ネルソンホールドとは?

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ネルソンホールド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/05/26 05:06 UTC 版)

ネルソンホールド (Nelson hold)、ネルソン、または羽交い締め(はがいじめ)[1]は、片手、または両手を相手の脇の下から通し、相手の後頭部で交差させ押さえつける関節技締め技の一種[2]アマチュアレスリングプロレス総合格闘技等の格闘技において使用されるほか、一般社会において相手の動きを封じ拘束するためにも使用される。

「ネルソン」という技の名称はナイルの海戦トラファルガーの海戦で有名なイギリス海軍提督ホレーショ・ネルソンにあやかって名付けられたとされている。

掛け方により様々な種類が存在している。以下、種類ごとに記述する。

目次

種類

フルネルソン

フルネルソンを仕掛けるマーティン・バーンズ(1912年)
マスターロックを仕掛けるクリス・マスターズ

一般的に羽交い締め(はがいじめ)の名称で知られているのはこの形である。両羽交い締めとも呼ぶ。背後から相手の脇に両腕を差し入れ、相手の首の後ろで輪を作るようにクラッチし圧迫することによって首関節を極める技。プロレスでは主にアマチュアレスリング出身のパワーのある選手が使う。戦前からフィニッシュホールドとして使われており、近年ではクリス・マスターズがマスターロックの名でフィニッシュに使用している。ジャイアント馬場前座時代の得意技でもあった。首関節技なので危険なため、アマチュア格闘技では禁止されることがある。一般社会でも、暴れている者を制止する時などに使用される。

フルネルソンの体勢から移行する技

スタンド状態からフルネルソンの体勢に相手を捕らえ、そのまま後方にブリッジし反り投げる。
  • スイング・フルネルソン
フルネルソンからジャイアントスイングの要領で振り回す。ケン・パテラなどが使用。
  • フルネルソン・バスター
フルネルソンを決めたまま相手の体をほぼキャンパスと水平状態に振り上げて叩きつける。パトリオットなどが使用。

リバース・フルネルソン

相手をリバース・フルネルソン・ホールドに捕らえるトリプルH

別名は逆さ羽交い締め(さかさはがいじめ)、ダブルアームリバース・チキンウィングとも呼ばれる。相手と向かい合った状態で前屈みになった相手の両腕を相手の背中の上でクラッチして絞め上げる。ダブルアーム・スープレックスなどこの体勢から移行する技も数多く存在する。大相撲ではこの体勢は五輪砕きと呼ばれ、頚椎を損傷する危険性があるため、この体勢になった時点で技を掛けた側の勝ちとなる。

リバース・フルネルソンの体勢から移行する技

相手の両腕をリバース・フルネルソンに固め、相手を持ち上げながら後方へ反り投げる。ビル・ロビンソンらの得意技。
  • タイガードライバー
リバース・フルネルソンの体勢から相手を持ち上げて反転させ、同時に腕のロックを離して腰を抱える。そのままパワーボムのように背面からマットへ叩きつけてピンフォールする。派生技もいくつか存在している。三沢光晴が考案。
リバース・フルネルソンの体勢から相手の頭部を自分の両膝に挟んで固定し、やや後方にジャンプして膝で着地、相手の顔をマットに叩きつける。トリプルHの得意技。

ハーフネルソン

ハーフネルソン

別名は片羽交い締め(かたはがいじめ)。背後から相手の脇に片腕を差し入れ、相手の首の後ろでロックする[3]。アマチュアレスリングではそのまま頭に置いた手を支点にし、てこの原理を使い相手の体をひっくり返し、ピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う[3]

もう片方の手で相手の頭を押さえつけるパワー・ハーフネルソン (power half nelson)、相手の反対側の脇から片腕を差し入れるファーザー・ハーフネルソン (further half nelson) という変形技もある。

ハーフネルソンの体勢から移行する技

  • ハーフネルソン・スープレックス
スタンド状態からハーフネルソンの体勢に相手を捕らえ、そのまま後方にブリッジし反り投げる。小橋建太の得意技。
  • カリフォルニア・ロール
ハーフネルソンの体勢から、もう片方の腕で相手の股間あたりを掴んで、相手を頭上高く持ち上げる。そのまま自らの両肩の上に相手を横向きに乗せると同時に、自分の体を反転させながらマットへ背中から倒れることにより相手をマットに叩き付け、そのまま片エビ固めでピンフォールする。マイケル・モデストが考案し、リッキー・マルビンも得意とする。
  • サンタマリア
リッキー・マルビンのオリジナルの必殺技。

クォーターネルソン

クォーターネルソン

背後から相手の首に片手を置き、もう一方の手を相手の腕の下から通し、首に置いた手とクラッチし、相手の頭にプレッシャーを掛けることによってピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う。グラウンドポジションでのみ使用される。

スリークォーターネルソン

スリークォーターネルソン

ハーフネルソンと同様に背後から相手の脇に片腕を差し入れ、もう片方の手を相手の背中側から回し、相手の首の後ろでクラッチし、相手の頭にプレッシャーを掛けることによってピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う。グラウンドポジションでのみ使用される。

一般社会での使用

一般社会においてもネルソンホールドは使用され、主に相手を動けなくする目的で使用する。この場合、ほとんどはフルネルソンが使用され、他の種類はあまり知られていないため使用されない。

代表的な例としては、凶悪犯の逮捕喧嘩の仲裁などの場合に、暴れている人間を制止するために使用される。その他、強姦暴行を目的とする犯罪者が、対象とする相手の動きを封じるために使用される事もある。

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脚注

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  1. ^ 「羽交い締め」はネルソン・ホールド全般の名称として使用される他、ネルソン・ホールドの代表的な一種であるフルネソン・ホールドの別名としても使用される。
  2. ^ Burns, Martin"Lessons in Wrestling & Physical Culture" - 1912.
  3. ^ a b TOP MOVE:HALF-NELSON AND REVERSE HALF-NELSON

関連項目


羽交い締め

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/01 07:29 UTC 版)

(ネルソンホールド から転送)

羽交い締め (はがいじめ)[1]は、拘束術・逮捕術の一種である。

また、アマチュアレスリングなどの格闘技の技術・関節技としても応用されており、その場合はネルソン・ホールド (Nelson hold)、双羽固め(ふたはがため)と呼ばれる。

概要

相手の背後より、相手の両腋の下から自らの両腕を通して、相手の後頭部あたりでその両手を組んで固める。その状態で両腕で強く締め付けることにより、相手に身動きが取れないようにする。「羽交い」とは、鳥類の左右の翼が交わる部分、もしくは羽根自体のことで、羽交い締めの名称はそれに由来する[2]

また羽交い締めを仕掛ける行為自体が「羽交い締めにする」という動詞となっている[3]

主に暴れている人間を制止するために使用され、代表的な使用例としては、凶悪犯の逮捕喧嘩の仲裁などである。その他、強姦暴行を目的とする犯罪者が、対象とする相手の動きを封じるために使用される事もある。

アマチュアレスリングをはじめとする格闘技では、羽交い締めの状態から相手の頭部を圧迫する応用技がある(後述)。

事件例

  • 2010年6月1日、大阪府堺市の大阪府立大学構内で、自転車で帰宅途中の大学院生の男性が2人組の男に襲われ、財布を奪われた。1人が後ろから首を羽交い締めにして自転車から引きずり下ろし、顔を殴るなどの暴行を行っている間に、もう1人がズボンのポケットから財布を抜き取った[4]
  • 2010年4月下旬、未明に東京都町田市内の路上で、通行中の10代女性を羽交い締めにし、脅して近くの建築現場に連れ込み乱暴した。同年6月3日に逮捕された[5]
  • 2009年7月26日午後0時半ごろ、東京都世田谷区駒沢の駒沢大学で、同大のサークルの学生と地元の小学生約50人がイベントの昼食の準備をしていたところ、無言で男性が寄ってきてリュックサックからナタを取り出し、近くにいた小学4年の少年を羽交い締めにした。その場で大学生数人が取り押さえ、駆けつけた警察官に逮捕された[6]
  • 2009年11月24日午前9時25分頃、香川県善通寺市の四国銀行善通寺支店で、男が現金自動預払機のインターホンで女性行員を呼び出し、ナイフを突き付けて脅した。直後に偶然入店したプロゴルファーの桑村幸延が男を羽交い締めにして捕まえた後、投げ飛ばして取り押さえた。後日、桑村には感謝状が贈られた[7]
  • 2010年4月3日午後5時45分頃、佐賀県佐賀市の商業施設「ジャスコ佐賀大和店」の駐車場で、50代の女性が突然男に背後から羽交い締めにされ、財布を奪われた[8]
  • 2017年1月31日、東京都八王子市の交番に70代の男が「妻を殺した」と自首し、男の自宅で腐乱した女性の遺体が発見された。同月上旬に妻に薬を飲ませようとした際に口論になって羽交い締めにし、気付いたら妻が死んでいたと男は証言している[9]

ネルソン・ホールド

ネルソン・ホールド(Nelson hold)は、格闘技における技術の一つ、あるいはその派生を含む総称である。双羽固め(ふたはがため)とも呼ばれる[10]。主にアマチュアレスリングプロレス総合格闘技等において使用される[11]

概要

羽交い締めをレスリングに応用した技で、急所を狙う首攻めの一種である。分類上、関節技締め技の範疇となる。

拘束術としての羽交い締めは、相手を動けなくすること、取り押さえることが目的であるのに対し、ネルソン・ホールドは相手を攻撃する、ダメージを与えるのが主目的である(プロレスなどでは拘束を目的とする場合もある)点が異なる。

なお、ネルソン・ホールドのことを「羽交い締め」とも呼ぶ事も多いが、本来は異なる。

技の名称はイギリス海軍提督ホレーショ・ネルソンにあやかって名付けられたとされている。

掛け方により様々な種類が存在している。以下、種類ごとに記述する。

種類

フルネルソン

フルネルソンを仕掛けるマーティン・バーンズ(1912年)
マスターロックを仕掛けるクリス・マスターズ
掛け方

羽交い締めを首攻めとしてレスリングに応用した技で、元来はこの技をネルソン・ホールドあるいは双羽固めと呼んでいた。後にフルネルソンの変型技が数種(後述)生まれ、混同を避けるためネルソン・ホールドはフルネルソンとその派生を含む総称として使用されることが多くなった[10][12]

相手の後方から相手の両腋の下から自分の両腕を差し入れて、相手の後頭部あたりで自分の両手を組み合わせ、羽交い締めの状態とし、そこから首の後ろで組んだ両手で相手の頭部を押し曲げ、圧迫して攻撃する。アマチュアレスリングでは、真後ろから攻めると反則となる[10]

見た目が羽交い締めと同様であるため、フルネルソンのことを羽交い締めと呼ぶことも多い。また派生技と混同を避けるため、両羽交い締めとも呼ぶことがある。他にダブルネルソンとも呼ばれる[10]

プロレスにおいては、主にウエイトリフティングボディビルディング出身の選手がパワーをアピールするために使う。戦前からフィニッシュホールドとして使われており、近年ではクリス・マスターズマスターロックの名でフィニッシュに使用している。他には、ジャイアント馬場前座時代に得意技としていた。

なお、首関節技なので危険なため、アマチュア格闘技では禁止されることがある。

フルネルソンの体勢から移行する技
フルネルソン・スープレックス(ドラゴン・スープレックス)
スタンド状態からフルネルソンの体勢に相手を捕らえ、そのまま後方にブリッジし反り投げる。
スイング・フルネルソン(スピニング・フルネルソン)
フルネルソンからジャイアントスイングの要領で振り回す。ケン・パテラボブ・アームストロング、若手時代の宮本和志などが使用[13]
フルネルソン・バスター(フルネルソン・スラム)
フルネルソンを決めたまま相手の体をほぼキャンパスと水平状態に振り上げて叩きつける。ローラン・ボックパトリオットボビー・ダンカン・ジュニアなどが使用。
胴締めフルネルソン
フルネルソンからグラウンドに移行し、脚で相手の胴も締め上げる。
フルネルソンボム
フルネルソンの体勢から開脚して相手をパワーボムの要領でマットへ叩きつける。大森隆男ババ・レイ・ダッドリーが使用。

ハーフネルソン

ハーフネルソン
掛け方

フルネルソンの変型で、相手の後方から片腕のみを羽交い締めの形にした上で、相手の頭部を押し曲げ圧迫する。[10][14]アマチュアレスリングではそのまま頭に置いた手を支点にし、てこの原理を使い相手の体をひっくり返し、ピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う[14]

別名は、片羽固め(かたはがため)、片羽交い締め(かたはがいじめ)。

もう片方の手で相手の頭を押さえつけるパワー・ハーフネルソン (power half nelson)、相手の反対側の脇から片腕を差し入れるファーザー・ハーフネルソン (further half nelson) という変形技もある。

ハーフネルソンの体勢から移行する技
ハーフネルソン・スープレックス
スタンド状態からハーフネルソンの体勢に相手を捕らえ、そのまま後方にブリッジし反り投げる。小橋建太の得意技。
カリフォルニア・ロール
ハーフネルソンの体勢から、もう片方の腕で相手の股間あたりを掴んで、相手を頭上高く持ち上げる。そのまま自らの両肩の上に相手を横向きに乗せると同時に、自分の体を反転させながらマットへ背中から倒れることにより相手を:マットに叩き付け、そのまま片エビ固めでピンフォールする。マイケル・モデストが考案し、リッキー・マルビンも得意とする。
サンタマリア
リッキー・マルビンのオリジナルの必殺技。

クォーターネルソン

クォーターネルソン

フルネルソンの変型で、相手の後方から、片腕を相手の首にあて、もう一方の腕を相手の腋の下に通してから、首を押さえた腕を掴み、相手の頭部を押し曲げたりして圧迫して攻撃する[10]

アマチュアレスリングでは、相手の頭にプレッシャーを掛けることによってピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う。グラウンドポジションでのみ使用される。

別名は、四分の一ネルソン(しぶんのいち-)、四分の一羽固め(しぶんのいちはがため)[10]

スリークォーターネルソン

スリークォーターネルソン

ハーフネルソンと同様に背後から相手の脇に片腕を差し入れ、もう片方の手を相手の背中側から回し、相手の首の後ろでクラッチする。アマチュアレスリングでは、相手の頭にプレッシャーを掛けることによってピンフォールやより有利な体勢への移行を狙う。グラウンドポジションでのみ使用される。

リバース・フルネルソン

相手をリバース・フルネルソン・ホールドに捕らえるトリプルH
掛け方

別名は逆さ羽交い締め(さかさはがいじめ)、ダブルアームリバース・チキンウィングとも呼ばれる。相手と向かい合った状態で前屈みになった相手の両腕を相手の背中の上でクラッチして絞め上げる。ダブルアーム・スープレックスなどこの体勢から移行する技も数多く存在する。大相撲ではこの体勢は五輪砕きと呼ばれ、頚椎を損傷する危険性があるため、かつてはこの体勢になった時点で技を掛けた側の勝ちとなっていた。

なお、正確にはこの技はフルネルソンの派生技ではなく、羽根折り固めの一種である。リバース・フルネルソンという名称も通称である。[13]

リバース・フルネルソンの派生技
ダブルアーム・スープレックス
相手の両腕をリバース・フルネルソンに固め、相手を持ち上げながら後方へ反り投げる。ビル・ロビンソンらの得意技。
タイガードライバー
リバース・フルネルソンの体勢から相手を持ち上げて反転させ、同時に腕のロックを離して腰を抱える。そのままパワーボムのように背面からマットへ叩きつけてピンフォールする。派生技もいくつか存在している。三沢光晴が考案。
ペディグリー
リバース・フルネルソンの体勢から相手の頭部を自分の両膝に挟んで固定し、やや後方にジャンプして膝で着地、相手の顔をマットに叩きつける。トリプルHの得意技。
ダブルアーム式DDT
リバース・フルネルソンの状態から後方へ倒れ込み、相手の頭部をマットへ叩き付ける技。
ダブルアーム式パイルドライバー(チキンウィング・パイルドライバー)
リバース・フルネルソンの状態から相手の頭部をまたに挟んで持ち上げて逆さまにする。その状態のままマットへ尻餅をつくように座り込むと同時に相手の脳天をマットへ叩き付ける。
リバース・ネルソン・デスロック
リバース・インディアン・デスロックをかけた状態で相手の状態を起こし、リバース・フルネルソンをかける複合技。三沢光晴が考案。
羽根折り固め
別名「バタフライロック」。尻餅をついた相手の首の後ろに左腕を回して脇で抱え込み、相手の背中に右腕を回しながら両手をクラッチし、両肩、首にダメージを与える複合関節技。蝶野正洋が考案した技で、その他の使い手としてYOSHI-HASHIが得意技として使用している。

脚注

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  1. ^ 羽交い絞め」などとも表記される。ただし、「絞」は喉を絞める意味なので誤用である(三省堂『大辞林』2006年)
  2. ^ 『新明解 国語辞典 第6版』三省堂
  3. ^ 『類語大辞典 大活字版』講談社
  4. ^ 『産経新聞』2010年6月2日
  5. ^ 『産経新聞』2010年6月4日
  6. ^ 『産経新聞』2009年7月27日
  7. ^ 『山陽新聞』2009年12月21日
  8. ^ 『読売新聞』2010年4月4日
  9. ^ 「妻を殺した」交番に70代男が出頭”. 毎日新聞. 2017年2月1日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g 『大きな活字のコンサイスカタカナ語辞典 第3版』三省堂
  11. ^ Burns, Martin"Lessons in Wrestling & Physical Culture" - 1912.
  12. ^ 『用例で分かるカタカナ新語辞典 改訂 第2版』学習研究社
  13. ^ a b 『プロレス技MOOK』日本スポーツ出版社(2004年)
  14. ^ a b TOP MOVE:HALF-NELSON AND REVERSE HALF-NELSON

関連項目





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