加藤幸子 (作家)とは? わかりやすく解説

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加藤幸子 (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 10:40 UTC 版)

加藤 幸子(かとう ゆきこ、1936年9月26日 - 2024年3月30日)は、日本小説家劇作家加藤道夫の姪。鉱床学者加藤武夫の孫。

生涯

農林技師の子として、父の勤務先であった北海道札幌市に生まれる。両親ともに東京の出身[1]。5歳から11歳までを北京で過ごし[2]、戦後日本に引き揚げた後は東京都世田谷区の祖父宅で育つ。恵泉女学園高等学校2年の時、同居していた叔父加藤道夫が自殺して大きな衝撃を受ける。北海道大学農学部卒業後、農林省農業技術研究所・日本自然保護協会勤務を経て、1972~89年自然観察会代表。

1982年、「野餓鬼のいた村」で新潮新人賞受賞、続いて1982年下半期(1983年1月)、「夢の壁」で芥川賞受賞。1991年、『尾崎翠の感覚世界』で芸術選奨文部大臣賞受賞、2002年、『長江』で毎日芸術賞受賞。自然と人間の共生を主要なテーマとする。2013年には未知谷より『加藤幸子自選作品集』全5巻が刊行された。

日本野鳥の会会員。 野鳥愛好家としても知られていた[3]

2024年3月30日に心不全により死去。87歳没[4]

著書

単著

  • 『夢の壁』新潮社 1983 のち文庫
  • 『翡翠色のメッセージ』新潮社 1983
  • 『鳥よはばたけ』学習研究社 1984
  • 『北京海棠の街』新潮社 1985
  • 『私の花鳥賦』文化出版局 1985
  • 『野鳥の公園奮闘記 わが町東京』三省堂 1986
  • 『自然連祷』文藝春秋 1987
  • 『時の筏』新潮社 1988
  • 『わたしの動物家族』朝日新聞社 1988
  • 『2020年トキオの森』新学社全家研(少年少女こころの図書館) 1989
  • 『尾崎翠の感覚世界』創樹社 1990 萬書房 2015
  • 『極楽蜻蛉一家の贈り物』講談社 1990
  • 『私の自然ウォッチング』朝日新聞社 1991 のち文庫
  • 『苺畑よ永遠に』新潮社 1993
  • 『翼をもった女』講談社 1996
  • 『森は童話館』桐原書店 1996
  • 『鳥のことば人のことば』KSS出版 1998
  • 『ジーンとともに』新潮社 1999 『心ヲナクセ体ヲ残セ』角川文庫 
  • 『茉莉花の日々』理論社 1999
  • 『夢の子供たち』講談社 2000
  • 『ナチュラリストの生きもの紀行』DHC 2001
  • 『長江』新潮社 2001
  • 『池辺の棲家』講談社 2003 角川文庫、2007 
  • 『鳥よ、人よ、甦れ 東京港野鳥公園の誕生、そして現在』藤原書店 2004
  • 『家のロマンス』新潮社 2006
  • 『蜜蜂の家』理論社、2007
  • 『自然連祷 加藤幸子短篇集』未知谷 2008
  • 『〈島〉に戦争が来た』新潮社 2010
  • 『くさはら』酒井駒子絵 福音館書店 2011
  • 加藤幸子自選作品集』全5巻 未知谷 2013
  • 『十三匹の犬』新潮社、2016 

共著・編集

  • 『キビとゴマ 中国女流文学選』辻康吾共編 研文出版 1985
  • 兎追いし日々 光文社 1989(「光る話」の花束)
  • 『鳥たちのふしぎ・不思議』浜田剛爾,島田璃里,樋口広芳共著 (晶文社 1993

翻訳

参考文献

  • 文藝年鑑
  • 「芥川賞・直木賞 受賞者総覧」溝川徳二ほか編、教育社、1990年

脚注

  1. ^ 北海道新聞、2013年10月17日
  2. ^ 加藤幸子著『自然連祷』未知谷
  3. ^ 作家の加藤幸子さん死去 「夢の壁」で芥川賞、野鳥愛好家としても”. 朝日新聞デジタル (2024年4月4日). 2024年4月4日閲覧。
  4. ^ 芥川賞作家の加藤幸子さん死去、87歳…「夢の壁」「長江」”. 読売新聞オンライン (2024年4月4日). 2024年4月4日閲覧。



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