八幡古表神社の傀儡子の舞と相撲とは? わかりやすく解説

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八幡古表神社の傀儡子の舞と相撲

名称: 八幡古表神社の傀儡子の舞と相撲
ふりがな やはたこひょうじんじゃのくぐつのまいとすもう
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 細男保存会
指定年月日 1983.01.11(昭和58.01.11)
都道府県(列記): 福岡県
市区町村(列記): 築上郡吉富町大字小太丸
代表都道府県 福岡県
備考
解説文:  三人遣い人形芝居として知られる人形浄瑠璃文楽頂点とする日本の人形戯の伝統は、全国各地その発展過程暗示させる形態人形戯を残存させてきているが、これらの中でも奈良・平安時代から活躍をはじめている傀儡子は、日本の人形戯の源流として注目されている。この源流うかがわせる傀儡子系の人形戯が、いまも福岡県八幡古表神社大分県古要神社伝承されており、日本芸能史の上極めて貴重な存在となっているので、これを重要無形民俗文化財指定し、その保存をはかる。
 古く宇佐八幡宮放生会ほうじようえ】が和間の浜の浮殿で執行されていた時、宇佐八幡宮末社である古表、古要の両社からそれぞれ傀儡子を船に乗せ海上から浮殿に向かって傀儡子の舞を奉納したといわれている。応永二十七(一四二〇)年、元和三(一六一七)年に放生会復活されているが、その後打ち切りとなり、現在は八幡古表神社単独行事として伝承されてきている。開催は四年に一度次回昭和五十九年)で、八月十、十一十二日のうち、午前中に潮の満ちる日を選んで山国川河口喜連島【きつれじま】の港から御輿を船に乗せて沖合出て放生会御神幸行い、その海上傀儡子細男舞・神相撲奉納しその夜神社境内神舞殿でも奉納が行われる(なお、毎年八月六、七日に、人形衣裳ぼしする「おいろかし」の行事があるが、この時に七日細男舞・神相撲奉納することになっている)。
 傀儡人形は、神像人形相撲人形分けられ前者細男舞あるいは神舞呼ばれる舞を演じ後者は神相撲あるいは相撲呼ばれる演技見せる。
 神像人形男神女神分れるが、いずれも一木造りで、胴体下部細くなり、遣い手はその部分握って人形遣う両手肩先に釘で取りつけられ、その両手に紐をつけて引っ張ることによって両手上下に動かすことができるようになっている。これに神衣呼ばれる人形衣裳をつけて舞わすのである
 囃子は笛・大太鼓・鉦で、神職神名呼び上げると、東西楽屋からそれぞれの神名神像人形が一体ずつ登場し一礼ののち両手振り、また一礼をして楽屋へ戻る。この神舞が十番行われるが、このうち三番目の舞だけは奏楽なしで神歌細男唱歌)が詠み上げられる。これが細男舞といわれている。
 神像人形の舞に続いて演じられるのが相撲人形の神相撲である。この相撲人形一木造りであるが、片足だけが長く作られていて、遣い手はそれを握って人形遣う。いま一方片足股間に釘で打ちつけ両手も肩に釘で打ちつけられている。この両手と釘で打ちつけられた片足それぞれ紐がつけられ、それをまとめて引くと両手片足動いて相撲とっているようにみえる諸神それぞれに取り組み、はじめは東西交互に勝つが、やがて西方連敗する最後に残った小兵住吉神(くろうの神)が東方神々次々と破る。最後に住吉神に対して東方十神飛びかかって押合いになるが、これも住吉神押し負けてしまう。
 傀儡子の舞と相撲芸態そのものは、比較的単純であるが、その呪術的内容人形構造操法には、他に類例をみない古格うかがわれるのが貴重である。
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