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一太郎
【英】Ichitaro
一太郎とは、ジャストシステム社が販売する日本語ワープロソフトの名称。
同社の「jx-WORD太郎」を改良して「一太郎」と改名。ver.3でそれまで利用されていた「松」(管理工学研究所)を抜いて国内ナンバーワンワープロソフトとなった。MS-DOS用は定番とも呼べるほど圧倒的なシェアを占めていた。2005年5月の時点での最新バージョンはWindows版の「一太郎2005」である。
※画像提供 / 株式会社ジャストシステム
参照リンク
一太郎
ウィキペディア |
一太郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/29 13:35 UTC 版)
| 日本語ワープロ及び日本語変換システム | |
| 開発元 | ジャストシステム |
|---|---|
| 最新版 | 一太郎2011(21) 創(2011年2月10日) |
| 対応OS | Microsoft Windows / Linux |
| 種別 | ワードプロセッサ |
| ライセンス | プロプライエタリ |
| 公式サイト | 一太郎Web |
一太郎(いちたろう)は、ジャストシステムが販売する日本語ワープロソフトの名称であり、同社の看板製品である。また、同社の登録商標となっている。現在の最新バージョンは「一太郎2011(21) 創」である。
目次 |
名前の由来
創業者・浮川和宣氏が学生時代に家庭教師をしていた際、後に病死した受け持ちの中学生「太朗」君の名にちなんで命名された。「太郎」が日本の男の子の代表的な名前であることや、「太郎よ、日本一になれ」という思いを込めている。「新太郎」も候補になったが、「新バージョンが出たとき混乱する」という理由で却下され、一太郎という名称になった。また、パッケージの赤色は「日の丸」の赤である[1]。
また偶然ではあるが、ジャストシステムの地元徳島県ではこれが開発された当時に徳島市立動物園で、全国的にキリンの太郎と象の花子のラブロマンスが話題になっていた。そのためか、ほぼ同時発売の同社グラフィックソフトの名前は「花子」となっている。
概説
一太郎Ver.1の発売当時は、日本語ワープロソフトウェア業界では管理工学研究所の「松」が大きなシェアを占めていた。当時としてはいち早くDOSベースで開発された一太郎は、当初DOSアプリケーションでなかった松と差別化し、本体と日本語入力システムをいちはやく分離・他機種への移植・松のほぼ半値という、低価格ながらも引けを取らない機能などで「松」の牙城を崩し、やがて日本語ワープロソフトの代名詞的存在として圧倒的なシェアを占めていった(この当時は「プアーズ松」という呼ばれ方もあった)。事務所などのパソコンでは一太郎のみを使用することが多く、一太郎が『パソコン自体の名称』であるとさえ誤解している人も存在した。
現在は一般的な日本語入力の操作になっている「スペースキーでかな漢字変換・リターン(Enter)キーで変換候補の確定」というスタイルは、JS-Wordから引き継いだ一太郎(ATOK)独特の操作法が、実質標準化していったものである。
しかし、完成度が高く独占的なシェアを得ていたVer.3から、ジャストウィンドウを採用し花子などファミリーソフトとの統合を図ったVer.4への切り替え時に失敗し、ごく短期間にVer.4.3までバージョンアップした。Ver.4およびジャストウィンドウは、当時としては高価だったEMSメモリやハードディスクドライブをほぼ必須としており(Ver.4に合わせてジャストシステムは自社ブランドでEMSメモリボードなどを提供していた)、上記のように一太郎専用機として使われることの多かったパソコンシステムに対しては、当時としては過剰とも見られる投資が必要だったためである。このときは「ATOK7はいいが、Ver.4は不要」との声に対してATOKの単体販売が始められ、またノートパソコンブームの影響もあって「一太郎dash」というVer.4のサブセット版を販売することになった。
OSがWindowsに移行していた過渡期、当時は単なるアプリケーションソフト・ランチャー色が強かったうえに日本語フォントの扱いが弱かったWindows 3.xの普及をジャストシステムは軽視し、アプリケーションソフトメーカーごとにウィンドウシステムを用意すべきであるとの持論を展開した。その回答として、すでに実績を持ちWYSIWYG機能に優れたジャストウィンドウを前面に押し出したが、のちの爆発的なWindowsの普及によりジャストウィンドウは立場を失ってしまい、一方でWindowsへの対応には遅れが生じることとなった。(日本海軍の大艦巨砲主義になぞらえるケースもあった)
その後、遅れてWindows版バージョン5を完成させるも、MicrosoftによるWordとExcel抱き合わせ販売などの拡販工作により、次第にWordにシェアを奪われていく(抱き合わせ販売については[1]参照)。特に、Windows95に対応する新バージョンの開発には大幅な遅れが生じ、そして登場した「一太郎7」では、マクロ機能の実装が見送られたうえ、当時の普及帯パソコンに搭載されていた以上のメモリ容量を要求(当時の普及価格帯PCの一般的なメモリ搭載量は8〜16MBであったのに対し、一太郎7は32MB以上のメモリを推奨としていた)する動作の重さが原因でユーザからの信頼を失い、すでにWindows95と同時発売されていたマイクロソフト社のWord95に大きくシェアを奪われることとなった。
また、ジャストシステムはWindowsへ移行するにあたって、マイクロソフトとは逆に外部のデータベースソフトや開発言語などから、文書内のオブジェクトをDOMツリーをたどるかたちでアクセスできる仕様にしないなど、システムソリューション市場を真っ向から無視するアーキテクチャを採用したため、オフィスなどで大量導入してもスケールメリットが出にくいことも、市場がMicrosoft Officeに流れる原因となった。
結果、かつては一太郎の機能の一部であった漢字変換ソフトウェアATOKが、現在では一太郎を凌ぐジャストシステムの主力製品となってしまった。バージョンアップ毎に機能を拡張しているとはいえ、通常使う範囲では使うことのない機能やATOKの方を重点的にバージョンアップしている年もある。しかしながら昔からのユーザーやWordの日本語ワープロソフトとしての機能に不満を持っているユーザーなどはバージョンアップされる毎に買い換えるなどしている。現在では文部科学省・防衛省・法務省などの官公庁や一部企業では、一太郎を標準のワープロソフトとして指定している。現在でも使用しているところは主に過去のデータの運用の関係、若しくは高度な日本語ワープロ機能を使用する会社などがメインである。また、一部の官公庁ではWordに移行しつつあるが、現時点でも一太郎を部分的であるが導入して運用している部署等もある。
一太郎は現在、Windows版のほかLinux版も移植されている(かつてはMacintosh版やOS/2版も存在したが、いずれもVer.5のみで開発終了している)。またJava版の一太郎Arkも発売されている(ただし、標準フォーマットにXHTMLを採用しており、一太郎文書は読むことは出来ても書き出すことは出来ない)。かつてはノートパソコン向けに軽量化した「一太郎dash」「一太郎lite」シリーズを販売していたが、ある時期から多数のバリエーションを乱発するようになり、家庭用統合ソフト「ジャストホーム」に同梱される「一太郎Home」シリーズ(最新版は一太郎SE)、小学生向けの「一太郎スマイル」シリーズ、中学・高校生向けの「一太郎ジャンプ」シリーズ、文芸作品作成に最適化された「一太郎 文藝」、公文書作成用の「一太郎ガバメント」などを作成し出荷している。
2011年2月10日にWindows版の最新バージョン「一太郎2011(21) 創」が発売された。
バージョン3の頃から、バージョンナンバーを名前の頭に付けて、バージョン3なら「三太郎」・4なら「四太郎」・5なら「五太郎」とユーザーの間で区別されていたこともあった。また、一時期「日本語ワードプロセッサ」ではなく、「インテリジェントドキュメントプロセッサ」と称していた時期があったが、現在は、「日本語ワードプロセッサ」と称されている。
歴史
- 1983年 - PC-100用日本語ワープロソフト「JS-WORD」を開発。
- 1984年 - IBM JXシリーズ向けに「jX-WORD」を発売。
- 1985年2月 - PC-9801シリーズ向けに「jX-WORD太郎」を発売。ATOK3を付属ソフトとして同梱。
- 1985年5月 - 「jX-WORD太郎」の後継製品として「一太郎」を発売。日本語入力ソフト「ATOK4」をFEP化し、ATOKがMS-DOS上のどのソフトからも使えるようになった。
- 1986年5月 - 「一太郎Ver.2」を発売。「新一太郎」と呼ばれた。「ATOK5」を搭載。
- 1987年6月 - 「一太郎Ver.3」を発売。「三太郎」と呼ばれた。コピープロテクトをやめ、ユーザーが自由にバックアップをできるようになった。花子とも連動。
- 1989年4月 - 「一太郎Ver.4」を発売。「四太郎」と呼ばれた。ジャストウィンドウと呼ばれるウィンドウシステムを搭載し、「一太郎」と「花子」や他のソフトが同時に使えるようになった。
- 1992年4月 - 「一太郎Ver.4」FM TOWNS対応版を発売。
- 1993年4月 - 「一太郎Ver.5」を発売。「ATOK8」搭載。ハードディスクドライブへのインストールが必須となる。Windows版、Macintosh版、OS/2版も開発。WYSIWYGを実現した。漢字の前後の文脈を考えて、変換する機能を搭載。
- 1995年1月 - 「一太郎Ver.6」を発売。
- 1995年6月 - ジャストウィンドウ対応の一太郎Ver. 5 with ATOK9が発売される。
- 1995年7月 - 「一太郎Ver.5 for Macintosh」を発売。
- 1995年8月 - 「一太郎Ver.6.3」を発売。インターネット対応を図った。
- 1996年9月 - 「一太郎7」を発売。Windows95に初めて正式対応。完全な32BitソフトのためWindows3.1以前では対応外。
- 1997年2月 - 「一太郎8」を発売。原稿用紙に直接印刷できる機能を搭載。
- 1998年9月 - 「一太郎9」を発売。
- 1999年9月 - 「一太郎10」を発売。ワークシートに対応。
- 2001年2月 - 「一太郎11」を発売。オンラインストレージサービス「インターネットディスク」と連携。
- 2002年2月 - 「一太郎12」を発売。ナレッジウィンドウを追加。
- 一太郎12から一太郎2004までの間、「インテリジェントドキュメントプロセッサ(IDP)」という肩書きになる。またWindows 95はこのバージョンから対応外。
- 2003年2月 - 「一太郎13」を発売。
- 2004年2月 - 「一太郎2004(14)」を発売。アウトライン編集機能を追加。
- このバージョンよりWindows NT4.0は対応外となった。
- 2005年2月 - 「一太郎2005(15)」を発売。
- 以降、肩書きは再び「日本語ワードプロセッサ」に戻る。
- 2005年9月 - 「一太郎 文藝」を発売。
- 2006年2月 - 「一太郎2006(16)」を発売。
- 2006年9月には、追加モジュールによりODF(Open Document Format)に対応した。
- 2007年2月9日 - 「一太郎2007(17)」を発売。初のWindows Vista正式対応。
- なお、発売予定日前日の8日に統合オフィスソフトJUST Suite 2007のインストーラに不具合が発見されたため、3月9日に発売延期が発表された(一太郎や花子など単体製品のインストーラには問題がないため予定通り発売)。またWindows 98/Meは今バージョンより対応外となる。
- 2008年2月8日 - 「一太郎2008(18)」を発売。
- 2009年2月6日 - 「一太郎2009(19)」を発売。同年10月13日付のアップデータ適用により、制限付きながらも、Windows 7(32 / 64bit版)に正式対応した。
- 2009年、日本タイポグラフィ協会顕彰「佐藤敬之輔賞」を受賞[2]。
- 2010年2月5日 - 「一太郎2010(20)[25周年記念パック]」を発売。発売当初から、Windows 7(32 / 64bit版)に正式対応済み。64bit版Windowsでは32bit互換アプリとして動作する。Windows 2000は対応外となる。
- 2010年3月2日 - 情報処理学会が「一太郎」を情報処理技術遺産として認定した[3]。
- 2011年2月10日 - 「一太郎2011(21) 創」[4]ならびに統合オフィスソフト 「一太郎2011(21) 創 スーパープレミアム / プレミアム」[5]を発売。
- 2011年6月9日 - 「一太郎Pro」が法人向けライセンス商品として発売。法人向けライセンス商品である、統合オフィスソフト「JUST Office」[6]にも含まれている。また単体商品としては、法人向けライセンス商品「一太郎2011」の後継商品でもある。
- 2012年2月10日 - 「一太郎2012(22) 承」[7]ならびに統合オフィスソフト 「一太郎2012(22) 承 スーパープレミアム / プレミアム」[8]を発売予定。単体製品の「一太郎」について、前バージョンまではCD-ROMのみの販売であったが、このバージョンからDVD-ROMのみの販売に移行する。
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- ^ THE COMPUTER編集部(編)、1991、『パソコンヒット商品物語』、ソフトバンク ISBN 4-89052-194-1 151.
- ^ a b c d e 日本タイポグラフィ協会顕彰「佐藤敬之輔賞」を受賞いたしました、ジャストシステム(2009/12/29閲覧)
- ^ 田村規雄 (2010年3月2日). “初代「一太郎」が「情報処理技術遺産」に”. IT Pro. 2010年3月3日閲覧。
- ^ 個人向け商品のみの取り扱い。法人向けライセンス商品としては「一太郎2011(21)」が用意される。
- ^ 法人向けライセンス商品としては「JUST Suite 2011」が用意される。「JUST Suite 2007-2010」の法人向け後継商品。
- ^ 「JUST Suite 2011」とは別商品。
- ^ 個人向け商品のみの取り扱い。法人向けライセンス商品としてはすでに発売中の「一太郎Pro」が用意されている。
- ^ 個人向け商品のみの取り扱い。法人向けライセンス商品としてはすでに発売中の「JUST Suite 2011」および「JUST Office」が用意されている。
- ^ ITMedia[「8月28日が「一太郎の日」に認定」 http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1006/23/news023.html]
固有名詞の分類
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