原子力潜水艦シービュー号
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『原子力潜水艦シービュー号』(げんしりょくせんすいかんシービューごう、Voyage to the Bottom of the Sea)は、1961年のSF映画『地球の危機』の監督であったアーウィン・アレンが映画のセットをそのまま活用して1回60分の連続テレビドラマに再構成したものである。
- ^ 1960年代のアレンの他のTV作品は、「宇宙家族ロビンソン」が3シーズン83話、「タイムトンネル」が1シーズン30話、「巨人の惑星」が2シーズン51話で、本作がもっとも長く続いた。
- ^ 四季出版新社、テレビジョンエイジ、1975年8月号によれば第1シーズンに留まらず常に25%台の視聴率を確保していたという。ソースは不明。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」(2008年)、「空想科学画報Vol.2」(2009年)、en:Voyage to the Bottom of the Sea (TV series)、McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)など。
- ^ シオドア・スタージョンの小説版によると、建造の資金はネルソン家の個人的財産と全米からの寄付によるとなっている。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」(2008年)、P.19
- ^ 潜水艦の中を舞台にするドラマの設定として女性乗組員がいないのはある意味当然である。歴史的にはディーゼルエンジンの潜水艦の中はエンジンの発する熱でかなり暑いため(冷房はあってもどちらかといえば機器を冷却するためであり、また無音航行時は当然空調は切られる)、乗員は上半身裸で勤務している場合があり(ジェリー&シルヴィア・アンダーソン夫妻が制作した「謎の円盤UFO」に登場する潜水艦スカイダイバーでは、クルーは男女とも裸の上に網目状のシャツを着用している)女性が参加出来るような環境ではなかった。また同時に艦内のスペースが限られているため女性専用のトイレやシャワールーム用更衣室を備え付けるのが難しかった(ほとんどの場合更衣室自体が存在せず通路に脱いだ衣服を置いてシャワールームを利用した)という事情がある。一般に世界の軍隊で女性の潜水艦乗組員が認められるようになったのはようやく2010年頃からであり、日本の自衛隊については、女性の潜水艦乗組員を認めたのは2018年12月になってからである。Wikipediaの潜水艦のページの「性差」の説明を参照。日本の自衛隊の事情については以下の新聞報道を参照。https://www.sankei.com/life/news/181221/lif1812210037-n1.html
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.2、2009年、P.65参照。なお、次のYouTubeビデオによると、ある女優はアレンからランチをご馳走すると誘われたが、連れて行かれたのはアレンが行きつけのハンバーガーのチェーン店だったと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=i6ynAWNgiT0&t=56s
- ^ その中の一人には、スタートレックのファーストシーズンの加藤(ズールー)役で日本でもおなじみのジョージ・タケイがいる。第2シーズンの第10エピソード。
- ^ 1960年代のアメリカのTV番組におけるアフリカンアメリカン俳優の浸透については以下のサイト(英語)に情報がある。https://jfredmacdonald.com/bawtv/bawtv10.htm なお、64年の公民権法成立の前には、「差別意識」だけでなくアフリカンアメリカンへの「差別的取扱い」が特に南部の州では悪名高いジム・クロウ法によって合法であったのであり、スタートレック(公民権法成立後)と比べてこの作品にアフリカンアメリカンが登場しないからといって、アーウィン・アレンが開明的ではなかったとするのはバランスを欠いた評価と言わざるを得ない。実際の所、公民権法成立以前のアフリカンアメリカン俳優のTVへの登場は前掲のサイトにあるように極めて限られている。
- ^ 第2シーズンのエピソード25
- ^ 第2シーズンのエピソード9
- ^ 第1シーズンのエピソード1と第2シーズンのエピソード2
- ^ 第1シーズンのエピソード14
- ^ 第1シーズンのエピソード7は、恐竜を使い回すだけではなく、後半はほとんど映画「失われた世界」そのままである。但し映画はカラーでTVは白黒。クレーン艦長役のデヴィッド・ヘディソンが「失われた世界」でも新聞記者役で登場しているため、このような使い回しが可能になった。なお、「失われた世界」の通称「トカゲ恐竜」(トカゲやイグアナ、ワニなどに飾りを付けた恐竜)はアーウィン・アレンの1960年代の4つのTVシリーズ(「原子力潜水艦シービュー号」「宇宙家族ロビンソン」「タイムトンネル」「巨人の惑星」)のすべてで使い回されている。McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)参照。
- ^ シーズン4の英語版DVDのVolume Oneに収められたデヴィッド・ヘディスンのインタビューによれば、第2シーズン以降はアーウィン・アレンは宇宙家族ロビンソンの方が忙しくなり、シービュー号へ関わる時間が減り他の監督に任せるようになったという。
- ^ 第2シーズンのエピソード17とエピソード26に第1次世界大戦時のドイツのUボートの艦長の幽霊が登場する。
- ^ 第3シーズンのエピソード2と14。
- ^ 第3シーズンエピソード19。半魚人は第3シーズンのエピソード8でも登場している。
- ^ 第3シーズンのエピソード20。
- ^ リー・クレーン艦長役デビッド・ヘディスンインタビュー Voyage to the Bottom of the Sea SEASON TWO・VOLUME TWO ASIN B000K7VHYG
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.1(2008年)、P.18。映画版ではUSOS Seaview。なおピリオド無しのSSRNはアメリカ海軍ではレーダー・ピケット(レーダー哨戒)原子力潜水艦のこと。en:USOS Seaview
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」、P.18より。シービュー号のサイズについては他に諸説あり。現在残されている撮影用のミニチュア数種の縦横高さのサイズ比が微妙に違うからである。
- ^ en:USOS Seaview参照。空想科学画報Vol.1では55ノットになっている。
- ^ シーズン3のエピソード65参照。なお、この圧壊深度は現在の通常の原子力潜水艦の約2倍のレベルである。
- ^ ノベライズ版によると、観測窓はガラスではなくネルソン提督が発明した「X強化ハーキュライト(X-tempered herculite)」製で、船体の外殻の一部でたまたま透明なだけだという。創元推理文庫、「原子力潜水艦シービュー号」、シオドー・スタージョン、井上勇訳、P.15参照。なおこの翻訳では「硬度Xのハーキュライト」。
- ^ 「最強の兵器」と呼ばれる割りには、敵から何かの攻撃を受けると、艦が左右に激しく揺れそれに伴いほとんどいつも艦内の装置が火を吹き火災が発生する。また、マシンルームにあるメインの制御装置は多くの回路がキャビネットにすら入っておらず剥き出しであり、しばしば中に入り込んだエイリアンや敵のスパイによって簡単に破壊されている。
- ^ ポール・W・フェアマンの「シービュー号と海底都市」によれば、核弾頭ミサイルの搭載はネルソン提督自身が希望したことで、しかし政府要人にそれを依頼した時はバカ呼ばわりされたのを、米国大統領が鶴の一声で決めたとしている。
- ^ 放映開始当時、原子力潜水艦は最高軍事機密であり、その内部に関する情報は公開されていなかった。現在の米国海軍の原子力潜水艦を含む原子力船は通常の原子力発電所と同じ加圧水型の原子炉を使っている。https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/pub/pamph/pdfs/usa_kaigun.pdf?fbclid=IwAR3_6mRk8DQ4stUzsG-BEeqsTCu8LIKMHRQUjA-gExa57BXfxBORuN-72SI
- ^ 第4シーズンのエピソード9では、4門ある魚雷の内、1番と3番を後方から追走する敵潜水艦に対し発射し、2番と4番を前方の敵の潜水艦基地に対して発射するという離れ業(?)を演じている。しかし魚雷の装填口は4門が正方形に配置されており、2本ずつ前後に発射出来るようにはとても見えない。「空想科学画報Vol.1」に載っている青写真を見る限りでは4本の魚雷発射口らしきものは後方にある。20世紀FOXが公開しているレイアウト図では、魚雷発射管は後方であるが、前方にも「魚雷室」が存在する。http://www.iann.net/voyage/behindscenes/blueprints/images/seaview_layout_blueprint.jpg
- ^ 第3シーズンのエピソード25参照。
- ^ 第2シーズンのエピソード22参照。
- ^ アメリカ海軍で1964年からMk45 (魚雷)という潜水艦搭載の核弾頭魚雷が実際に装備されている。
- ^ 第4シーズンエピソード6など。
- ^ 第1シーズンエピソード19など。
- ^ 第1シーズンのエピソード22など。
- ^ 第4シーズンのエピソード4。
- ^ 第4シーズンのエピソード10参照。
- ^ 第1シーズンのエピソード18など。
- ^ 大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」
- ^ 第1シーズンエピソード18。
- ^ 第1シーズンのエピソード32参照。
- ^ 第2シーズンのエピソード2参照。
- ^ 第3シーズンのエピソード11参照。
- ^ クレーンの正式タイトルはcaptainで、skipperは通常、より小さな艦艇の長という意味。
- ^ なお、デヴィッド・ヘディソンはアーウィン・アレンの「失われた世界」に主演(新聞記者)として出たが、恐竜探検に女性がプードル犬を連れて行くといった馬鹿げた脚本にうんざりしており、「シービュー号」のクレーン艦長役を依頼された時は気乗りがしていなかった。しかしネルソン提督役でリチャード・ベースハートが出ると聞き、ベースハートのファンだったので出演を承諾したと、英語版DVD(Season 1 / Volume 2)に収録されているインタビューで述べている。
- ^ en:Henry Kulky 四季出版新社、テレビジョンエイジ、1975年8月号によればルー・テーズやプリモ・カルネラとも対戦経験があるという。
- ^ McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.50参照。
- ^ この項及び他の項でのT-maru加筆分の内容はすべて第1シーズン~第4シーズン英語版DVDの視聴に基づく。
- ^ McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.111、大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」による。但しカタカナ表記は一部変更。
- ^ NETで放映された第1シーズン分は放送資料が残っておらず、翻訳・演出・キャスティングの詳細は不明。かつてパイオニアから発売されていたレーザーディスクには第1シーズンも含まれていたが、現在発売されている日本語版DVDは第2~第4シーズンのみを収録。なお、吹き替え版の制作にあたったのはNET版も東京12チャンネル版も東北新社。大日本絵画、空想科学画報Vol.1、P.19参照。
- ^ 大日本絵画、空想科学画報Vol.1、P.45参照。
- ^ en:Voyage to the Bottom of the Sea (TV series)、McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、国会図書館での検索でのパイオニア製レーザーディスクの書誌情報、原潜シービュー号~海底科学作戦 DVD COLLECTOR'S BOX Vol.1~Vol.5、大日本絵画、「空想科学画報Vol.1」による。但し脚本家の表記変更:ホワィトン→ホワイトン
- ^ アーウィン・アレンの従兄弟。単独脚本の話が2話、第4シーズンにある。McFarland, Jon Abbott著, "Irwin Allen Television Productions, 1964-1970 A Critical History"(2006)、P.101
- ^ 第1シーズンのエピソード18とまったく同じタイトルだが、話としては別で関連性は無い。
- ^ 偕成社から小学校高学年向けに出ていたSF全集で全28巻。https://garamon.jp.org/archive/6703 http://www.princess.ne.jp/~erb/kaiseisha.html 参照。
- ^ スタージョンのビブリオグラフィーを見ても、本作は日本以外では発売されていないように見える。http://www.isfdb.org/cgi-bin/pl.cgi?700652
- 1 原子力潜水艦シービュー号とは
- 2 原子力潜水艦シービュー号の概要
- 3 登場人物とキャスト
- 4 原語版スタッフ
- 5 脚注
固有名詞の分類
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