典拠管理とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 典拠管理の意味・解説 

典拠管理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 09:24 UTC 版)

図書館情報学資料組織論において典拠管理(てんきょかんり)もしくは典拠コントロール(てんきょコントロール、英語: authority control)とは、書誌情報に含まれる各種の主題(著者・件名など)やその他の概念について、一貫した見出し・識別子を付与し、適切な相互参照を指示した情報(典拠ファイル)を維持管理する行為およびその方法論のこと[1][2][3]図書目録の作成と提供についての仕組みづくりである書誌コントロールと深く結びついた概念であるが[4]、構造化された知識ベースとして図書館外の領域で応用されることもある。


注釈

  1. ^ 識別や集中など図書目録が備えるべき役割と構造は、1961年に国際目録原則会議で採択された国際図書館連盟『原則覚書』(通称パリ原則)で規定されている[6]OPACの登場やオンラインによる目録にふさわしい原則として、2009年には新たに『国際目録原則覚書』が刊行されている[7]
  2. ^ 新『国際目録原則覚書』では「名称の異なる形」と呼ぶ[10]
  3. ^ 新『国際目録原則覚書』では「名称の典拠形」と呼ぶ[10]
  4. ^ ただしこれは副次的な機能にすぎない。典拠ファイルが事典のような情報を記録するのは、適切な標目の選択や重複・見逃しの防止、管理作業の手助けとするためにすぎない。[15]

出典

  1. ^ Michael Levine-Clar and Toni M. Carter, ALA Glossary of Library and Information Science, Fourth Edition, American Library Association, 2013, p. 22. ISBN 9780838911112
  2. ^ 図書館用語集』東京理科大学図書館、2014年11月16日閲覧
  3. ^ 用語集:典拠リスト」『科学技術情報流通技術基準 (SIST)』独立行政法人科学技術振興機構、2014年11月16日閲覧
  4. ^ 書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整? 第1回 書誌調整とは?」『国立国会図書館月報』506号、2003年5月
  5. ^ a b c d e 渡邊隆弘「典拠コントロールの現状と将来」『情報の科学と技術』60巻9号371 - 377頁、2010年9月
  6. ^ Statement of principles : adopted by the International Conference on Cataloguing Principles Paris, October 1961, London : International Federation of Library Associations, 1963
  7. ^ 新『国際目録原則覚書』の日本語訳」『カレントアウェアネス・ポータル』国立国会図書館、2009年3月11日
  8. ^ a b c Web NDL Authorities について」『Web NDL Authorities』国立国会図書館、2014年11月16日閲覧
  9. ^ a b 典拠(もれなく探せます)」『本のデータのしくみ』東京都立図書館、2010年12月15日、2014年11月16日閲覧
  10. ^ a b c 国立国会図書館収集書誌部訳『国際目録原則覚書』国際図書館連盟(IFLA)目録分科会、2009年
  11. ^ a b c 渡邊隆弘「典拠コントロールとオントロジー : 豊かな情報アクセスのための基盤」『情報の科学と技術』61巻11号434 - 440頁、2011年11月
  12. ^ a b Robert H. Burger, "Artificial Intelligence and Authority Control", Library Resources and Technical Services, Vol. 28, No. 4, pp. 337-345, 1984
  13. ^ Linda Barnhart, "Access Control Records: Prospects and Challenges", Authority Control in the 21st Century: An Invitational Conference, 1996
  14. ^ a b バーチャル国際典拠ファイル』2014年11月16日閲覧
  15. ^ Karen Calhoun, "A Bird's Eye View of Authority Control in Cataloging", Proceedings of the Taxonomic Authority Files Workshop, Washington DC, 1998.
  16. ^ a b “Cataloguing authority control policy”. National Library of Australia. (2012年11月25日). http://www.nla.gov.au/policy-and-planning/authority-control 
  17. ^ 書誌データの基本方針と書誌調整:What's 書誌調整? 第9回 全国書誌は文化の鏡」『国立国会図書館月報』520号、2004年8月
  18. ^ Kathleen L. Wells, "Got Authorities? Why Authority Control Is Good for Your Library", Tennesee Libraries, Vol. 56, No. 2, 2006


「典拠管理」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「典拠管理」の関連用語

典拠管理のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



典拠管理のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの典拠管理 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS