。ガウスの研究は自然数を扱う整数論のみならず、代数学や幾何学といった数学のほかの主要な分野にまで影響を与えるものであった。
この手法の基本は、「数それ自体」ではなくそれを別な数で割った(商がいくらになるかということは無視して)「剰余だけ」を考えるということにある。こういった考え方は何か特殊で高尚なものというようなものではなく、実際に日常生活においても時刻や角度といったものの計算や単位の換算などで、ちょっとした合同算術が特別な知識無くあるいは無意識に行われている。
20世紀には、合同算術にまつわる状況は大きく様変わりをしている。代数的数論を含めた数論の研究に代数幾何学や表現論といったような高度に抽象化された道具立てを用いた理論が必要とされるようになる一方で、計算機やウェブの普及に伴って情報セキュリティの観点からの暗号化アルゴリズムの開発や取り扱いといったような場面で古典的な合同算術に関する理論の工業的・商業的応用が頻繁に見られるようになった。こういった状況にあって、大部分が情報理論から生じる問題を解くために用いられる「剰余計算」としての合同式を扱う古典的な意味での合同算術は、純粋数学というよりは既に情報工学などの応用数学に属するべき分野になっていると考えられる。
- ^ ガウスは、合同式の記号について、「この計算式を身につけた人ならまったく天才でさえ途方に暮れるようなこみ入った場合にも機械的に問題が解ける」と述べている(遠山 1960)。
- ^ 意味がはっきりしてさえいれば、記述の手間を省くために略記されることもおおく、その意味では記号はかなりどうでもよい。実際、法 n が固定されている文脈などでは "modulo n" に相当する部分を略して単に "a ≡ b" としたり、時には "≡" ではなく等式のごとく "=" で結んだりする。
- ^ 整数 k の n を法とする剰余はしばしば k mod n で表されるので、この記法に従えば、合同式 a ≡ b (mod n) は等式 a mod n = b bmod n に書き直すことができる。この等式で k mod n を k の属する剰余類の意味にとっても同じことである。
- ^ 一部の文脈では記述が簡素な Zn を好む向きもあるが、近しいところのものである p-進整数環 Zp と紛らわしいため本項では控えるのが無難だろう。
- ^ これに倣って、一般に環のイデアルによる商代数系を同じく「剰余類環」あるいは「剰余環」と呼ぶことも多いため、文脈によっては注意を要する可能性がある。
- ^ 遠山啓 『数学入門(下)』 岩波書店〈岩波文庫〉(原著1960年10月20日)、初版、pp. 6,12。2009年2月28日閲覧。
- ^ Pierre de Fermat Correspondance 3 janvier 1657
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- ^ Pierre de Fermat Correspondance à Frénicle de Bessy 18 octobre 1640
- ^ Leonhard Euler Correspondance à Goldbach 12 avril 1749
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- ^ Dirichlet Démonstration du théorème de Fermat et de Wilson (compte-rendu par Cournot de quelques mémoires d'Abel, Jacobi et Lejeune-Dirichlet, au Journ. der Mathemat., de M. Crelle, t. 3, cah. 4). 1829, t. 11, p. 153-157
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- ^ Adrien-Marie Legendre Théorie des nombres, Firmin Didot 3e édition, 1830
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