バイオマーカー (薬学)とは? わかりやすく解説

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バイオマーカー (薬学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 12:37 UTC 版)

薬学においてバイオマーカー(Biomarker;あるいは生物指標化合物)とは、ある疾病の存在や進行度をその濃度に反映し、血液中に測定されるタンパク質等の物質を指す用語である。さらに一般的にはバイオマーカーは特定の病状や生命体の状態の指標である。NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究グループは1998年に「(バイオマーカーとは)通常の生物学的過程、病理学的過程、もしくは治療的介入に対する薬理学的応答の指標として、客観的に測定され評価される特性」と定義づけた[要出典]。過去においては、バイオマーカーは主として血圧心拍数など生理学的指標のことであった。近年になるとバイオマーカーは、前立腺癌の分子バイオマーカーとなる前立腺特異抗原肝機能測定のための酵素測定などに例えられる、分子バイオマーカーの同義語となってきた。最近では、大腸癌やその他のEGFR(上皮成長因子受容体)関連癌におけるKRAS遺伝子の役割など、腫瘍学におけるバイオマーカーの有用性が注目されている。変異したKRAS遺伝子を発現している患者では、EGFRシグナル伝達経路の形成しているKRASタンパクが、常に「オン」状態である。この過剰活性したEGFRシグナル伝達は、たとえシグナル経路上流がセツキシマブなどのEGFR阻害剤でブロックされていても、シグナルが経路下流に伝達され続け、結果として癌細胞が成長し、増殖し続けることを意味する。腫瘍のKRAS状態(野生型対変異型)を試験して、患者がセツキシマブを用いた療法において効果を期待できるかが判断できる。


  1. ^ Loukopoulos P., Thornton J. R. , Robinson W. F. (2003). “Clinical and pathologic relevance of p53 index in canine osseous tumors”. Veterinary Pathology 40: 237-248. 
  2. ^ Loukopoulos P., Mungall B.A., Straw R.C., Thornton J.R., Robinson W.F. (2003). “Matrix metalloproteinase-2 and -9 involvement in canine tumors.”. Veterinary Pathology 40: 382-394. 
  3. ^ Loukopoulos P., Shibata T., Katoh H., Kokubu A., Sakamoto M., Yamazaki K., Kosuge T., Kanai Y., Hosoda F., Imoto I., Ohki M., Inazawa J., Hirohashi S. (2007). “Genome-wide array-based comparative genomic hybridization analysis of pancreatic adenocarcinoma: Identification of genetic indicators that predict patient outcome.”. Cancer Science 98: 392-400. 
  4. ^ メタボノミクスの定義は定まっていないが、ここでは原文をそのまま翻訳する。


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