ご‐さん【五山】
ござん 【五山】
五山
五山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 01:31 UTC 版)
黄海の中央にある崇山(「崇高」「中岳」「中山」とも呼ばれる)と、その周囲にある蓬山、崋山、霍山、恒山の総称。女神の長である西王母が治める天界に属する領域。蓬山は崇山の東に位置し、東岳あるいは東山とも呼ばれる。崋山は西、恒山は北、霍山は南にあるが、霍山と恒山は黄海の中心から西に寄っている。五山には周囲の黄海に住む妖魔・妖獣は侵入できない。西王母ら神仙達を憚って山を飛び越えようとする者はいない。天帝の山である崇山と西王母が主とされる蓬山以外の山の主は諸説あって判然としない。 崇山は自力昇仙した仙の修行の場である。ここでの修行を終えた後、天仙たちは蓬山などに配属される。 五山の一つ、蓬山には女仙を束ねる天仙である碧霞玄君・玉葉が居を構え、事実上人界と天界との橋渡し役となっている。また蓬山は神獣麒麟が生まれ、育てられる場所としても知られる。それらの事から、蓬山のみ人間が立ち入ることを許している。蓬山には麒麟以外には女仙しかいないため、蓬山にいる男性と子供は必然的に麒麟だけなので「蓬山に小さき者は麒麟のみ」と言われている。なお、「蓬山」は元々「泰山」と呼ばれていたが、戴国の王が覿面の罪を犯したことにより戴国の国氏が代から泰に代わったために名前を変えた。その後も凶事有る度に名前を変えたが、ここ千年程は現在の名前に落ち着いている。蓬山には四季が無く、年中温暖で花が咲き乱れている。そのため、建物は雨露さえしのげればよく、甫渡宮以外の建物は四阿か庵のような佇まいである。 蓬山には以下の施設が存在する。 蓬廬宮 王と誓約していない麒麟が過ごす一帯を指す。蓬山の中腹(雲海の下)にある。捨身木を基点としたなだらかな地形にあり、様々な建物や園、用途別の池などがある。東は切り立った崖、北は絶壁であり、内部は防犯の為に森や林がない細い路が入り組んだ奇岩の迷路のようになっている。 丹桂宮 蓬廬宮の入口である青陽門近くの蓬廬宮内の建物。蓬廬宮で一番大きい建物である。天勅を受ける王が、吉日までを過ごす。 雲梯宮 天勅を受ける儀式の際にだけ使用される建物。奥に朱塗りの扉があり、その向こうには普段は緑の岸壁が見えるだけで何も無いが、天勅を受ける儀式の時だけ雲海の上の山頂まで伸びる透明な階が現れる。王と麒麟はその階を一段昇るごとに天綱を「自らの中」に刻み込まれる。 白亀宮 雲海の上と蓬廬宮とを繋ぐ平時の通用門の役割を果たす建物。普段は建物だけが存在し、雲海の上下を行き来する時だけ階段が現れる。蓬山頂上からは呪のせいか見た目の割に長さを感じない白い階段でつながっている。白い石を敷いた白い八角形の部屋。山頂から入って振り返ると閉じたはずの門がなく白い壁だけが存在し、他の面は壁が無く緑に苔生した岩肌が迫っている。 甫渡宮 麒麟が昇山者と面会する建物。蓬廬宮の外にある。大きな広場に面している。昇山者はこの周囲で天幕を張って野宿をする。 牌門 蓬山と黄海の境にある門。登山道の階段に塀も何も無く建っている。蓬山自体には垣根など周囲を囲む物は存在しないが登山道がここしかない為、黄海から蓬山への唯一の出入り口。 廟堂 蓬山山頂にある天帝と西王母を祀った白く壮麗な廟。蓬廬宮とは朱塗りの祠を介して出入りし、雲海とは扉の無い門で区切られている。廟堂の裏には石畳が広がっている。 中には壇上に王母と天帝の像があるだけ。壇上には無数の文様が彫りこまれ、白銀の屏風を背に白銀の御座が設えられており、四方の柱間にかけられた珠簾が御座に座った白い石の人物像の胸元までを隠している。西王母に伺いを建てる時などにこの壇の奥に行くのだが、壇の奥の壁には白い扉が左右にあり、廟堂の大きさから考えても扉の向こうなどはありえないのに左側の扉の向こうには同じような建物が続いている。奥は手前と同様の壇と白銀の御座があり、天井や奥の壁がなく、玉座の背後ではいかほどの高さがあるかもわからない大瀑布が純白の壁を作っている。 蓬山の女仙たちは麒麟がいない平時は自らの生活のための機織りや洗濯、畑仕事や祭祀などのルーチンワークをしている。 麒麟は沢山の食べ物を前に一人で食事をする慣わしになっている。
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