ニセアカシアという名前を聞くと、馴染みが深く、もとから日本に生えていたように思いがちですが、実は北米産原なのです。米国ではブラックローカストと呼ばれています。アパラチア山脈中央部およびオザーク山地などにもともと分布していましたが、広く栽培されるようになり、その後、北米東部、さらには西部にも生育するようになっています。日本には明治8年頃に導入され、その後、植栽されたり、また、野生化したりしています。アカシアの並木という場合は、アカシアといっても、このニセアカシアのことです。 ■木材 心材と辺材の色の差ははっきりとしています。心材の色は生材のときは緑色をおびた黄色ですが、大気に長期間曝されていると、褐色になっていきます。辺材は黄白色です。重硬で、気乾比重は0.77です。強度は高いです。一般的にいって、幹の形が悪いので、大きな木材をとるのは難しいでしょう。施作しやすく、また、釘の保持力は高いですが、手工具での加工はやや難しいです。菌に対する抵抗が高く、米国産材のうちでは、最も耐朽性の高い木材の一つといわれています。 ■用途 かつては、強さと耐朽性の高いことから、造船用材として英国へ輸出されていました。現在では、フェンスの支柱、枕木、燃料など、さらに工芸品の材料にされています。日本でも国産のニセアカシアが入手出来る地域では、工芸品さらには家具への利用が試みられています。 |