メデューズ号の筏とは? わかりやすく解説

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メデューズごうのいかだ〔‐ガウのいかだ〕【メデューズ号の筏】

読み方:めでゅーずごうのいかだ

原題、(フランス)Le radeau de la Méduse》ジェリコーの絵画カンバス油彩。縦491センチ、横716センチ1816年アフリカ西海岸フランス海軍のメデューズ号が難破した実在事件に基づく。パリルーブル美術館所蔵


メデューズ号の筏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/21 04:17 UTC 版)

メデューズ号の筏』(メデューズごうのいかだ、フランス語: Le Radeau de la Méduse)は1818年〜1819年、フランスロマン主義派の画家・版画テオドール・ジェリコーによる油彩画で、フランスパリルーブル美術館に所蔵されている。ジェリコーが27歳の時の作品であり、フランス・ロマン主義の象徴となった。本作は、大きさ 491 cm × 716 cm [1]、実物大の絵画で、フランス海軍フリゲート艦メデューズ号が難破した際に起きた事件を表している。


注釈

  1. ^ 他のボートはばらばらになり、ほとんどはセネガルのセント・ルイス島に流れ着いた。幾艘かは上陸し海岸に沿って進んだが、熱と飢餓によっていくつかのグループを失った。42日後に英国に救助された時、メデューズ号に残る選択をした17人の内、まだ生き残っていたのはわずか3人であった。
  2. ^ 解剖学のための体の一部, この異常な静物画は、ジェリコーが1818〜1819年に描いたもの。切断された四肢の山。
  3. ^ 特に『アイラウの戦いのナポレオン』(1807年)と『ヤッファのペスト患者たちを見舞うナポレオン』(1804年)を参照のこと。

出典

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メデューズ号の筏

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テオドール・ジェリコー」の記事における「メデューズ号の筏」の解説

詳細は「メデューズ号の筏」を参照 ジェリコー代表作品。この作品サロン発表するわずか3年前実際に起きた事件題材にした絵画である。 1816年フランスの新植民地となったアフリカ西海岸セネガルめざしていたフリゲート艦メデューズ号がモロッコ沖で座礁するという事件が起こる。離礁することが出来なかったため、乗客備え付け救命ボート避難しようとしたが、乗れ人数限られており、乗客全員乗せることは不可であった。そのため、破損したメデューズ号の用材ロープでつなぎ合わせて臨時の筏を造り救命ボート乗りきれなかった149名を乗り移らせた。 最初救命ボートが筏を牽引していたが、漂流初日悪天候見舞われ救命ボート自体航行危うくなると、ボート乗組員が筏をつないでいたロープ切断してしまい、牽引船と保存食失った筏はあてもなく荒海さまようこととなった。筏は12日漂流したあげく、他の船によって発見されたが、149名のうち生存者はわずか15名にすぎなかった。 当時フランス政府はこの事件当初ひた隠しにしたが、やがて人々の知るところとなり、12日間の漂流間中、筏の上では殺人食人を含む様々な非人間的行為が行われたことが明るみ出たジェリコーはこの事件大きな衝撃を受け、絵画化を決心した完成した絵画12日漂流した筏がようやく停泊中の戦艦(白い布を振る人物の右腕の下にかすかに描かれている)を遠くに見つけ助け求めて手を振りつつも、戦艦遠ざかりつつあることに気づき絶望する場面選択して描き出したのであるこの後戦艦は筏に気づき救援向かったが、希望落胆生と死隣り合わせ極限状況置かれ人間ドラマ描こうとしたジェリコー実際に筏に乗っていた生存者の話を聞いただけでなく、病院行って瀕死病人の肌をスケッチしたり、刑場処刑され犯罪者の首をスケッチするなどしてリアリティ追求した。 この作品は、場面選択とそのあまりの凄惨な表現のためか政治的批判暗喩していると思われ当時サロン賛否両論巻き起こした。しかしそれは芸術論ではなくもっぱら政治的立場からの議論であったと言われている。この作品ルーヴル美術館買い取り意欲示したが、実際に作品封印意図した申し出であった。ルーヴル美術館購入のあと、ジェリコー買取料を支払わず作品展示することなく倉庫奥深く隠した。この行為失望したジェリコーは翌1820年作品ルーヴル美術館から取り返してイギリス渡り同地展示行った。この事件政治的かかわりのないイギリスにおいては作品おおむね好評をもって迎えられた。 ジェリコーの弁によると、「この作品ワインボトルラベル大差ない作品だ」「単なるイーゼル画だ」と嘆いていたといわれるが、それはこの作品評価ひいては人災フランスから認められなかったことに対す自嘲的発言である。

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