出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/14 19:35 UTC 版)
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ユリ(百合)は、ユリ目ユリ科のうち主としてユリ属(学名:Lilium)の多年草の総称である。属名の Lilium はラテン語でユリの意。
種としてのユリ
アジアを中心にヨーロッパ、北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布しており、原種は100種以上を数える。 山岳地帯を含む森林や草原に自生することが多いが、数種は湿地に自生する。L. arboricolaは唯一の着生植物である。 一般的に、石灰質でない弱酸性の土壌を好む。
代表的な種に、ヤマユリ、オニユリ、カノコユリ、ササユリ、テッポウユリ、オトメユリなどがある。
形態・特徴
鱗茎(球根)を有する。茎を高く伸ばし、夏に漏斗状の花を咲かせる。
系統・分類
ユリ属は以下の亜属に分類される。
なお#主な原種一覧も参照されたい。
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L. candidum
マドンナリリー Madonna lilly
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ユリ属に属さない“ユリ”
以下のものは「ユリ」という名を冠してはいるがユリ属には属さず、系統の遠いものも含まれる。
- ユリ科には属するもの
- ウバユリ Cardiocrinum cordatum (ウバユリ属 Cardiocrinum)
- クロユリ Fritillaria camtschatcensis (バイモ属 Fritillaria)
- アミガサユリ Fritillaria verticillata (バイモ属 Fritillaria)
- チゴユリ Disporum smilacinum (チゴユリ属 Disporum)
- ナルコユリ Polygonatum falcatum (ナルコユリ属 Polygonatum)
- その他のもの
- トラユリ Tigridia pavonia (アヤメ科 チグリジア属 Tigridia)
- ユキゲユリ(チオノドクサ、キオノドクサ)Chionodoxa luciliae (ヒアシンス科 ユキゲユリ属 Chionodoxa)
園芸品種としてのユリ
欧米ではユリの品種改良の歴史は新しく、19世紀に日本や中国からヤマユリやカノコユリなどの原種が紹介されてからである。日本では、江戸時代初期からスカシユリが栽培されてきた。現在ではさまざまな色や形の品種が作り出され、世界中で愛されている。
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オリエンタル・ハイブリッドの一品種 Oriental hybrid
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分類
1964年に英国王立園芸協会によって定められた園芸分類に基づくと、次のように分類される。また、これらは交雑親に基づいて分類されているため、花の形などには非常にばらつきがある。
アジアティック・ハイブリッド
アジア原産のユリを中心に交配された品種群でエゾスカシユリ、イワトユリ、ヒメユリ、イトハユリ、マツバユリ、オニユリなどを親とする。丈夫で、栽培も容易。香りはない。また日向を好む。一般的にこのグループはスカシユリと総称されることが多いが、本来のスカシユリの特徴(花弁の基部が細く、間が透けて見える)を持たない物も多い。代表的な品種にエンチャントメント、コネチカットキングなどがある。
ロンギフローラム・ハイブリッド
タカサゴユリや日本原産のテッポウユリなどをもとに作られた品種群で、この2種の交雑種は新テッポウユリと呼ばれ、実生1年で開花することから切り花に利用されている。
マルタゴン・ハイブリッド
マルタゴンリリー、タケシマユリ、クルマユリなどを親とした品種群。 日本では一般的でない。
トランペット・ハイブリッド
中国原産のキカノコユリ、リーガルリリー、ハカタユリなどを中心とした品種群。
オリエンタル・ハイブリッド
ヤマユリやカノコユリ、タモトユリなど森林のユリを交配して作られた品種群で日陰を好む。アジアティック・ハイブリッドほど丈夫ではないが、香りのある優雅で華麗な花が魅力である。「カサブランカ」が有名であるが、カサブランカを生み出す交配で主要な役割を果たしたトカラ列島口之島原産のタモトユリは、皮肉なことに自然状態ではほぼ絶滅してしまっている。
その他の交配種群
近年では組織培養などの技術によりLAハイブリッド(ロンギフローラム・ハイブリッドとアジアティック・ハイブリッド)、LOハイブリッド(ロンギフローラム・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッド)、TOハイブリッド(トランペット・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッド)などの品種群が作られている。
栽培方法
植栽時期は10-11月。5-8月ごろ開花する。
病気にかかって球根が腐りやすいため排水のよい清潔な土に植えつける。球根の上にも根が出るので地表から最低球根1個分以上は下の土に植える。加湿に弱いので梅雨の時期の病気に気をつける。また極度の乾燥を嫌うので気温が高い時期は気をつける。
増殖には種子をまいて実生を得る。球根の鱗茎を挿す鱗茎挿し。木子ができるものは木子を植えるなどがある。しかしどの方法も栽培して増殖するには時間がかかるので、最近は組織培養して増殖したものも増えてきた。組織培養による増殖では、特に花糸など花器を材料に用いた組織培養は球根を掘る必要がないので、野生の希少種を増殖する場合によく用いられる。