【ハ-43】(はよんじゅうさん)
1940年代、三菱重工が開発・生産した航空機用レシプロエンジン。
「金星」系列として知られる空冷複列星形14気筒発動機をベースに、これを18気筒に改めて設計されたものである。
同級発動機である中島飛行機の誉に比べ、やや大振りな設計であったが、誉はその精巧な設計が災いして生産・運用に支障をきたしたことを鑑みると、当時の日本の技術・工業力において、本系列の方がその身丈に合った発動機であった、と言えなくもない。
しかし、完成が遅かったため、納入先・運用者である軍は誉の生産を優先し、本系列の発動機を搭載した航空機はほとんど製作されなかった。
バリエーション
ハ-43-11/ハ-43-12/ハ-43-21/ハ-43-22/ハ-43-31/ハ-43-41/ハ-43-42/ハ-43-43/ハ-43-51
性能諸元(ハ-43-11)
全長:2,200mm
直径:1,230mm
乾燥重量:960kg
排気量:41.7L
形式:空冷複列星形18気筒/OHV
過給機:遠心式スーパーチャージャー1段2速
離床出力:2,200HP/2,900rpm
出力:1,930HP/5,000m/2,800rpm
主な搭載機
ハ43 (エンジン)
(ハ-43 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/18 03:13 UTC 版)
ハ43は、第二次世界大戦期に三菱重工業が開発・製造した航空機用空冷星型エンジン。
- ^ 坂上 (2013)は佐々木の回想から開発着手を昭和17年(1942年)5月としている[1]。
- ^ 坂上 (2013)によれば昭和17年(1942年)10月[1]。
- ^ 坂上 (2013)によれば昭和17年(1942年)12月[1]。
- ^ ギアn速:クラッチ結合ギア式n段階変速機械過給機
フルカン:フルカン継手式無段階変速機械過給機
排気タ:排気タービン過給機
+は多段過給機を表す。 - ^ 堀越 & 奥宮 (1982, p. 487)では2,000 HP / 1,800 HP / 1,660 HP。
- ^ 堀越 & 奥宮 (1982, p. 487)では1,800 m / 5,000 m / 8,700 m。
- ^ a b c d e 坂上 2013, p. 414.
- ^ 松岡 2017, p. 123.
- ^ 松岡 2017, pp. 130–132.
- ^ 坂上 2013, p. 410.
- ^ 松岡 2017, p. 125.
- ^ 松岡 2017, p. 129.
- ^ アテネ書房 みつびしエンジン物語 松岡久光 P173、P175、P329
- ^ 松岡久光『みつびし航空エンジン物語』アテネ書房、1986年、166-167頁。ISBN 4-87152-196-6。
- ^ 三菱大幸工場で量産を開始するも『この頃急激に増えていた徴用工の不慣れもあって試運転の都度不具合を発生するものが多かった』
- ^ 中川良一、水谷総太郎『中島飛行機エンジン史 若い技術者集団の活躍』酣燈社、1985年、118頁。ISBN 978-4873570075。
- ^ 堀越 & 奥宮 1982, p. 459.
- ^ 渡辺洋二「ハ四三の可動は良好」『決戦の蒼空へ』、158頁。
- ^ a b c d e f 松岡 2017, p. 160.
- ^ 堀越 & 奥宮 1982, p. 463.
- ^ a b 堀越 & 奥宮 1982, p. 466.
- ^ a b 松岡 2017, p. 137.
- ^ 堀越 & 奥宮 1982, p. 429.
- ^ a b c 日本機械学会 1949, p. 1009.
- ^ a b c 世界の傑作機 1978, pp. 30-31.
- 1 ハ43 (エンジン)とは
- 2 ハ43 (エンジン)の概要
- 3 主要諸元
- 4 搭載機種
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