十夜ヶ橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 07:09 UTC 版)
本尊真言:おん まいたれいや そわか ご詠歌:行き悩む 浮世の人を 渡さずば 一夜も十夜の 橋とおもほゆ 松山自動車道大洲インターチェンジと国道56号の交差点付近にあり、空海(弘法大師)が野宿をしたという伝説が残り、四国八十八箇所霊場で多くの番外があるがここは随一の番外札所である。また、四国別格二十霊場八番札所、南予七福神七番札所(福禄寿尊)になっている。 言い伝えによれば、四国を巡錫中の空海が菅生山(大寶寺)に向かう途中、この地で日が暮れた。このとき周囲は田園であり、宿泊場所となる民家が見あたらなかった。 空海は小川に架かる橋を見つけ、仕方なくその橋の下で一夜を過ごすことにしたが、暗く長い一夜が十夜にも思えた。そこで、この寺の御詠歌となっている上記歌を詠んだと言われる。 この言い伝えから、この橋は「十夜ヶ橋」と呼ばれるようになり、橋のたもとに大師堂が結ばれたほか、橋の下には野宿をする空海の像が置かれている。また、橋の下は「修行」として国内で唯一野宿が認められている場所であり、十夜ヶ橋納経所ではござを貸し出している。なお、四国遍路などでは、空海が安眠できるよう巡礼者はこの橋に限らず橋の上では杖をつかないという習慣がある。 現在、この橋は肱川の支流である都谷川(とやがわ)に架かる国道の橋となっており、さらに橋の上には自動車道の高架橋がかかっている。なお、四国遍礼名所図会(寛政12年遍路)の挿絵には、十夜橋と書かれ「とよのはし」と振仮名がふられている。また、川の名前から「とやがばし」と呼ぶ人もいた。 2018年7月7日の台風7号による西日本豪雨のため十夜ケ橋の境内が水没、本堂を建て直すことになった。 境内 奉賛殿(仮本堂):2018年7月水害の水没にも耐えられる高さで2020年春新築された。納経所も兼ねる。中に入って本尊弥勒菩薩を参拝できる。 大師堂:本尊は「橋の上に立つ大師像」で平成26年以降開帳された。 十夜ヶ橋の下:横たわる大師石造が2体ある。 奉賛殿 大師堂 十夜ヶ橋の下 十夜ヶ橋の左の大師像 十夜ヶ橋の右の大師像 なで大師
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