ベッセマー転炉とは? わかりやすく解説

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ベッセマー法

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 02:01 UTC 版)

ベッセマー法は、溶けた銑鉄からを大量生産する世界初の安価な製法。発明家ヘンリー・ベッセマーが1855年に特許を取得した。ウィリアム・ケリーも1851年、独自に同じ製鋼法を発見している[1][2]。同じ原理に基づく製鋼はヨーロッパ以外で数百年前から行われていたが、大量生産といえる規模ではなかった[3]。鍵となる原理は、溶銑に空気を吹き込んで酸化還元反応を起こし、から不純物を取り除くことである。酸化によって鉄の温度が上がり、溶けたままにしておくという効果もある。


  1. ^ “Bessemer process”. Britannica. 2. Encyclopedia Britannica. (2005). pp. 168. 
  2. ^ “Kelly, William”. Britannica. 6. Encyclopedia Britannica. (2005). pp. 791. 
  3. ^ Ponting, Clive (2000), World History, A New Perspective, Pimlico, ISBN 0-7126-6572-2 
  4. ^ a b c Hartwell, Robert (1966-03). “Markets, Technology, and the Structure of Enterprise in the Development of the Eleventh-Century Chinese Iron and Steel Industry”. The Journal of Economic History 26 (1): 29–58. ISSN 00220507. http://www.jstor.org/stable/2116001 2009年11月24日閲覧。.  Page 54.
  5. ^ Bessemer, Sir Henry (1905). Sir Henry Bessemer, F.R.S.. Offices of "Engineering,"  p172.
  6. ^ Anstis 1997, p. 147.
  7. ^ Robert Mushet Archived 2012年8月22日, at the Wayback Machine.
  8. ^ Anstis 1997, p. 140.
  9. ^ Misa, Thomas J. (1998-09-08). A Nation of Steel: The Making of Modern America, 1865-1925. The Johns Hopkins University Press. ISBN 0801860520  chapter 1 online


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ベッセマー転炉

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ベッセマー法」の記事における「ベッセマー転炉」の解説

この製法では、卵形鋼製コンテナ内側粘土またはドロマイト覆ったベッセマー転炉を使う。転炉容量は8トンから30トン溶銑が入る程度で、通常15トン前後である。転炉頂上部分は開いていて若干斜めに開口部向いている。中に入れるときも鋼を取り出すときも、その開口部を使う。底部には羽口 (tuyeres) と呼ばれるいくつもの穴が開けてあり、そこを通して転炉内に空気供給する転炉トラニオン上に設置され原料入れるときは回転させて炉を寝かせ、鋼への転換行っている最中立てておき、溶けた鋼を最後に取り出すときも回転させて傾ける。

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ベッセマー転炉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 01:49 UTC 版)

転炉」の記事における「ベッセマー転炉」の解説

ベッセマー転炉とは、1856年イギリス技術者ヘンリー・ベッセマー発明した世界初転炉である。革命的な製鋼法であり、この転炉使った製鋼法を「ベッセマー法」という。ベッセマー転炉の基本的な構造底吹転炉である。溶銑入れる口と、溶鋼が出る口は同じである。 1856年イギリスチェルトナム行われた学会で、ベッセマーは「火なしでの鍛鉄と鋼の製造」の題目講演した。この講演転炉は「空気吹き込むだけで酸化熱が発生し、この熱で反応が進むので、熱の補給必要ない炉」つまり「火を使わない炉」として絶賛された。一般的なベッセマー転炉は、25トン銑鉄たったの30分で鋼鉄転換できた。これは、それまで何十倍の効率鋼鉄生産できることを意味していた。ベッセマー転炉によって安価な鋼鉄大量生産できるようになり、それまで設計図上の世界だった鋼鉄鋼鉄建築物高層ビル)・高性能鉄道レール大型船大規模工場などが現実的なものとなっていき、世界は「時代」から「鋼の時代」へと変わっていった。 革命的な製鋼法だったベッセマー転炉だが、欠点はあった。ベッセマー転炉炉壁耐火煉瓦は、酸性酸化物である珪石でできていたため不純物であるリンがどうしても除去できなかった。リン酸化してリン酸とし、それをスラグ含ませ除去すればよいが、珪石出来た耐火煉瓦ではリン酸を溶かし込みやすいスラグ出来なかった。石灰塩基性)を投入すればリン酸スラグ溶け込むが、このスラグ塩基性のため酸性酸化物炉壁激しく反応してしまい、転炉耐久性を失わせた。かといってリンを含む鋼は割れやすくて使い物にならない。そのため、ベッセマー転炉ではリンを含む鉄鉱石燐鉱石)が使えなかった。ヨーロッパで産出される鉄鉱石のうち、燐鉱石は9割だったため、ベッセマー転炉で使用できる鉄鉱石は1割だけだったベッセマー実験使っていた鉄鉱石は、偶然にリンがほとんど含まれていなかった。この欠点のため、依然としてパドル法残っていた。この問題解決したのが、22年後に現れトーマス転炉である。 なお、アメリカで産出される鉄鉱石リンをあまり含まない鉄鉱石だったため、アメリカではベッセマー法積極的に採用され鉄鋼業飛躍的に発展していった。

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