ベース電源
別名:ベースロード電源、基幹電源、基底負荷電源
電力会社が電力需要に応えるために、優先的に常時運用する電源のこと。電力需要が大きく変動する中で、最も需要が少ない状況(ボトム需要)でも運用され、負荷曲線のベース部分を受け持っている。
ベース電源には一般的に、季節や昼夜の別に関係なく一定量の電力供給が可能な、安定性の高い電源が採用される。また、主に電力需要が高まった際に活用される「ミドル電源」や「ピーク電源」よりも、ランニングコストが低いことも重要な条件である。石炭火力発電がベース電源として採用されることがあるのは、経済性の高さや調達面での安定性が主な理由とされる。
ベース電源の代表例としては、流れ込み式(自流式)水力発電を挙げることができる。流れ込み式水力発電は、ダム式、ダム水路式の水力発電と異なり、川の流れがそのまま利用されることから、河川流量の変化の影響を受けることはあるものの、比較的安定した発電が可能である。そのほか、地熱発電や潮汐発電などが、ベース電源の候補として挙げられることがある。
原子力発電は、正常に稼動している限り、安定性が比較的高い発電方法であり、一般的にベース電源として扱われる。原子力発電は負荷追従性に劣る、すなわち需要に合わせて出力を調節することが難しいことから、ベース電源として扱わざるを得ない部分もある。
2014年現在、太陽光発電や風力発電などの新エネルギーは安定性に乏しいことから、ベース電源として扱われないのが一般的である。
ベースロード‐でんげん【ベースロード電源】
ベースロード発電所
(ベースロード電源 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/27 07:08 UTC 版)
ベースロード発電所(ベースロードはつでんしょ。英語: base load power plant)は、電力供給網における一日の需要の最低水準であるベースロード(基礎負荷)の要件を継続的に満たす信頼性の高い発電が可能な発電所。堅実な電力システムの基礎となっている[1]。
- ^ Understanding Base Load Power. What it is and Why it Matters. October 7, 2008. Published by Dr. Matthew Cordaro in conjunction with New York Affordable Reliable Electricity Alliance (New York AREA) pg. 2 para. 2
- ^ “Energy Dictionary - Baseload plant”. EnergyVortex.com. 2008年8月3日閲覧。
- ^ “Scaling Geothermal for Reliable Baseload Power”. renewableenergyworld.com (2007年10月5日). 2008年8月3日閲覧。
- ^ Understanding Base Load Power. What it is and Why it Matters. October 7, 2008. Published by Dr. Matthew Cordaro in conjunction with New York Affordable Reliable Electricity Alliance (New York AREA) (PDF) Quote: "...For a typical power system, the rule of thumb is that base load power is usually 35–40 percent of the maximum load during the year...."
- ^ “The Basics On Baseload (PDF) ” (英語). The Pembina Institute (2007).
- ^ Archer, Cristina L.; Jacobson, Mark Z. (2007-11).“Supplying Baseload Power and Reducing Transmission Requirements by Interconnecting Wind Farm (PDF) ” (英語). Journal of applied meteorology and climatology, 46.
- ^ Ronald J. Daniels (1996). Ontario Hydro at the Millennium: Has Monopoly's Moment Passed?. Montreal and Kingston: McGill-Queen's University Press 2008年8月3日閲覧。
- ^ Lovins, Amory (2009).“Four Nuclear Myths: A Commentary on Stewart Brand's Whole Earth Discipline and on Similar Writings” (英語). Rocky Mountain Institute.
- ^ Nuclear Development, June 2011, page 10 from OECD Nuclear Energy Agency
- ^ Palacios, Javier C.; Alonso, Gustavo et al. (2004-10-06).“Levelized costs for nuclear, gas and coal for Electricity, under the Mexican scenario. (PDF) ” (英語).
- 1 ベースロード発電所とは
- 2 ベースロード発電所の概要
- 3 関連項目
ベースロード電源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 16:00 UTC 版)
限界費用の特に低い発電設備は、定期検査やトラブルの期間を除き、需要電力の大小にかかわらずできるだけ高い出力で運転することが得策である。この種の発電設備を、ベースロード電源(ベース電源)という。ベースロード電源の設備利用率は、最も高い。 典型的なベースロード電源は原子力発電所である。2019年の実績では、世界の商業運転中の原子炉の設備利用率は、平均して76.4%であった。四国電力の伊方発電所1号機では、1983年の年間設備利用率99.3%という世界記録を樹立し、1987年には、99.92%という年間設備利用率で世界記録を更新した。 原子力以外のベースロード電源としては、石炭火力、流れ込み式水力、地熱がある。最新の天然ガスコンバインドサイクル発電は、熱効率が高く、1 kWh当たりの燃料費が抑えられるため、ベースロード電源としても活用される。 流れ込み式水力の場合、渇水時の出力が定格出力に達しないため、年間設備利用率は高くない。
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