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五十嵐秀彦

五十嵐秀彦の俳句

ちちろ虫夢で逢うたが忘れたか
コクトーの細き手首やいなつるび
メロンパン買つてあやめのそのほとり
下駄なんか履いてゐる人ほととぎす
冬ざれてゆくわがまなこまなぶたも
地の限り人の限りを黄沙降る
声のせしゆふべに罌粟の花となる
末裔の那智火祭を浴びにけり
消しゴムの腹より折るる遅日かな
狐火や広重ひとり吾もひとり
白に白重ぬる雪の音を聴く
白鳥帰る一羽は死者のポケットに
花散つて藍のさざなみインク瓶
降る雪に重たき耳をふたつ持つ
魂ひとつ青野に還す血曼荼羅
 





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