バベルの塔とは? わかりやすく解説

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バベルの塔

読み方:バベルのとう

「バベルの塔」とは、旧約聖書の「創世記」に登場する伝説上の高層建築物通称である。神の怒り買った人間驕り象徴」とされ、今日でも「思い上がった実現不可能な構想」の代名詞となっている。

創世記」における「バベルの塔」の話は、人間異な言葉を話すようになった原因とされる。つまり「言語多様化」の由来譚でもある。

旧約聖書には「バベルの塔」という呼称そのもの登場しない聖書では単に「街」「塔」記述されている。

「バベルの塔」の概要

バベルの塔は、旧約聖書第11章、「ノアの大洪水」の出来事の後に登場する。「方舟」のおかげで生き延びたノアの子孫たちは、地上広く分散して生きること創造主から命じられていた。しかしノア息子ハムの孫にあたるニムロドは、創造主の意に反し、シンアルの平野人々束ねて天まで届くほどの塔を建設しようとしたニムロドたちの行いは「人間たち傲慢である」と見なされ、創造主逆鱗触れた

なお、シンアルには古代都市バビロンバビロニア)が築かれており、バビロンヘブライ語バベルという。「ごちゃまぜ」を意味するとされる

ノアの子孫たちは、それまで単一言語用いており、不自由な意思疎通できていた。しかし、創造主言語混乱もたらし人々意思疎通困難になった。その結果、バベルの塔も建設途中で放棄され人々地上広く散らばって生活するようになったという。

バベルの塔は実在するか

旧約聖書における「バベルの塔」は、基本的に神話的伝説的な存在であるが、これを古代都市バビロニア実在したジッグラト」が伝説化したものであるとする見解もある。

ジッグラト古代メソポタミア文化において建造されレンガ造りの聖塔である。数多く建造されていたことが判明している。宗教的建造物であり、大きさ・高さが重視された、といった特徴はバベルの塔と共通している。

「バベルの塔」を含む熟語・言い回し

バベルの塔症候群

「バベルの塔症候群」とは、学会のような各分野専門家集う場において、専門家各々専門分野の用語を使って話すため、他分野専門家認識齟齬生じたり、話が噛み合わなかったり、問題解決が進まなかったりする状況のことである。

「バベルの塔症候群」は、旧約聖書の「バベルの塔」の話で語られた「言語混乱」のくだ りにちなん呼び名である。「症候群」とはいうが学術的な病名というわけではなく、通俗的な呼称である。

「バベルの塔」(絵画)

絵画作品としての「バベルの塔」は、名作が多いが、最も著名な作品といえばフランドル地方画家ピーテル・ブリューゲル描いた「バベルの塔」であろう

ブリューゲルは「バベルの塔」を3作描いたとされ、うち2作品現存するその2作品支持体大小にちなんで「大バベル」「小バベル」と通称される。美術史などで言及されることが多く、そのため多くの人が思い浮かべるであろうブリューゲル描いたバベルの塔」は、通称「大バベル」の方である。

「大バベル」は明るめのトーン着色されており、塔の内部構造一部うかがえる。「小バベル」は暗めのトーン着色されており、塔は外観しか見えない描かれている街並みと塔を対比すると、「小バベル」の塔は「大バベル」よりも巨大な建造物として描かれていることが分かる

バベルオーストリアウィーン美術史美術館に、小バベルオランダボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館それぞれ所蔵されている。

「バベルの塔(ゲーム)」

日本では1986年7月18日にバベルの塔をモチーフにした同名ゲームナムコより発売されている。ファミリーコンピューター向けのソフトとなっており、ジャンルはパズルアクションゲームだった。エンディングを見るためのパスワード集めボリューム感のある裏ステージなどやり込み要素も豊富で、他ハードアプリへの移植実施されている人気作品である。

バベル‐の‐とう〔‐タフ〕【バベルの塔】

読み方:ばべるのとう

Babel聖書地名シナル古都旧約聖書創世記にある伝説上の塔。ノアの大洪水ののち、人類バビロンに天に達するほどの高塔建てようとしたのを神が怒りそれまで一つであった人間言葉混乱させて互いに通じないようにした。そのため人々工事中止し各地散ったという。転じて傲慢に対す戒めや、実現不可能な計画の意にも用いられる

[補説] 作品名別項。→バベルの塔


バベルのとう〔‐のタフ〕【バベルの塔】


バベルのとう 【バベル(Babel)の塔】

①『旧約聖書創世記第一一章に記されている伝説の塔。ノアの洪水後、人間が天にも届くような高い塔を築き始めたのを神が見てそのおごりをいかり、人々言葉混乱させ建設中止させたという。②古代バビロニア建てられた聖塔。③転じて自己の限界をも省みない、実現不可能なくわだてにもいう。

バベルの塔

作者橋本治

収載図書BA-BAHその他
出版社筑摩書房
刊行年月2006.12


バベルの塔

作者ロジャー・パルバース

収載図書新バイブル・ストーリーズ
出版社集英社
刊行年月2007.12


バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 23:27 UTC 版)

バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語: מִּגְדָּ֑ל בָּבֶ֔ל‎、ラテン文字:Migdal Babel)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な。神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する[1][2]


注釈

  1. ^ シュメールと音が似ていることが、よく指摘される。
  2. ^ ヘブライ語、慣習で「名」と訳されている。名誉・名声の意味も有る。

出典

  1. ^ 宇田進『新キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年9月。ISBN 4264012589 
  2. ^ アンドレ・パロ『聖書の考古学 ノアの箱舟とバベルの塔』みすず書房、1958年5月。 NCID BA69690817 
  3. ^ 岩波書店発刊 広辞苑-第四版-2095頁、項目「バベルの塔」より。
  4. ^ フェデリコ・バルバロ「創世記」『聖書』、講談社、p.24、2007年第16刷(1980年第1刷)
  5. ^ 日本聖書学研究所 (1975). 聖書外典偽典 第4巻 -旧約聖書偽典Ⅱ-. 教文館. pp. 55. ISBN 978-4-7642-1904-5 
  6. ^ フラウィウス・ヨセフス 秦剛平訳 (1982). ユダヤ古代誌〈1~2〉. 山本書店. pp. 72-75. ASIN B000J7JBWM 
  7. ^ 「バベルの塔」現代日本に出現したら 芸大チーム試算朝日新聞デジタル(2017年4月21日)
  8. ^ 紀伊國屋書店刊 タロット大全-歴史から図像まで(著:伊泉龍一)


「バベルの塔」の続きの解説一覧

バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:00 UTC 版)

賭博黙示録カイジ」の記事における「バベルの塔」の解説

スタッフピストル合図ゲームスタートし同時に目的地となるビルの場所が垂れ幕によって伝えられるいち早く該当ビル屋上到着し高さ約8mの棒の頂上に貼られたカード最初に触れた参加者勝者となる。カード表面人生逆転カード呼ばれ電卓のように数字打ち込むことでその分お金獲得できる上限は9億9999万円)。裏面魔法キーで、人生変える極秘情報得られる勝者カードの表か裏のどちらか1つ選択することが出来る。

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バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:07 UTC 版)

ソードアート・オンラインのコンピュータゲーム作品」の記事における「バベルの塔」の解説

ペルソナ・ヴァベルによってニーベルハイムに建てられ巨大な塔。

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バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/02 14:41 UTC 版)

ガイア幻想紀」の記事における「バベルの塔」の解説

旧約聖書登場するバベルの塔がモデル

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バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 09:48 UTC 版)

ナムコアンソロジー」の記事における「バベルの塔」の解説

アクションパズルゲーム

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バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/29 01:06 UTC 版)

反射衛星砲」の記事における「バベルの塔」の解説

テレビアニメ『ふしぎの海のナディア』登場。「ルシファー」や「ミカエル」など、計12個の「しもべの星」と呼ばれる反射衛星介し地球各地Ν-ノーチラス号攻撃した

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バベルの塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 08:09 UTC 版)

バビル2世」の記事における「バベルの塔」の解説

高性能コンピュータ管理しており、5000年間の地球上様々な出来事記録している。人工砂嵐起こしてその所在隠し催眠ライト・レーザー砲・ミサイルなどで武装侵入者は塔内に仕掛けられ数々の罠で撃退する。そして破壊されても自動修復する機能持ちバビル2世超能力者としての教育を施す装置や傷ついたバビル2世癒す治療装置完備している。アニメ第1作のみ「バビルの塔」と呼ばれる。 『バビル2世 ザ・リターナー』では、オーバーテクノロジー固まりであるコンピューター本体から情報読み出し一部管理するのに、現代既存コンピューターなどの機材アラブ系ペーパーカンパニー利用して購入した)を利用しているとされている。 なお、第1作において声を担当した声優数人おり、初期井上真樹夫第6話)なども演じていたが、中盤以降山田俊司(現 キートン山田)と矢田耕司による、独特のカン高い声による「コンピュータ音声」に固定された。

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バベルの塔

出典:『Wiktionary』 (2021/06/13 13:59 UTC 版)

固有名詞

バベル

  1. (キリスト教, ユダヤ教) 旧約聖書創世記」に記されている巨大な塔。

翻訳


「バベルの塔」の例文・使い方・用例・文例

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