ボールペン画とは? わかりやすく解説

ボールペン画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 05:59 UTC 版)

ボールペン画 「宇宙猫パレード」 (2005年) レニー・メイス (米/日本) 着色ボールペン、金物、紙 130x92cm。
スピログラフ1960年代に発明された「創造的な子供のおもちゃ」はそのパッケージに着色ボールペンが含まれていた。

ボールペン画(ボールペンが、Ballpoint pen artwork)は、ボールペンで描いた絵画。

ボールペンの発明以来、アマチュアの落書きだけでなく、プロのアーティストのための多目的な芸術媒体となっている[1]。 使用者によると、ペンは安くてポータブルで、広く利用可能である。したがって、この一般的な文房具はまた便利な画材にもなる[2]。 ボールペンを道具の一つとして使用する芸術家もいるが、ボールペンだけを使用して作品を作る芸術家もいる[3]

概要

ボールペンだけで作品を作り上げることは一般的に結びつきにくい[4]。 「点描」と 「クロスハッチ」などの伝統的なペンとインク技術は、ハーフトーンや立体的な描写をするために使用することができる[5][6]。 ボールペンは、筆を使用したのでは表現されにくいシャープなラインが効果的に可能になる[7]。 細かく綺麗に完成した絵は、エアブラシ作品や写真に間違えられ、人々を驚かせる。ボールペン画家レニー・メイスは、それを”Wow Factor" (「ワオー要因」)と呼んでいる[8][9][7]

ボールペン画家

ボールペン画 「馬 1」 (2005年) ジェームズ・ミルン英語版 (イギリス) 黒ボールペン、紙

とりわけ、アンディー・ウォーホルなどの有名な20世紀の芸術家は、ボールペンもある程度利用してきた[10]。 ボールペン画は、21世紀でも人々を魅了し続けている。 現代のアーティストは彼らの特定のボールペン技術的能力、想像力と革新によって承認を受けている。

ニューヨーク在住の韓国人アーティスト、イル・リー英語版は、1980年代の初めから大規模で抽象的なボールペンのみの作品を制作してきた[1]。 彼の作品はソウル(韓国)やアメリカで展示されている。

レニー・メイス は1980年代半ば以降、木材やデニムなど、型破りな素材の表面に、様々なコンテンツと複雑さを想像的に描き、ボールペンのみの作品を作成していまる。 彼の変化に富んだ作風を表現するために、「ペンティング」と「メディア・グラフィティ」などの用語を造語[7][11][8]。 メイスは最も多作ボールペン画家である。彼の作品はアメリカ全米、日本でも定期的に展示されている[4]

最近では、イギリスのジェームズ・ミルン英語版はほとんど黒ボールペンを使用して写真のようにリアルなアートワークを制作し、時には、色を表現するために他の画材も使用している。 ミルンの作品は、ロンドン、そしてインターネットを通して国際的な人気がある[9][12][5]

日本人アーティスト、SHOHEI(大友昇平)のイラストは、インターネットを通してアメリカでも人気となっている[13]フアン・フランシスコ・カサス英語版サミュエル・シルバ英語版のボールペン画は、最近インターネットでの「ヴァイラル」効果で注目を集めている[14][15]

デメリット

ボールペンの限られた色の種類と、光による色の劣化がボールペン画家の懸念の一つである[16]。 ミスはボールペンアーティストにとって致命的である。 線が描かれた後、それは基本的に消す事ができないからである[7]。 芸術的な目的のためにボールペンを使用する際、インクフローのたまりと詰まりにも配慮が必要である[3]。 ボールペンの仕組みは比較的変わらないが、インク組成物は、光と色あせに繊細である部分がここ何年かで進化してきたのも特徴である。[16]

ボールペン画のギャラリー

脚注

  1. ^ a b Genocchio, Benjamin (2007年8月10日). “To See the World in Ballpoint Pen”. The New York Times (Manhattan, New York, USA: Arthur Ochs Sulzberger, Jr.). ISSN 0362-4331. OCLC 1645522. http://www.nytimes.com/2007/08/10/arts/design/10lee.html 2012年6月閲覧。 
  2. ^ Attewill, Fred (2011年9月29日). “Artist wins £6,000 art prize after using 3p ballpoint pens from Tesco”. Metro (Kensington, London, England: Associated Newspapers Ltd). ISSN 1469-6215. OCLC 225917520. http://www.metro.co.uk/news/877097-artist-wins-6-000-art-prize-after-using-3p-ballpoint-pens-from-tesco 2012年7月閲覧。 
  3. ^ a b Johnson, Cathy (2010). Watercolor tricks & techniques: 75 new and classic painting secrets (illustrated, revised ed.). Cincinnati, Ohio, USA: North Light Books. p. 123. ISBN 978-1-60061-308-1. OCLC 299713330. https://books.google.co.jp/books?id=M2Vik1EPOnAC&pg=PA123&dq=ballpoint+pen+artwork&hl=ja&redir_esc=y#v=onepage&q=ballpoint%20pen%20artwork&f=false 2012年7月閲覧。 
  4. ^ a b Small, Suzy (August 19, 2005). “Ai Candy; exhibition preview”. Tokyo Weekender (Tokyo, Japan: BC Media Group) 2 (15): 16. http://www.tokyoweekender.com/archives/index.php?vol=2005&issue=15 May, 2012閲覧。. [リンク切れ]
  5. ^ a b Mylne, James (2010年). “About Ballpoints, & Using Them in Art”. Biro Drawing.co.uk. James R. Mylne. 2012年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月閲覧。
  6. ^ Tizon, Natalia (2007). Art of Sketching (illustrated ed.). New York City, New York, USA: Sterling Publishing. p. 84. ISBN 9781402744235. OCLC 76951111. https://books.google.co.jp/books?id=MeyF9BFQKZEC&pg=PA84&dq=ballpoint+pen+artwork&hl=ja&redir_esc=y#v=onepage&q=ballpoint%20pen%20artwork&f=false 2012年7月閲覧。 
  7. ^ a b c d Liddell, C.B. (2002年4月3日). “The hair-raising art of Lennie Mace; Lennie Mace Museum”. The Japan Times (Tokyo, Japan: Toshiaki Ogasawara). ISSN 0447-5763. OCLC 21225620. http://www.japantimes.co.jp/text/fa20020403a1.html May, 2012閲覧。 
  8. ^ a b Liddell, C.B. (Jan 2002). “Getting the ball rolling in harajuku”. Tokyo Journal (Tokyo, Japan: Nexxus Communications K.K.) 21 (241): 36–37. ISSN 0289-811X. OCLC 13995159. 
  9. ^ a b Garnham, Emily (2010年4月16日). “Biro artist recreates Girl With A Pearl Earring masterpiece”. Daily Express (London, England: Northern and Shell Media). OCLC 173337077. http://www.express.co.uk/posts/view/169690/Biro-artist-recreates-Girl-With-A-Pearl-Earring-masterpiece 2012年6月閲覧。 
  10. ^ Warhol, Andy; Slovak, Richard; Hunt, Timothy (2007). Warhol Polaroid Portraits. New York City, New York, USA: McCaffrey Fine Art. pp. intro. ISBN 9780979048418. OCLC 420821909. https://books.google.co.jp/books?id=MB1MGlION0MC&pg=PP8&dq=ballpoint+pen+artwork&hl=ja&redir_esc=y#v=onepage&q=ballpoint%20pen%20artwork&f=false 2012年7月閲覧。 
  11. ^ Lebron, Orlando (1998). “Media Graffiti”. Juxtapoz Art & Culture Magazine (San Francisco, California, USA: High Speed Productions) 17 (Winter, 1998). ISSN 1077-8411. OCLC 30889397. 
  12. ^ Battle, Bella (2011年1月12日). “Biro art is simply ink-redible”. The Sun (London, England: News International). ISSN 0307-2681. OCLC 723661694. http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/features/2933676/Biro-art-is-simply-ink-redible.html 2012年6月閲覧。 
  13. ^ Shohei ballpoint pen illustrations”. Volume 20. Hi-Fructose (2011年6月16日). 2013年5月閲覧。
  14. ^ staff (2008年2月2日). “Simply birolliant - the incredible 10ft 'photographs' drawn with a ballpoint pen”. Daily Mail (England: Associated Newspapers Ltd). ISSN 0307-7578. OCLC 16310567. http://www.dailymail.co.uk/news/article-511688/Simply-birolliant--incredible-10ft-photographs-drawn-ballpoint-pen.html 2012年6月閲覧。 
  15. ^ staff writer, uncredited (Thurs, Sept 6, 2012). “Ballpoint Pen Or Photograph?”. Believe It or Not. Ripley Entertainment Inc.. 2013年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。March, 2013閲覧。
  16. ^ a b Holben Ellis, Margaret (1995). The care of prints and drawings (reprint, illustrated ed.). Lanham, Maryland, USA: Rowman Altamira. pp. 101–103. ISBN 9780761991366. OCLC 33404294. https://books.google.co.jp/books?id=RMevB4KjDRkC&pg=PA103&dq=ballpoint+pen+artwork&hl=ja&redir_esc=y#v=onepage&q=ballpoint%20pen%20artwork&f=false 2012年7月閲覧。 

ボールペン画

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ボールペン」の記事における「ボールペン画」の解説

詳細は「ボールペン画 あるいは en:Ballpoint pen artwork」を参照 ボールペン発明以来アマチュア落書きだけでなく、プロアーティストのための多目的な芸術媒体となっている。使用者によると、ペン安くてポータブルで、広く利用可能である。従ってこの一般的な文房具便利な画材にもなる。「点描」と 「クロスハッチ」などの伝統的なペンインク技術は、ハーフトーン立体的な描写をするために使用することができる。とりわけアンディー・ウォーホルなどの有名な20世紀芸術家は、ボールペンある程度利用してきた。ボールペン画は、21世紀でも人々魅了し続けている。現代アーティストは彼らの特定のボールペン技術的能力想像力革新によって承認受けている。ニューヨーク在住韓国人アーティスト、イル・リー (Il Lee) は、1980年代初めから大規模抽象的なボールペンのみの作品制作してきた。彼の作品ソウル韓国)やアメリカで展示されている。レニー・メイス (Lennie Mace) は1980年代半ば以降木材デニムなど、型破りな素材表面に、様々なコンテンツ描きボールペンのみの作品作成している。彼の変化に富んだ作風表現するために、「ペンティング」と「メディア・グラフィティ」などの用語が生まれたメイスは最も多作ボールペン画家である。彼の作品アメリカ全土日本でも定期的に展示されている。最近では、英国のジェームズ・ミルン (James Mylne) は、ほとんど黒ボールペン使用して写真のようにリアルなアートワーク制作し時には色を表現するために他の画材使用している。ミルン作品は、ロンドン、そしてインターネット通して国際的な人気がある。ボールペン限られた色の種類と、光による色の劣化ボールペン画家懸念一つである。ミスはボールペンアーティストにとって致命的である。線が描かれた後、基本的に消すことができないからである。芸術的な目的のためにボールペン使用する際、インクフローのたまりと詰まりにも配慮が必要である。日本人アーティストハクチ」のイラストは、インターネット通してアメリカで人気となっている。フアン・フランシスコ・カサス (Juan Francisco Casas) とサミュエル・シルバ (Samuel Silva) のボールペン画は、最近インターネットでの「ヴァイラル効果注目浴びている。

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