ロングシップ
ロングシップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 07:25 UTC 版)
詳細は「ロングシップ」を参照 ロングシップはスカンディナヴィアやアイスランドから来たヴァイキングが、当時貿易や商業、航海、戦争のために作った海軍船であった。ロングシップの様式は何年もかけて変わっていき、石器時代のウミアクの発明に始まり、9世紀のニュダム船とクバルスン船まで続いた。ロングシップの完成形は9世紀から13世紀の間にできた。その特徴と外見は今日までのスカンディナヴィアの船を造る伝統に反映されている。ヴァイキング船の平均スピードは船によってさまざまであったが、5から10ノットの間であり、好条件下でのロングシップの最大速度は15ノットであった。 ロングシップの特徴としては、優雅で、長く、細い造りで、軽量化されていて、木製であり、スピードを出せるよう喫水の船体(ドラフト)を浅くしているところにある。浅い喫水の船体(ドラフト)は、水深僅か1メートルの航海を可能とし、海岸着水もできた。一方軽かったため、連水運層を行うこともできた。ロングシップはどちら側も進行方向になりうる船である、つまり対称な船首と船尾を持っていたため、旋回することなく即座に方向を変えることができた。この特徴は、氷山や海氷のため危険な航海になる北方地域で特に有益なものであることが分かった。ロングシップは船のほぼ全体を沿うようにオールが取り付けられていた。後の型は一本の帆柱に長方形の帆があるようになり、それは特に長い航海における漕ぎ手の労力に代わったり増やしたりもした。 ロングシップは大きさや細部のつくり、そして威信の大きさによってたくさんのタイプに分類できる。一番一般的な分類方法は、 漕艇の位置である。船の種類はカーヴ(英語版)のような13組のオールを持つものからブッセのような34組のオールを持つと推定されるものまでさまざまである。 ロングシップは当時のスカンディナヴィア海軍のもつ権力の象徴であり、とても価値ある所有物であった。沿岸の農家が所有することもあれば、戦争のときには海軍力をつけるため、王が彼らに軍務を委任することがあった。ロングシップはスカンディナヴィア人が戦争で使ったが、兵士達を運ぶためのものであって、戦闘艦ではなかった。10世紀には、船を連結させ、強固な歩兵の足場にすることもあった。ヴァイキングの用いたロングシップはイングランド人のような敵からドラゴン船(ドラッカー)と呼ばれたが、これは竜の形をした船首を持っていたためである。
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