プロセス哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/07 08:55 UTC 版)
プロセス哲学(プロセスてつがく、英語:process philosophy)は、「現実の本質とは何か」という問について、時間の現れの〈プロセス〉即ち変化や発達に答を見出す。「有機体論の哲学」とも呼ばれる。これに対して、プラトンやアリストテレス以来の西洋哲学は、時間を超越して不変の〈実体〉(substance)というものが現実の根底に在るとし、変化や発達はそれら〈 実体〉の事故的表層でしかない、としてきた。例えば、老いたり病気になったりして変化する「ソクラテス」と呼ばれる人物の現実が観察されるところでは、変化しない〈実体〉を想定する伝統的西洋哲学に対して、変化そのものを本質として捉えるのがプロセス哲学だ。〈実体〉即ち事物の不変性を批判するプロセス哲学は、「観察される諸々の事物はどう関連し合っているのか」といった存在論や「諸々の事物の存在はどう認識されるのか」といった認識論の論議に強く影響する。
- ^ Jeremy R. Hustwit (2007年). “Process Philosophy”. Internet Encyclopedia of Philosophy. p. 2.a. In Pursuit of a Holistic Worldview. 2018年2月25日閲覧。
- ^ Cf. Michel Weber (ed.), After Whitehead: Rescher on Process Metaphysics, Frankfurt / Paris / Lancaster, Ontos Verlag, 2004.
- ^ Ilya Prigogine, From being to becoming, W. H. Freeman and Company, San Francisco, 1980.
- 1 プロセス哲学とは
- 2 プロセス哲学の概要
プロセス哲学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 17:30 UTC 版)
「アメリカ合衆国の哲学」の記事における「プロセス哲学」の解説
プロセス哲学はアインシュタインの世界観を取り込んでおり、その主要な提唱者にはアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドやチャールズ・ハートショーンがいた。プロセス哲学の中核となる信念は事象とプロセスが主要な存在論的範疇にあるという主張だった。ホワイトヘッドはその著書『自然の概念』の中で、「コンクレセンス」と呼んだ自然界にある物は、特性の永続性を維持する事象の結合であるとしていた。プロセス哲学は、原理的存在論的範疇が変化するという意味でヘラクレイトス的である。チャールズ・ハートショーンもホワイトヘッドのプロセス哲学をプロセス神学に発展させることに貢献した。
※この「プロセス哲学」の解説は、「アメリカ合衆国の哲学」の解説の一部です。
「プロセス哲学」を含む「アメリカ合衆国の哲学」の記事については、「アメリカ合衆国の哲学」の概要を参照ください。
- プロセス哲学のページへのリンク