冬木沢参りの習俗とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 冬木沢参りの習俗の意味・解説 

冬木沢参りの習俗

名称: 冬木沢参りの習俗
ふりがな ふゆきざわまいりのしゅうぞく
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 1999.12.03(平成11.12.03)
都道府県(列記): 福島県
市区町村(列記): 会津若松市冬木
代表都道府県 福島県
備考
解説文: 福島県会津地方では冬木沢参りといって河東町かわひがしまち】冬木沢の八葉寺奥の院木製小型納骨塔婆納骨器を奉納し死者の供養をする習俗広く見られる。現在ではこの奉納習俗八月一日から七日まで行われる八葉寺祭り時期中心に見られるが、奉納される数は毎年一〇前後少なくなっている。
 奉納されているものは五輪塔宝塔宝篋印塔【ほうきよういんとう】、無縫塔むほうとう】などの形をとり、歯、骨、毛髪戒名などが納められている。なかでも五輪塔形が大部分占め文禄四年(一五九五以降のものが一万数千点あり、法名俗名奉納者名が墨書されているものが少なくない納骨器は、竹筒曲物まげもの】、厨子形、箱形などのものがある。これらは「八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器」として昭和五十六四月二十二日に重要有形民俗文化財指定されている。
 冬木沢参りは、死者初盆迎え前に家族親族そろって八葉寺お参りするもので、かつては参詣者が自分用意した小型納骨塔婆奉納していたが、現在では寺が用意しておくものを奉納している。この冬木沢参りの習俗についてはいまだ詳細明らかになっていないが、小型納骨塔婆紀年銘などから一六世紀末にはすでに行われていたことが明らかである。文化五年(一八〇八)の『慶徳組【けいとくぐみ】風俗帳』の「一、冬木沢参、七月朔日より同十五日迄の内に河沼郡冬木沢村八葉寺参り聖霊拝す」という記載をはじめ、他の風俗帳にも記載見られ、この習俗一般的であったことがうかがえる
 現在、冬木沢参りは、八月一日とりわけ大勢人びと訪れる。この日は朝暗いうちから参詣者の列が続きお参りに来た人びとは各家の前に用意されているキキョウオミナエシなどの花を買い求めて八葉寺お参りする。
 こうした奉納習俗伝承分布域把握することは、重要有形民俗文化財八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器」がどのような経緯奉納されたのかを知るうえで重要であり、現在奉納習俗衰退心配されているなかで早急な記録作成が必要である。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「冬木沢参りの習俗」の関連用語

冬木沢参りの習俗のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



冬木沢参りの習俗のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS