ちしまからふと‐こうかんじょうやく〔‐カウクワンデウヤク〕【千島樺太交換条約】
読み方:ちしまからふとこうかんじょうやく
樺太・千島交換条約
(千島・樺太交換条約 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 17:13 UTC 版)
樺太・千島交換条約(からふと・ちしまこうかんじょうやく)は、1875年(明治8年)5月7日に日本とロシア帝国との間で1854年の日露通好条約で雑居・共有としていた樺太(サハリン)で頻発していた日露両国人の紛争を無くすために国境を確定させた条約[2]。樺太に対する日本の領有権と当時のロシア領千島列島(北千島列島)とを交換した内容であり[2][3]、サンクトペテルブルクで署名され、同年8月22日に東京にて批准され締約された。
注釈
- ^ たとえば、1984年(昭和59年)に実施された、函館ラ・サール高等学校の入学試験の社会の大問1(正誤の判定をさせる問題)(8)には、正しい文として、「ロ 1875年, 千島・樺太交換条約をロシアとの間にむすび, 千島を日本領, 樺太をロシア領とした。」が記載されていた。このことから、当時の中学校の社会科では、「千島・樺太交換条約」と教えていたことがわかる。何よりも、この条約について太政官布告では「千島・樺太交換條約」と表記されている。
- ^ 日本政府外務省は日露和親条約では、樺太は日露混住の地と決められたと説明している(外務省国内広報課発行『われらの北方領土2006年版』P6)。
- ^ 歯舞群島を構成する島々を列挙するのならば、クリル諸島あるいは千島列島全体をすべて数えると32である。
出典
- ^ 日本法令索引 - 国立国会図書館
- ^ a b 三訂版, 日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,旺文社日本史事典. “樺太・千島交換条約とは”. コトバンク. 2022年10月8日閲覧。
- ^ “北方領土問題の経緯(領土問題の発生まで)”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2022年10月8日閲覧。
- ^ 阿部光蔵「北方領土の地位」『幕末期日露関係』 南方同胞援護会、昭和37年(1962年)3月、P5~P38。
- ^ 『ロシア史〈2〉18~19世紀』 田中陽児、倉持俊一、和田春樹編、山川出版社〈世界歴史大系〉1994年(平成6年) p254-255
- ^ a b c d “先住民族の近現代史 ~日露の狭間で翻弄された人々~”. 知ってなるほど 明治・大正・昭和初期の生活と文化. 国立公文書館 アジア歴史資料センター. 2021年8月14日閲覧。
- ^ 外務省条約局『旧條約彙纂』第一巻第二部、1934年。
- ^ 村山七郎『クリル諸島の文献学的研究』P144,P145
- ^ a b 村山七郎 『クリル諸島の文献学的研究』1987年8月、P143~P146。和田春樹『世界』1987年5月、1988年5月、1988年11月、岩波書店。長谷川毅『北方領土問題と日露関係』2000年、P21~P23。Thierry Mormanne (1992). "Le problème des Kouriles: pour un retour à Saint-Pétersbourg", in: Cipango, N° 1, Paris, p.58-89. ISSN 1164-5857.
- ^ 国会議事録第7回衆議院外務委員会7号昭和25年03月08日発言者番号141
- ^ 国会議事録第24回衆議院外務委員会4号昭和31年02月11日(発言者番号5-23)
- ^ 「尖閣・竹島・千島 領土問題 - 特集」『しんぶん赤旗ホームページ』、2012年8月。
- 1 樺太・千島交換条約とは
- 2 樺太・千島交換条約の概要
- 3 北方領土問題と樺太・千島交換条約の関連
- 4 脚注
千島樺太交換条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 00:46 UTC 版)
「アレクサンドル・ゴルチャコフ」の記事における「千島樺太交換条約」の解説
1855年の日露和親条約以来、江戸幕府とも領土交渉にあたっていたが、幕府は樺太の領有権を主張したため、交渉はまとまらなかった。幕府とロシアは競うように樺太に大量の移民を送り込みはじめたので、現地は日本人、ロシア人、アイヌ人の三者間の摩擦が増えて不穏な情勢になった。 明治維新後、こうした状況の緩和のため日本政府は樺太と千島列島の交換の線で交渉を行い、ロシア側がこれに応じた結果、1875年にゴルチャコフと駐露日本公使榎本武揚の間で千島樺太交換条約が締結される運びとなった。
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