マールブルグ病
別表記:マールブルグ出血熱、マールブルグ熱
「マールブルグ病」とは、エボラ出血熱に似た熱性疾患で1967年の旧西ドイツのマールブルグにてアフリカミドリザルの血液や組織と研究員が接触したことで発症したウイルス性出血熱のことを意味する表現。
エボラ出血熱と同じフィロウイルス科のマールブルグウイルスの感染によって引き起こされる熱疾患で、致死率は最高で88%になるが、2023年時点では治療方法は存在していない。
WHO(世界保健機関)によると、2023年2月13日に赤道ギニアの北東部・キエンテム県でマールブルグ病に感染した9人が死亡し、感染が疑われる人は16人に上っているとのこと。
マールブルグ病の症状・潜伏期間
マールブルグ病の症状としてはエボラ出血熱に類似しており、発熱や頭痛をはじめ筋肉痛や皮膚粘膜発疹および咽頭結膜炎などが見られ、重症化すると下痢や鼻口腔、消化管出血が現れる。潜伏期間は3~10日間程度で突発的に発症しする。マールブルグ病の流行
最初のマールブルグでの流行以後は、1975年にジンバブエで、また1980年と1987年にケニアで散発的な発生が確認された後、1998年から1999年にかけてコンゴ民主共和国(旧ザイール)で100名を超える感染者が出た。 その後、しばらく発生していない期間が続いたが、2005年にアンゴラでは300名を超える感染者が現れ大流行した。マールブルグ病の感染源
ドイツのマールブルグで発生した最初の事例ではサルからの感染が確認されているが、その後のアフリカでの発生はサルとの接触は確認されていない。 また、1980年にケニアで発生した際は、感染したフランス人技師がコウモリとの接触していたこと疑われたが、現在では、自然界での宿主や人間への感染経路は不明とされている。マールブルグ‐びょう〔‐ビヤウ〕【マールブルグ病】
読み方:まーるぶるぐびょう
《Marburg disease》ウイルス性出血熱の一つ。1967年にドイツのマールブルクなどでワクチン製造のためウガンダから輸入したアフリカミドリザルを扱った研究者ら31人が発症し、7人が死亡した。その後の発生ではコウモリなどからの感染も疑われている。伝染力が強く致命率が高いため隔離治療が必要とされる国際伝染病の一つ。潜伏期間は3〜10日。突発的に発症し、頭痛・筋肉痛・発熱に始まり、激しい嘔吐・下痢がみられ、発疹が全身に広がる。重症の場合、全身の器官に出血傾向が現れ、8〜10日で死亡する場合がある。マールブルグ出血熱。マールブルグ熱。
[補説] 1998〜2000年にはコンゴ民主共和国で発生し、149人の患者が確認され123人が死亡。2005年にはアンゴラで388人の発症が確認され324人が死亡した。
マールブルグ病
マールブルグ熱
(マールブルグ病 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/14 15:42 UTC 版)
マールブルグ熱(マールブルグねつ)は、フィロウイルス科のマールブルグウイルスを原因とする人獣共通感染症。同義語としてマールブルグ出血熱 (Marburg hemorrhagic fever) 、マールブルグ病 (Marburg disease) 、ミドリザル出血熱 (Vervet monkey hemorrhagic fever) 。患者と接触した医療関係者や家族は、接触の程度により一定期間の監視が行われる[1]。
- ^ a b c マールブルグ病 国立感染症研究所 感染症情報センター
- ^ “出血熱の症状引き起こすマールブルグ病、ギニアで死者 西アフリカで初の症例”. CNN (2021年8月11日). 2021年8月15日閲覧。
- ^ “マールブルグ病で9人死亡 赤道ギニアで初確認”. JIJI.com. 2023年2月15日閲覧。
- ^ a b c d e f “日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」”. 厚生労働省. 2020年1月22日閲覧。
- 1 マールブルグ熱とは
- 2 マールブルグ熱の概要
- 3 疫学
- 4 外部リンク
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