メガポート放送とは? わかりやすく解説

メガポート放送

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/23 23:41 UTC 版)

株式会社メガポート放送(メガポートほうそう)は、東京都千代田区にかつて存在したBS・東経110度CS委託放送事業者2005年10月1日日本BS放送に吸収合併された。本項目では株式会社メガポート放送のBSデジタルデータ放送「メガポート」についても解説する。

株式会社メガポート放送
Megaport Broadcasting
メガポート放送本社があったパレスサイドビル
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
100-0003
東京都千代田区一ツ橋1-1-1
パレスサイドビルディング 2階[1]
設立 2000年2月21日[2][注 1]
業種 情報・通信業
事業内容 双方向・データ放送を利用した東経110度BSCSの放送[1]、放送番組の企画・制作及びその代行業務、インターネットを使用したニュース・情報配信事業、教育情報提供サービス並びに通信販売事業、市場調査・意識調査など各種調査の情報提供サービス事業、広告・宣伝及びその代行業務、放送技術・放送機器及びコンピュータソフトウェアの開発・販売、出版物・電子出版物の企画及び販売[3]
代表者 代表取締役社長 竹内宏二[1]会長 角川歴彦(設立時点)
資本金 30億3000万円[1][注 2]
売上高 57439000円[4](2004年3月期)
純利益 △797992000円[4](2004年3月期)
従業員数 17人(2004年時点)[1][3]
決算期 3月31日
主要株主 毎日新聞社(20%)、角川ホールディングス(20%)、スポーツニッポン新聞東京本社(15%)、電通(10%)、オリエンタルランド(8%)、エイベックス(5%)、セイコーエプソン(5%)、マイクロソフト(5%)、NTTコミュニケーションズアビバジャパン、UFJキャピタル、毎日コミュニケーションズミサワホーム東京ニュース通信社NTTPCコミュニケーションズ、NTTメディアクロス、松下電器産業ソニー・放送メディア東芝毎日映画社共同ピーアール全国農業協同組合中央会、東京データネットワーク、気象サービス
外部リンク http://www.megaport.ne.jp/ (閉鎖)
特記事項:経営悪化などに伴い2005年10月1日に日本BS放送に吸収合併された。
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概要

角川書店及び毎日新聞社系列のBSデジタルのデータ専門委託放送事業者・東経110度CS委託放送事業者として設立され、代表取締役社長には毎日新聞社取締役で電波・メディア担当・事業担当の竹内宏二が、取締役会長には角川書店代表取締役社長の角川歴彦が就任した[5]1999年頃から毎日新聞社などによるBSデジタルのデータ放送への参入が計画されていた。当初は「株式会社日本データ放送」の社名でBSデジタル放送のデータ放送に係る委託放送業務の申請を行ったが、申請者の中に「日本データ放送株式会社」(当時・設立中)という他の会社が存在したため、現社名に変更した経緯がある[5]2000年12月1日から予備衛星であるBSAT-1b[注 3]を利用してBSデータ放送の「メガポート」などを開局し、双方向性を活かしたアンケートデータ収集型サービスやクイズ型サービスなどを行っていた[6]。また開局当初は、オンライン決済サービスも開始する予定であった[6]

一方、2002年有料放送として東経110度CS放送も開始し「おー当たりch」「CS教育テレビ」など複数のチャンネルを開局した。当初の事業計画では「5年で単年黒字、7年で累積債務一掃。2004年度で、広告が9億円、そのほかダウンロード収入などで3億円、あわせて12億円の売上」と想定していた[5]が、年間で7 - 9億円の経常損失を抱えることとなり厳しい経営状態となった[7]

2004年4月、総務省に対して放送免許の再申請を行い、CSデジタル放送においてデータ放送の代わりに標準テレビジョン放送を行う内容の認可を受けた。これに伴って同年8月末にCSデジタルで行っていたデータ放送を終了した。これらに代わり2004年11月12日から、WOWOWデジタルプラスプラットホームとして株主である角川ホールディングスの製作した映画を中心に放送する「シネマ080」とスカパー!で放送中の「囲碁・将棋チャンネル」を放送していた。しかし経営状態の悪化が続き、毎日新聞社が資金が尽きることを懸念し2005年には免許を返上[7]。2005年10月1日付で日本ビーエス放送(現・日本BS放送)と合併し、9月30日でBS908chを除くBS・CS全チャンネルの放送を終了した[注 4]。BSデジタル放送から撤退した事業者は、2004年11月のメディアサーブ(BS955ch)に次いで2社目であった。

資本構成

2000年3月1日時点。出典:[8]

株主 比率
毎日新聞社 20.0%
角川書店 20.0%
スポーツニッポン新聞東京本社 15.0%
電通 10.0%
オリエンタルランド 08.0%
セイコーエプソン 05.0%
マイクロソフト 05.0%
エイベックス 05.0%

沿革

  • 1999年(平成11年)
    • 10月 - 株式会社日本データ放送の名称でBSデジタル放送のデータ放送に係る委託放送業務の申請を行う。
    • 12月17日 - 認定を受ける。
    • 12月20日 - 株式会社メガポート放送への名称変更を届け出る。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月1日 - 株式会社メガポート放送設立。
    • 12月1日 - BSデジタル放送のデータ放送に係る委託放送業務を開始。
  • 2002年(平成14年)4月1日 - 東経110度CS放送に於ける委託放送業務を開始。プラットフォームはプラット・ワン
  • 2004年(平成16年)
    • 3月1日 - 東経110度CS放送のプラットフォームがスカイパーフェクTV!110(現・スカパー!e2)に移行。
    • 8月31日 - 東経110度CS放送でのデータ放送を終了。
    • 11月12日 - 東経110度CS放送での標準テレビジョン放送を開始。プラットフォームはWOWOWデジタルプラス
  • 2005年(平成17年)

放送していたチャンネル

BSデジタル放送

局名は「メガポート」。論理チャンネル枠は90x。無料放送。2005年9月30日終了。放送内容については#メガポートを参照。

  • BS900ch - メガポート
  • BS901ch - 双方向会員登録用チャンネル
  • BS908ch - GガイドEPG)サービス用チャンネル - 2005年10月に日本ビーエス放送へ引継、2006年8月にBS-i(現:BS-TBS)へ移管となり日本ビーエス放送としての放送を終了。以降同社のBS768chとともにGガイド放送を行っていたが、2011年7月24日にBS908chでの放送を終了し、BS768chに完全移行した。なおBS-i(当時)への移管は、メガポート放送にBS-iの親会社TBSと関連がある毎日新聞社が出資していたこと、地上波向けEPG用番組表放送を原則としてJNN系列局で行っていることが関係している。

東経110度CSデジタル放送

全て有料放送。

  • CS080ch - シネマ080 - 2005年終了
  • CS081ch - 囲碁・将棋チャンネル - 2005年終了
  • CS082ch - ハナナ カーツーン - 2005年終了
  • CS900ch - おー当たりch - 2004年終了
  • CS901ch - お!宝ch - 2004年終了
  • CS902ch - CS教育テレビ - 2004年終了
  • CS909ch - ゲーちゃん - 2004年終了

メガポート

メガポート
基本情報
運営(番組供給)事業者 株式会社メガポート放送
放送(配信)開始 2000年12月1日
放送(配信)終了 2005年9月30日
ジャンル データ放送
衛星基幹放送(BSデジタル放送)
放送事業者 株式会社メガポート放送
独立データ放送 Ch.900、901
リモコンキーID (データ1)
物理チャンネル BS-15ch
放送開始 2000年12月1日
放送終了 2005年9月30日
[インターネットアーカイブ 公式サイト]
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メガポートはかつてBSデジタルで放送していた双方向データ放送チャンネル(ただし一部動画・音声あり)。運営事業者は株式会社メガポート放送。独立系BSデジタル・データ放送事業者の中では最大となる2スロットの帯域を利用し、画面の4分の1のサイズの動画を活用した番組を中心に放送していた[2]。放送の内容は、双方向性を利用したゲーム・視聴者の伝言板、プレゼント企画、エイベックスディズニーランドの情報番組、ニュースショッピング番組、健康番組など様々であった。

放送していた番組

(双)は双方向放送である。

  • ActOnTVonBS900ch (双)
  • ぷれパラ (双)
  • アラ☆ぷれ (双)
  • マル双調査隊 (双)
  • Whats up at Tokyo Disney Resort
  • スゴロック2~僕の友達~ (双)
  • 動物キャラナビ
  • いいモノ銀座
  • メガショッピング
  • プライムショッピング
  • 住商ホームショッピング
  • 毎日新聞購読案内
  • 着メロ!天国
  • Aからの挑戦状 (双)
  • イントロQ (双)
  • FOLK&FORK (双)
  • NatureClub
  • ネポス子供CLUB (双)
  • おはなしポケット (双)
  • 動物キャラナビ
  • ルーン占い
  • We love the Earth (双)
  • 40歳代からの健康
  • 王様のご立派ロック伝説70’s (双)
  • 王様のご立派ロック伝説リターンズ (双)
  • インフォ
  • 山根大助の気軽にパスタ (双)
  • クイズdePRESENT (双)
  • ガバちゃんの当選マル秘術 (双)
  • グルメガ (双)
  • レマのシネマトリップ
  • 封切直前!!ロードショー攻略法
  • 20世紀 ベスト オブ シネマ
  • メガポート・ニュース
  • 仰天!!1泊2食激安温泉宿 (双)
  • ちゅろすでChu!
  • MEGA BOWL (双)
  • Do you N-Live?

脚注

出典

  1. ^ a b c d e 株式会社メガポート放送の概要情報”. 2020年4月24日閲覧。
  2. ^ a b BSデジタル放送のメガポート、双方向機能を活かした番組編成を発表”. 2020年4月24日閲覧。
  3. ^ a b c d 会社案内”. 2004年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月24日閲覧。
  4. ^ a b 決算公告 メガポート放送”. 2004年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月24日閲覧。
  5. ^ a b c メガポート放送、事業の開始とBSデータ放送の取り組みについて説明”. 2020年4月25日閲覧。
  6. ^ a b BSデジタル放送のメガポート、双方向機能を活かした番組編成を発表”. 2020年4月25日閲覧。
  7. ^ a b 日本のTV:BS独立データ放送のメガポートが免許返上、事業整理へ”. 2020年4月25日閲覧。
  8. ^ 日本放送協会 編『NHK年鑑2000』日本放送出版協会、2000年11月11日、457頁。 

注釈

  1. ^ 公式サイトによると2000年3月1日[3]
  2. ^ 資本準備金を含むと45億6000万円[3]
  3. ^ 当初はBSAT-2a(BS-4後発機)を利用する予定であったが、打ち上げの遅れからBSAT-1bを利用した。
  4. ^ メガポート放送のBSデータ放送の一部番組は日本ビーエス放送(ch999)に移行し2007年9月まで放送された。またBS908chのGガイドサービスは後にBS-iに移管した。




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