上代日本語
(上代語 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 06:10 UTC 版)
上代日本語(じょうだいにほんご、英語: Old Japanese)とは、古墳時代頃から奈良時代頃まで日本(特に、都のあった奈良付近)で使用されていた日琉語族の言語。のちに中古日本語に発展した。
注釈
- ^ ただし『風土記』に関しては、書写年代が古く後世の改変の少ないものがよく用いられる。
- ^ 『萬葉集』巻15・3754番歌「過所無しに関飛び越ゆるほととぎす[多我子爾毛]止まず通はむ」にのみ在証。
- ^ ごく一部、「カイ(櫂)」のような例外的な語が存在する。
- ^ 中古以降の日本語に見られる(見られた)二重母音は、漢字音(愛、礼、教 keu > kyo: など)、外来語、「持ち上げる」「寝起き」などの複合語を除けば、おおむねイ音便・ウ音便によるもの(「早い」 hayaki > hayai、「早う」 hayaku > hayau > hayo:)か、ハ行転呼とw音の衰弱によるもの(「顔」 kaFo > kawo > kao、「藍」 awi > ai)か、母音の脱落によるもの(「あいつ」 ayatu > *aytu > aitu)かのいずれかであり、いずれにしても、後代の転訛による二次的なものである。
- ^ ただし上代特殊仮名遣いの解釈によっては、後世とは違った種類の拗音や二重母音を想定することができる。
- ^ 現代の日本語でも、語頭に濁音が来る言葉は、漢語や外来語を除けば、本来の語頭母音が脱落した結果濁音が露出したもの(イダク > ダク、ウマラ/イマラ/イバラ > バラ)など、一部の語彙に限られる。またラ行音については、擬音語・擬態語・付属語以外で語頭に現れる言葉は、今でもほとんど存在しない。ら行なども参照のこと。
出典
- ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Old Japanese”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
- ^ オックスフォード上代日本語コーパスからの改称“THE OXFORD-NINJAL CORPUS OF OLD JAPANESE”. 2020年9月9日閲覧。
- ^ 藤井游惟(2007)『白村江敗戦と上代特殊仮名遣い―「日本」を生んだ白村江敗戦 その言語学的証拠 』東京図書出版会
- ^ 木田章義(2012)「上代特殊仮名遣と母音調和」『国語国文』81-11
- ^ Frellesvig & Whitman (2008: 8) に、森博達による表記を加えた。
- ^ Blaine ERICKSON. Old Japanese and Proto-Japonic Word Structure p.496
- ^ 小倉肇 (西紀一九九八年十二月卅一日). サ行子音の歴史
- ^ [1]
- ^ 山口佳紀(2011)『古代日本語史論究』:七節「字余り論は何を可能にするか」
- 1 上代日本語とは
- 2 上代日本語の概要
- 3 概要
- 4 音韻論
- 5 文法
- 6 方言
上代語と同じ種類の言葉
- 上代語のページへのリンク