ローエングリン_(アーサー王伝説)とは? わかりやすく解説

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ローエングリン (アーサー王伝説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/23 06:55 UTC 版)

ローエングリン(Lohengrin, ローエングリーンとも)は アーサー王伝説ケルト神話に登場する騎士。円卓の騎士であるパーシヴァルの息子で、「白鳥の騎士」と呼ばれた。


  1. ^ フィリップ・ヴァルテール『英雄の神話的諸相――ユーラシア神話試論I――』[Philippe Walter, Aspects mythiques du héros . Essais de mythologie eurasiatique I](渡邉浩司・渡邉裕美子訳)中央大学出版部 2019 ISBN 978-4-8057-5181-7  151-162頁
  2. ^ ヴォルフラム・フォン・エッシェンバハ『パルチヴァール』(加倉井粛之/伊東泰治/馬場勝弥/小栗友一訳)郁文堂 1974、改訂第5刷 1998 ISBN 4-261-07118-5 429-430頁
  3. ^ ヴァルテール「ロヘラングリーン」によれば、「ヴォルフラムは、フランス語ローアングラーン(Lohengrin)に相当するドイツ語名としてロヘラングリーン(Loherangrîn)という綴りをあてたが、これはローアングラーンの語源に相当する≪ロエラン・ガラン≫(Lohera(i)n G(a)rin、ロレーヌ人ガラン)が縮約した形である。そしてまた、『ロレーヌ人ガラン』(”Garin de Lorrain”)は(少なくとも12世紀以降)、中世のロタリンギア(Lotharingia)を舞台にした重要な叙事詩群に属していた。」(フィリップ・ヴァルテール『アーサー王神話大事典』(渡邉浩司/渡邉裕美子訳)原書房 2018 419頁)。なお、Joachim Bumke, Die Wolfram von Eschenbach Forschung seit 1945. Bericht und Bibliographie. München: Fink 1970, S. 112 によれば、Margaret F. Richey は "Some Notes on the Nomenclature of Wolfram's Parzival." German Life and Letters 17. 1963/64. S. 1-2において、Loherangrîn は Garin (li) Loherain のアナグラムであるとしている。
  4. ^ Brüder Grimm: “Deutsche Sagen” 下記の「参考文献」を参照。
  5. ^ Joachim Heinzle: Wolfram von Eschenbach. Dichter der ritterlichen Welt. Leben, Werke, Nachruhm. Schwabe, Basel 2019. S. 96.
  6. ^ 小栗友一「白鳥の子の物語―中世ラテン語の『ドロパトス』とその翻訳―」に類話が挙がっている。下記の「参考文献」に紹介した書物は類話を載せている。例えば、『屍鬼二十五話』では第三話「男が悪いか女が悪いか」、『捜神記』では「鳥の女房」、『アラビアン・ナイト』では「バスラのハサン」。
  7. ^ 原文は、“Historia septem sapientum ”, II, ed. Alfons Hilka, Sammlung mittellateinischer Texte 5. Heidelberg : Winter 1913。英語訳は、Johannes de Alta Silva : “ Dolopathos, or The King and the Seven Wise Men ”. Translated by Brady B. Gilleland. New York: Binghamton 1981。邦訳は、小栗友一「白鳥の子の物語―中世ラテン語の『ドロパトス』とその翻訳―」:日本独文学会東海支部『ドイツ文学研究』30(1998)1-30頁およびヨハンネス・デ・アルタ・シルウァ『ドロパトスあるいは王と七賢人の物語』 (西村正身訳)未知谷2000 ISBN 4915841960
  8. ^ Herbert: “Le Roman de Dolopathos. ” Tome I-III. Edition du manuscrit H 436 de la Bibliothèque de l’Ecole de Médecine de Montpellier publiée par Jean-Luc Leclanche. Paris : Champion 1997.
  9. ^ その家系が「白鳥の騎士」と結びつけられている貴族は、ブイヨン家 (Haus Bouillon)、ブーローニュ家 (Haus Boulogne)、ブラバント家 (Haus Brabant)、クレーヴェ家 (Haus Kleve) 等かなり存在するが (Thomas Cramer:“Lohengrin. Edition und Untersuchungen”. München: Fink 1971.参照)、増山暁子「イタリア北部のアーサー王サイクルの壁画」:渡邉浩司編著『アーサー王伝説研究 中世から現代まで』(中央大学出版部 2019)34ページは、マントヴァ公、ゴンザガ家の居城の一室に同家付宮廷画家ピザーノがアーサー王サイクルの壁画を描いたが、注文主はルドヴィーゴ3世であるとする説を紹介し、その説の根拠として、同論文は、1413年からイギリス王ヘンリー5世が使用し始めたランカスター家のS字模様付きの頸飾章を「白鳥が首につけていることから、ルドヴィーゴ3世の妃バルバラ・ディ・ブランデブルゴ (Barbara di Brandeburgo) の家系ホーエンツォレルン家、ひいては≪白鳥の騎士≫と深い関連があるとの見解から」と説明をしている。
  10. ^ Ludwig Bechstein: “ Deutsches Märchenbuch”. Hrsg. von Hans-Heino Ewers. Stuttgart: Reclam 1996. (RUB 9483) ISBN 3-15-009483-6
  11. ^ フランス中世の十字軍系列の武勲詩と「白鳥の騎士」をめぐる話との関係については、小川直之「《白鳥の騎士》と十字軍――中世フランスにおける十字軍系列叙事詩の成立について――」:総合学術文化学会『亜細亜大学学術文化紀要』18(2010)7-33頁および、同論文の改稿とされる小川直之『失われた写本を求めて』翰林書房 2016、第2章が詳しい。
  12. ^ 小川 直之「ロンドン大英図書館王立文庫所蔵 15 E VI 写本、別名「タルボット・シュルーズベリー写本」について」亜細亜大学総合学術文化学会『亜細亜大学学術文化紀要』28・29合併号(2016)9-40 頁による。24頁以下が「白鳥の騎士の物語」についての記述。挿絵は27頁に掲載。
  13. ^ 小谷真理「アーサリアン・ポップ――モダン・ファンタジイにおける倒錯的受容」青土社ユリイカ』1991年9月号、特集=アーサー王伝説、224頁。


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