ベンゾジアゼピン【benzodiazepine】
ベンゾジアゼピン
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ベンゾジアゼピン(benzodiazepine)は、縮合したベンゼン環とジアゼピン環が中心となる化学構造をもつ、向精神薬である。 BZD、BDZ、BZP、BZ等と略記される。 この系統の初めての薬であるクロルジアゼポキシドは、1955年にレオ・スターンバックにより偶然発見され、1960年にホフマン・ラ・ロシュにより作り変えられたジアゼパムもまた1963年以来販売されている。
ベンゾジアゼピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 15:08 UTC 版)
「ベンゾジアゼピン薬物乱用#各国の状況」も参照 ベンゾジアゼピンは即効性の抗不安薬であり、GADやその他の不安障害に用いられている。しかしながら、長期間の使用では副作用があるため、FDAは短期的な使用(6-12週)に限って承認した。世界不安学会では、耐性、精神障害、認知記憶障害、身体的依存、ベンゾジアゼピン離脱症候群が形成されるため、ベンゾジアゼピンの長期使用を推奨していない。副作用には、眠気、運動能力の低下、平衡感覚問題などがある。 英国国立医療技術評価機構(NICE)の診療ガイドラインは、短期間の危機介入使用を除いてベンゾジアゼピンを処方してはならないとしている。 カナダ精神医学会(CPA)のガイドラインでは、ベンゾジアゼピンは、2種類以上の抗うつ薬治療が成功しなかった場合の第二選択としてのみ限定し推奨している。しかしその際でも、ベンゾジアゼピンは重度の不安や動揺を和らげるための期間を限定しての使用にするとしている。 スウェーデン医療製品庁は、不安の薬物療法には薬物依存のリスクのためベンゾジアゼピンを避けるべきだとしている。デンマーク保健省の依存性薬物処方ガイドラインでは、全般性不安障害、パニック障害、不安障害の第一選択肢は抗うつ薬である。依存性があるため、ベンゾジアゼピンの処方は非薬物療法などそれ以外全てで治療できない場合のみに限定され、処方期間は4週間が目処であり、長期間の治療は避けなければならないとしている。
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ベンゾジアゼピン
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「ベンゾジアゼピン系」も参照 処方規制については「ベンゾジアゼピン薬物乱用#各国の状況」を参照 不眠症のために最も一般的に処方される睡眠薬の種類はベンゾジアゼピン系である。すべてのベンゾジアゼピンはGABAA受容体に対し非選択的に結合する。しかし、特定のベンゾジアゼピンは、他のベンゾジアゼピンよりもGABAA受容体におけるα1サブユニットに対する作用が強い(例えば、トリアゾラムおよびテマゼパムはα1サブユニットに強い作用があり、アルプラゾラムやジアゼパムはα1サブユニットに対して強い作用がある)。α1サブユニットは、鎮静、運動障害、呼吸抑制、健忘、運動失調、また行動の強化(薬物探索行動)と関連している。α2サブユニットは、抗不安作用や脱抑制に関連している。このため特定のベンゾジアゼピンは、他のものよりも不眠症の治療に適している。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、テマゼパム(英語版)、フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)、トリアゾラム(ハルシオン)、フルラゼパム(ダルメート)、ミダゾラム(ドルミカム)、ニトラゼパム(ベンザリン)、クアゼパム(ドラール)などがある。これらの薬は耐性と身体依存を形成し、中止時にベンゾジアゼピン離脱症候群につながり、とりわけ長期間の定常的な使用後には顕著である。ベンゾジアゼピンは、薬物乱用、アルコール乱用の経歴を持つ患者には、使用を避けるか極めて慎重に処方すべきである。 ベンゾジアゼピンは無意識に誘導し、浅い睡眠を促し、深い睡眠に費やす時間を減少させるため、実際には睡眠を悪化させる。他の問題としては、短時間作用型の睡眠補助薬を不眠症に定常的に使用していると、日中の反跳性不安を生じさせる。ベンゾジアゼピンは睡眠の開始を助け、睡眠時間を増やすが、深い睡眠を減らし浅い睡眠を増やす。不眠症におけるベンゾジアゼピンの利益に関する証拠は少なく、重大な害についての証拠がありながら、処方は増加し続けてきた。多くの人にとって、不眠症に対するベンゾジアゼピンの長期的な使用は不適切であると認識されており、ベンゾジアゼピンの長期的影響について有害な副作用の懸念があるため、徐々に減薬し断薬することが推奨される。 日本睡眠学会および厚労省科学斑のガイドラインは、常用量の睡眠薬で効果が不十分な場合に、睡眠薬の多剤併用がより有効であるという証拠がなく、副作用の危険性を低減するためにも、多剤併用はできるだけ避け、特に、3種類以上のベンゾジアゼピン系ないし非ベンゾジアゼピン系の併用は避けなければならないとし、そして臨床常用量の使用でも増量は危険性と利益を慎重に考慮し、長期連用による二次性不眠症の可能性も検討し、睡眠衛生や認知行動療法といった代替の治療法も検討すべきであるとしている。 高齢者においてビアーズ基準など控えるべき薬剤一覧に掲載されている。日本医師会・日本老年医学会の手引きでは、長時間作用型とトリアゾラムは使用すべきではなく、ほかのベンゾジアゼピンは可能な限り使用を控え、使用するにしても短期間、最低量であるとしている。しかし実態は多くの日本の医師は無関心であり漫然と投与し続ける傾向にある。
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ベンゾジアゼピン
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ベンゾジアゼピン
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詳細は「ベンゾジアゼピン系」を参照 ベンゾジアゼピン系の不安に対する使用は、短期間に限定される。ベンゾジアゼピン系は、不安障害を治療するための他の処方薬が効きはじめる間までの期間を補う目的で用いられることがある。通常、短期的な中枢神経の沈静が必要な時の一次選択であり、さまざまな症状に用いられる。2週間を超える使用は、離脱症状とリバウンド症状の危険性がある。長期間使用した場合、耐性や依存性が生じる。
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ベンゾジアゼピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 23:29 UTC 版)
現在、日本において一般的に利用される鎮静薬は、ベンゾジアゼピン系と、これとほぼ同様のチエノジアゼピン系に分類されるものがほとんどである。 ベンゾジアゼピン系は以前によく使われていたバルビツール酸系に比べて毒性が低いが、過剰摂取による死亡は今なお問題である。またベンゾジアゼピンは依存の危険性があるため、1ヶ月以上の長期処方を行わないことが推奨される。各国の保健省では、不安治療にベンゾジアゼピンを用いることを推奨していないことも多い。(ベンゾジアゼピン薬物乱用#各国の状況を参照)
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ベンゾジアゼピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 07:52 UTC 版)
ベンゾジアゼピンは、「マイナー」トランキライザーと呼ばれる種類の向精神薬で、催眠、精神安定、抗不安、抗てんかん、筋弛緩などの性質を持つが、正反対の反応を引き起こすこともある。敏感な人では、ベンゾジアゼピン治療に対して、不安の増加、攻撃性、動揺、精神錯乱(英語版)、脱抑制、衝動の制御を失う、多弁(英語版)、暴力行為、痙攣の反応がある可能性がある。矛盾した副作用は犯罪行動さえも招く可能性もある。 ベンゾジアゼピンに起因する重篤な行動変化には、躁病、統合失調症、怒り、衝動性、軽躁病などが報告されている。 ベンゾジアゼピンの奇異反応は用量に依存するように見え、そのため高用量で生じやすい可能性がある。 ベンゾジアゼピンに起因する逆説的な激怒反応は、意識の水準が変化した結果として、無意識下での行動(英語版)、前向性健忘、抑制のない攻撃性を生じる。これらの攻撃的な反応は、脱抑制のセロトニン作動性(英語版)の機序によって生じる可能性がある。 英国医師会雑誌(BMJ)への投書では、児童虐待が現に行われているかその脅威があるとされた親は、その時点で薬を服用していた割合が高く、頻繁にベンゾジアゼピンと三環系抗うつ薬が併用されていたことが報告された。多くの母親が、精神安定剤を消費している間、不安や抑うつを少なく感じた代わりに、子供や同様にほかの家族の一員への敵意と攻撃性があらわになったと述べた。執筆者は、対処が困難な泣いている赤ちゃんと精神安定剤の作用との組み合わせのような環境的あるいは社会的ストレスが、児童虐待の出来事を促す可能性があると警告した。 自己攻撃性が、臨床試験における研究条件下で報告され実証されている。ジアゼパムは、自らを害する気持ちを増加させることが判明している。 ベンゾジアゼピンは、たまに発作性疾患を有する患者において、脳波測定値の逆説的な悪化をもたらす。
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