ボルテックス‐リング‐ステート【vortex ring state】
ボルテックス・リング・ステート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 17:13 UTC 版)
ボルテックス・リング・ステート (英語: vortex ring state)、あるいは、セットリング・ウィズ・パワー (英語: settling with power)は、ヘリコプターの飛行中に発生することがある危険な状態であり、ローターがボルテックス・リング・システムに巻き込まれたときに発生し、揚力が極めて減少する原因となる。本質的には、ヘリコプターが自分自身のダウンウォッシュに落ち込むことである。この状態になると、ローターのパワーを増やしても、ボルテックス(渦)の動きを増大させるだけで、揚力を増やすことが出来なくなる[1][2]。この状態は転換式航空機のティルトローター、ティルトウイング等でも発生し、V-22 オスプレイの事故の一つは、これが原因だった。
- ^ Rotorcraft Flying Handbook, FAA Manual H-8083-21, Washington, DC: Flight Standards Service, Federal Aviation Administration, U.S. Dept. of Transportation, 2001. ISBN 1-56027-404-2, page 11-5.
- ^ a b c Advisory Circular (AC) 61-13B, Basic Helicopter Handbook, U.S. Department of Transportation, Federal Aviation Administration. 1978
- ^ Johnson, Wayne. Helicopter theory pp99+106, Courier Dover Publications, 1980. Accessed: 25 February 2012. ISBN 0-486-68230-7
- 1 ボルテックス・リング・ステートとは
- 2 ボルテックス・リング・ステートの概要
- 3 外部リンク
ボルテックス・リング・ステート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 04:11 UTC 版)
「V-22 (航空機)」の記事における「ボルテックス・リング・ステート」の解説
1992年に発生した死亡事故は、ボルテックス・リング・ステートが原因であった。政府説明責任局 (GAO)は、その報告書において、この機体は、「ボルテックス・リング・ステートに陥った場合の対応が困難」であると述べた。また、ボルテックス・リング・ステートに関する試験の一部が、実施されていなかったことも指摘した。ただし、その後実施された飛行試験により、通常のヘリコプターよりもボルテックス・リング・ステートに入りにくいことが判明している。また、パイロットがボルテックス・リング・ステートを認識し、それから回復するために必要な訓練が実施されており、かつ、ボルテックス・リング・ステートを回避するための運用限界が設定され、その状態に近づいたことを警告する機器の導入も行われている。
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