ホステリング
歴史と沿革
ユースホステル(以下YH)は、ドイツの小学校教師リヒャルト・シルマン(1874-1961)が、子どもたちに野外体験をさせたいという思いのもと、その基点となる宿泊場所として小学校の空き教室を利用したのが始まりです。
1909年には、ドイツのアルテナという町にある古城「アルテナ城」を利用して、世界初の専用YHが誕生しました。このドイツ発祥の「自然のなかへ出かける足掛かりとなる宿泊施設をつくり、それを基点として利用してもらおう」というYH運動は、瞬く間にヨーロッパを始め、世界中に普及していきました。
YHは、セルフサービスという考えのもと、宿泊客が自分で食器の片付けや部屋の清掃などを行うため、青少年教育の場としても大きく評価されています。同時に、この点において他の宿とは大きく異なります。
日本では1951年にこの運動が始まり、翌年には13軒のYHが誕生し、現在では日本に約260軒、世界では71カ国、約4,000軒に至るまで発展しました。
現在のYHは、青少年教育の場としてだけではなく、様々な体験活動や国際交流および観光の拠点として、子どもたちだけに限らず、幅広い年齢層に利用され、会員数は世界中で約400万人を占めるまでになりました。
競技方法
ホステリングとは、YHを利用しながら世界各国の文化や歴史、または人との交流を体験するものです。
ホステリングには2つの方法があります。1つは登録されたYHの公認指導者(ホステリングインストラクター、ホステリングディレクター)が、事前にテーマやコース、交通機関、宿泊場所などを決めて、参加者を募集し、実施するものです。主に団体での行動となり、公認指導者やYHのマネージャーがリーダーとなり、参加者を引率します。日本では全国のYH、または支部協会などで実施しています。
もう1つはYHを基点として、個人や家族、グループまたは、前日にYHで知り合った者同士がYH周辺の文化や歴史などを体験する方法です。YHは単に宿泊するというよりは生活をするための施設です。そこに宿泊した者が互いに交流を持ち、様々な情報交換をするとともに、一緒に行動をすることも珍しくありません。
ホステリングには特に決められたルールはありません。また、勝敗もなく結果がすぐにわかるものでもありません。それぞれが自分の嗜好にあったものを体験することで、生涯学習の1つとして人生経験を豊富にする活動だといえます。
ユースホステル
(ホステリング から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 09:58 UTC 版)
ユースホステル(独: Jugendherberge、英: youth hostel)は、プロイセンのリヒャルト・シルマンが創設した、青少年少女の旅に安全かつ安価な宿泊場所を提供しようという主旨で始まった運動と、それにより生まれた宿泊施設。また、約80の国と地域にあるそれらの宿泊施設による宿泊施設ネットワーク[1]。
- ^ a b c “海外のユースホステル情報”. 日本ユースホステル協会. 2019年2月8日閲覧。
- ^ 松田徳一郎 編『リーダーズ英和辞典』初版 研究社 1984年
- ^ a b c 中村樗「世界のユース・ホステル運動の変遷」『愛知工業大学研究報告』第5号、愛知工業大学、1970年、33-42頁、2020年4月2日閲覧。
- ^ “学校パスについて”. 日本ユースホステル協会. 2019年2月8日閲覧。
- ^ a b 日本ユースホステル協会平成25年度事業報告書
- ^ “太陽の丘|番組|NHKアーカイブス”. NHK. 2023年12月30日閲覧。
- ^ “プレイリスト にっぽんの歌こころの歌【思い出のフォーク&ポップス~旅情作品集~】”. NHKラジオ第1 (2023年12月30日). 2023年12月30日閲覧。
- ^ 山口ユースホステル
- ^ a b c 日本ユースホステル協会のWebサイトに掲載されていないユースホステルについて(公営ユースホステルペアレント全国協議会)
- ^ “ホステリングガイド = Hostelling guide日本ユースホステル協会”. 国立国会図書館. 2023年7月24日閲覧。
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