パルボB19ウイルス ( parvovirus B19 )
伝染性紅斑(こうはん)、いわゆる「リンゴ(のほっぺ)病」の原因ウイルスです。したがって、このウイルスの罹患者は小児に多いのですが、おとなでもまれに感染することがあります。好発期は春で、地域的な流行をみます。潜伏期は4~14日ほど。ウイルス自体は弱毒性なので不顕性感染(いわゆるキャリア)のケースも少なくありません。しかし、おとなでも多発性の関節炎や、妊婦に感染した場合は流産や胎児死亡などの原因になる可能性も指摘されています。また、鎌状(かまじょう)赤血球症などの慢性溶血性疾患(たとえば溶血性貧血)では、骨髄無形成発症の要因となるなど、呼吸器内科や血液内科の医師は要注意のウイルスと見なしています。臨床的な特徴は、軽度な発熱や軽い倦怠感とともに、“平手打ちされたような跡”が頬に広がることです。症状自体は5~10日ほどで治まりますが、発疹は日光、暑さ、運動、発熱、その他強いストレスによって再発することがあります。さらに、このウイルスはエンベロープ(外皮)を持たずウイルス粒子の直径が小さい、熱に強いなどの性質のあるところから、血液製剤の製造過程でウイルスの不活化や除去が困難な面があります。このため、とくに血漿分画製剤の製造工程で厳しく排除することが義務づけられています。
パルボB19ウイルス
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