メルトダウンとは? わかりやすく解説

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炉心溶融

読み方:ろしんようゆう
別名:メルトダウン
英語:melt-down

原発事故において、炉心内部格納され核燃料高温により溶け出し炉心溶解破損する現象原発事故中でも最も過酷な事態一つとされる

炉心溶融のうち、炉心全て高温によって溶融した状態を特に、「全炉心溶融」(フルメルトダウン)と呼ぶ。また、メルトダウンにより原子炉の底に落下した核燃料が、原子炉破損して炉外に露出することを、「メルトスルー」と呼ぶこともある。

1979年発生したスリーマイル島原子力発電所事故と、映画チャイナシンドローム」の影響で、炉心溶融事故を「チャイナシンドローム」と呼ぶこともある。チャイナシンドロームとは、メルトダウン・メルトスルーした核燃料を指す冗談交じり表現である。

2011年3月11日発生した東京電力福島第一原子力発電所原発事故では、当初、炉心溶融は発生していないと発表されていたが、後に撤回し5月12日原子炉1号機事故発生後まもなく炉心溶融が起こっていたことを認め5月25日までに2号機、3号機でも炉心溶融が発生した可能性のあることを認めている。

meltdown

別表記:メルトダウン

「meltdown」の意味・「meltdown」とは

「meltdown」は英語の単語で、主に二つの意味を持つ。一つ目は、原子炉心部過熱し制御不能に陥る現象を指す。この現象は、原子炉冷却機能が失われ核燃料溶融することからこの名がついた。二つ目は、比喩的な意味で、状況急激に悪化し制御不能に陥ることを指す。例えば、経済政治混乱人間関係破綻など、多岐にわたる

「meltdown」の発音・読み方

「meltdown」の発音は、IPA表記では/mɛltdaʊn/となる。これをカタカナ直すと「メルトダウン」となる。日本人発音する際のカタカナ英語読み方も「メルトダウン」である。

「meltdown」の定義を英語で解説

「Meltdown」 is a term that primarily refers to two situations. The first is a phenomenon in which the core of a nuclear reactor overheats and becomes uncontrollable. This phenomenon is named for the melting of nuclear fuel when the reactor's cooling function is lost. The second is a metaphorical meaning, referring to a situation that rapidly deteriorates and becomes uncontrollable. This can refer to a wide range of situations, such as economic or political turmoil, or the breakdown of human relationships.

「meltdown」の類語

「meltdown」の類語としては、「collapse」、「breakdown」、「crisis」などがある。これらの単語も「meltdown」と同様に何らかの状況急激に悪化し制御不能に陥る状況を表す。

「meltdown」に関連する用語・表現

「meltdown」に関連する用語としては、「nuclear meltdown」、「financial meltdown」、「emotional meltdown」などがある。「nuclear meltdown」は原子炉心部過熱し制御不能に陥る現象を指す。「financial meltdown」は経済急激に悪化し制御不能に陥る状況を指す。「emotional meltdown」は感情制御不能になる状況を指す。

「meltdown」の例文

以下に「meltdown」を用いた例文10例示す。 1. The nuclear plant experienced a meltdown.(その原子力発電所はメルトダウンを経験した。)
2. The financial market is on the verge of a meltdown.(金融市場はメルトダウン寸前である。)
3. She had an emotional meltdown after the breakup.(彼女は別れた後、感情的なメルトダウンを経験した。)
4. The sudden news caused a meltdown in the stock market.(突然のニュース株市場のメルトダウンを引き起こした。)
5. The company is trying to prevent a meltdown of its reputation.(その会社評判のメルトダウンを防ぐことを試みている。)
6. The meltdown of the ice caps is a serious issue.(氷帽のメルトダウンは深刻な問題である。)
7. The political meltdown in the country has caused a refugee crisis.(その国の政治的なメルトダウンが難民危機引き起こしている。)
8. The meltdown of the economy has led to high unemployment rates.(経済のメルトダウンが高失業率引き起こしている。)
9. The meltdown of their relationship was inevitable.(彼らの関係のメルトダウンは避けられなかった。)
10. The meltdown of the reactor caused a major disaster.(原子炉のメルトダウンが大災害引き起こした。)

メルトダウン【meltdown】


炉心溶融

(メルトダウン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/30 23:00 UTC 版)

炉心溶融(ろしんようゆう)、あるいはメルトダウン英語: nuclear meltdown, core meltdown[1][2]とは、原子炉中の制御棒ステンレススチール製の支持構造物等を含む燃料集合体核燃料過熱により融解すること。または燃料被覆管の破損などによる炉心損傷で生じた燃料の破片が過熱により融解すること[3]


  1. ^ メルトダウン”. コトバンク. 2022年12月23日閲覧。
  2. ^ What is a "meltdown"? Can a meltdown be prevented? - About Emergency Response - Frequently Asked Questions About Emergency Preparedness and Response”. United States Nuclear Regulatory Commission. 2023年3月31日閲覧。
  3. ^ 原子力防災基礎用語集:さくいん”. 原子力安全技術センター. 2011年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月7日閲覧。など
  4. ^ ATOMICA 軽水炉燃料の炉内挙動(通常時)「原子炉運転中の被覆管温度は約550Kから700Kである。」
  5. ^ ATOMICA 燃料棒内温度分布(典型例)
  6. ^ 二酸化ウランの融点は2865 °C (3140 K)と、鋼よりも遥かに高い。
  7. ^ “4号機、燃料溶融寸前だった…偶然水流入し回避”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2011年4月28日). オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/Y3XQR 
  8. ^ National Research Council (2006). Safety and Security of Commercial Spent Nuclear Fuel Storage: Public Report. National Academies Press. doi:10.17226/11263. ISBN 978-0-309-09647-8. https://nap.nationalacademies.org/catalog/11263/safety-and-security-of-commercial-spent-nuclear-fuel-storage-public 
  9. ^ 炉心損傷に関する現状と課題 (PDF) 日本原子力研究所(JAERI)1982年5月 IAEAサイト
    なお、同報告書では炉心損傷事故(Severe Core Damage Accident)あるいは炉心損傷と訳出して,SCDというアブレビに対応させている(pi,p1)。カタカナ語のメルトダウンの語源であるmelt downに対しては「溶融落下」という訳出がなされている(p28)。
  10. ^ カナダELYSIUM社の溶融塩原子炉、メルトダウンなく安全、10年後の実現目指す日経ものづくり』(2018年1月31日)2018年5月21日閲覧。
  11. ^ 炉心溶融挙動を予測する新しい数値シミュレーションコードの開発~デブリの詳細な組成分布の推定に光が見えた~国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(2018年3月23日)2018年5月21日閲覧。
  12. ^ 「メルトダウン詳細に再現 原子力機構 燃料堆積状況など把握」『日経産業新聞』2018年5月10日(先端技術面)。
  13. ^ ATOMICA チェルノブイリ原子力発電所事故の経過 (02-07-04-12) 図6 象の足
  14. ^ 齊藤誠:原発危機の経済学 (PDF)
  15. ^ a b 小林健介、石神努、浅香英明、秋元正幸:BWRの炉心損傷・炉心溶融事故解析の現状 日本原子力学会誌 Vol.27 (1985) No.12 P1093-1101
  16. ^ 大坪国順「〈随筆〉福島第一原子力発電所の事故に関わる疑問点」『地球環境学』第9号、上智地球環境学会、2014年3月、109-119頁、ISSN 18807143 
  17. ^ Ralph Eugene Lapp は1971年に次のように述べており、これがチャイナ・シンドロームの最初の用例とされている。 : ・・・ The behavior of this huge, molten, radioactive mass is difficult to predict but the Ergen report contains an analysis showing that the high-temperature mass would sink into the earth and continue to grow in size for about two years. In dry sand ahot sphere of about 100 feet in diameter might form and persist for a decade. This behavior projection is known as the China syndrome. ・・・ ("Thoughts on Nuclear Plumbing," New York Times, 12 Dec. 1971, p.E11)
    引用中の the Ergen report とは、The Ergen Report, 1967 – ECCS, Meltdown studies. by W K Ergen; U.S. Atomic Energy Commission. Advisory Task Force on Power Reactor Emergency Cooling.
  18. ^ 金谷俊秀. "チャイナシンドローム". 知恵蔵2015. 朝日新聞社. 2013年1月12日閲覧
  19. ^ 山崎久隆「隠された原発大事故--福島第1原発2号・1981年5月12日」『世界』第586巻、世界、1993年9月、266-273頁、NAID 40002107787 P267
    「原発で問題なのは、スクラムで核分裂反応を止めても、燃料の中に出来ている放射性物質の崩壊熱で、原子炉停止直後も、長時間にわたって大きな熱を出すことである。(中略)この冷却に失敗すれば、燃料棒は自ら発する熱のために、ついには溶け出して崩れ落ちる。これをメルトダウンという」と述べられている。
  20. ^ 水―ジルコニウム反応について
  21. ^ 運転状態を踏まえたBWRにおける可燃性ガスへの対応” (PDF). 電気事業連合会 (2010年1月19日). 2011年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月7日閲覧。
  22. ^ “3号機にホウ酸注入、再臨界防止に1・2号機も”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2011年3月16日). オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/WhcbL 


「炉心溶融」の続きの解説一覧

メルトダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 14:17 UTC 版)

パーフェクト・ソルジャーズ」の記事における「メルトダウン」の解説

原子力電池内蔵した改造人間

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メルトダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 02:49 UTC 版)

寄性獣医・鈴音」の記事における「メルトダウン」の解説

多数寄生蟲混ざり合って競合している状態で、じきに宿主自身攻撃して肉体崩壊起こす

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メルトダウン(WCW)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 00:04 UTC 版)

ブライアン・クラーク」の記事における「メルトダウン(WCW)」の解説

コブラツイスト相手捕獲し相手股下手を通しリストクラッチする。その状態で持ち上げ叩きつける

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メルト・ダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/14 09:25 UTC 版)

オクラホマ・スタンピード」の記事における「メルト・ダウン」の解説

ブライアン・クラーク考案した。リストクラッチ・コブラツイストの状態のまま相手担ぎ上げ相手空中離して、肩の上乗せて相手の胴を両腕抱えて前方倒れこんで相手背面からマット叩きつける

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メルト・ダウン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 08:27 UTC 版)

コブラツイスト」の記事における「メルト・ダウン」の解説

ブライアン・クラーク考案バンプハンドル式ボディスラムと同じ要領担ぎ上げ相手を落とすときにオクラホマ・スタンピードのように自らの体を浴びせながら前方倒れこみ、相手背面から叩き落とす

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