ニューホライズンズ
ニュー‐ホライズンズ【New Horizons】
ニュー・ホライズンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/03 05:39 UTC 版)
ニュー・ホライズンズ(英語、New Horizons)は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が2006年に打ち上げた、人類初の冥王星を含む太陽系外縁天体[注 1]の探査を行うための無人探査機である。
注釈
- ^ ただし、打ち上げ時点では冥王星は惑星とされていた(惑星#太陽系の惑星の定義参照)。
- ^ 64 Gbitsなので、記録容量は8 GBであり、8 GBは一般的なUSBメモリにも用いられている容量であるため、記録容量が少ないように思うかもしれない。しかし、単にフラッシュメモリと言っても、地球上で使用する一般の市販品と異なり、宇宙線に耐えられなければならないなど、使用環境が全く異なる。一般に記録密度が高くなればなる程、宇宙線などの影響には弱くなる傾向にあるため、宇宙用のフラッシュメモリの記録容量を増やすのは、21世紀初頭の技術においてもなお容易ではない。
- ^ 仮に800 (bit/秒)の速度でデータを受け取り続けたとしても、もしも64 Gbitsのデータを受信しようとすると、925日間を超える時間を必要とする。
- ^ アトラスロケットの燃料タンクに亀裂が生じる可能性が有ると判明し、点検のため現地時間11日から17日に延期した。さらに天候状態の悪化により18日に、管制施設の停電により19日に延期した。打ち上げが2月3日以降まで遅れた場合は、木星スイングバイによる増速が不可能となり、冥王星到達が3年から5年遅れる可能性があった。打上げウィンドウの記事も参照の事。
- ^ 2018年末の時点で、この構成による打ち上げは、その後8回の合計9回が実施され、いずれも成功した。これより大きな構成である、CCBを3本にした構成(デルタIVヘヴィーやファルコン9ヘヴィーに類似)は開発が中止された。
- ^ 近接遭遇すると判明したのは打ち上げ後。当時は仮符号のみで2002 JF56と呼ばれていたが、通過後にAPLと命名された。
- ^ 2006年12月、ミッションチームのメンバーがロンドンを訪問し、88歳のヴェネチア・バーニーと対面した。
出典
- ^ New Horizons Successfully Performs First Post-Launch Maneuvers 2012年11月23日閲覧
- ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.84、p.88 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
- ^ “2020年、任務を終えた探査機に送信される人類からのメッセージ”. Wired.jp. (2014年6月30日) 2014年7月6日閲覧。
- ^ “Pluto-bound probe faces crisis” (英語). Nature News. pp. 407–408 (2014年5月20日). doi:10.1038/509407a. 2015年9月6日閲覧。
- ^ “NASA’s New Horizons Team Selects Potential Kuiper Belt Flyby Target”. ジョンズ・ホプキンス大学. (2015年8月28日) 2015年8月30日閲覧。
- ^ a b 塚本直樹 (2019年1月3日). “ウルティマ・トゥーレは赤い雪だるま型か。ニュー・ホライズンズから新撮影画像”. sorae.jp 2019年1月7日閲覧。
- ^ NASA Spacecraft Gets Boost From Jupiter for Pluto Encounter 2012年11月23日閲覧
- ^ “ニューホライズンズ、旅の中間点に到達”. AstroArts. (2010年1月6日) 2010年1月12日閲覧。
- ^ “On Pluto’s Doorstep, NASA’s New Horizons Spacecraft Awakens for Encounter”. NASA. (2014年12月6日) 2014年12月26日閲覧。
- ^ “探査機「ニューホライズンズ」が冥王星の観測を開始!”. JAXA. (2015年1月28日) 2015年3月19日閲覧。
- ^ “最接近まであと半年 「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星”. アストロアーツ. (2015年2月5日) 2015年3月19日閲覧。
- ^ “冥王星に迫るNASA探査機「ニューホライズンズ」、7日にセーフモードから復帰へ”. ITmediaニュース. (2015年7月6日) 2015年8月22日閲覧。
- ^ “米探査機、冥王星に最接近 「歓喜の瞬間」”. AFPBB News (2015年7月15日). 2020年10月3日閲覧。
- ^ “New Horizons”. ジョンズ・ホプキンス大学 応用物理学研究所. 2015年9月26日閲覧。 Timeline 欄を参照。
- ^ KENNETH CHANG (2016年10月28日). “No More Data From Pluto”. New York Times 2017年2月1日閲覧。
- ^ a b c “ニューホライズンズ、65億km彼方のウルティマ・トゥーレをフライバイ探査” (2019年1月7日). 2019年1月22日閲覧。
- ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.88 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
- ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.88、p.89 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
- ^ “New Horizons Kids”. The Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory LLC.. 2019年9月12日閲覧。
- ^ “惑星地質ニュース 第17巻 第1号(ニューホライゾンズ計画に問題点)”. 惑星地質研究会. 2009年12月30日閲覧。
- ^ “New Horizons 2”. Lunar and Planetary Institute Outer Planets Assessment Group. 2010年1月12日閲覧。
- 1 ニュー・ホライズンズとは
- 2 ニュー・ホライズンズの概要
- 3 概要
- 4 日程
- 5 搭載機器
- 6 ニュー・ホライズンズ・キッズ
- 7 関連項目
ニューホライズンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:45 UTC 版)
「エッジワース・カイパーベルト」の記事における「ニューホライズンズ」の解説
詳細は「ニューホライズンズ」および「アロコス (小惑星)」を参照 エッジワース・カイパーベルトを探査する初めての探査機ニューホライズンズが2006年1月19日に打ち上げられ、2015年7月14日に冥王星をフライバイ (接近通過) した。その後、カイパーベルト内のさらなる天体の探査を行うことがミッションの目標となった。 2014年10月15日、ハッブル宇宙望遠鏡によってニューホライズンズの次の探査対象の候補天体3つがリストアップされたことが明らかにされ、ニューホライズンズのチームによって暫定的に PT1、PT2、PT3 と名付けられた (PT は "potential target" の略)。これらの天体の直径は 30–55 km と推定され、地上望遠鏡で観測するには小さすぎる天体である。太陽からの距離は 43–44 au であり、2018年から2019年にかけてニューホライズンズが近接遭遇することになる。初期の推定では、これらの天体にニューホライズンズが持つ燃料の範囲内で到達できる可能性は、それぞれ 100%、7%、97% であった。この3天体は全て、軌道傾斜角と軌道離心率が小さい、力学的に「冷たい」古典的カイパーベルト天体であり、したがって冥王星とは非常に異なる天体である。PT1 (ハッブル宇宙望遠鏡のウェブサイトでは暫定的に "1110113Y" という符号が与えられていた) は最も探査に適した天体であり、等級は26.8、直径は 30–45 km で、2019年1月にニューホライズンズとの近接遭遇を起こす。 これら3つのカイパーベルト天体の軌道に関する十分な情報が得られた後に、小惑星センターは公式な仮符号を与えた。それぞれ、2014 MU69 (PT1)、2014 OS393 (PT2)、2014 PN70 (PT3) である。2014年の秋までに、4番目の候補天体であった 2014 MT69 がその後の観測によって候補から外された。また PT2 はニューホライズンズが冥王星をフライバイする前に候補から脱落した。 2015年8月26日に、1番目の候補天体である 2014 MU69 が探査対象として選ばれた。同年10月下旬と11月上旬にニューホライズンズの軌道の調整が行われ、2019年1月にこの天体をフライバイすることとなった。2016年7月1日、NASAはニューホライズンズがこの天体を訪れるための追加予算を承認した。 2015年12月2日、ニューホライズンズは (15810) 1994 JR1 を2億7000万 km 離れた位置から観測し、その形状などの特徴を写真に収めた。 2019年1月1日、ニューホライズンズはアロコスのフライバイに成功し、得られた観測データからアロコスは接触連星であり、長さ 32 km、幅 16 km の形状をしていることが判明した。ニューホライズンズに搭載されているマルチスペクトルカメラの Ralph による観測で、アロコスが赤い色をしていることが確認された。フライバイの際に得られたデータは、その後20ヶ月にわたって探査機から地球へ送られる。
※この「ニューホライズンズ」の解説は、「エッジワース・カイパーベルト」の解説の一部です。
「ニューホライズンズ」を含む「エッジワース・カイパーベルト」の記事については、「エッジワース・カイパーベルト」の概要を参照ください。
ニュー・ホライズンズ(2007年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:29 UTC 版)
「木星探査」の記事における「ニュー・ホライズンズ(2007年)」の解説
「ニュー・ホライズンズ」も参照 太陽系外縁天体探査機であるニュー・ホライズンズは、冥王星への途上、木星でのフライバイを行なうために、1990年のユリシーズ以来の木星に向けて直接打ち上げられた探査機となった。Long Range Reconnaissance Imager (LORRI)は、2006年9月4日に初めての写真として木星を撮影した。2006年12月には、さらなる木星系の探査を開始し、2007年2月28日に最接近した。 木星に接近している間、ニュー・ホライズンズの機器は、木星の内衛星、特にアマルテアの軌道の精密な測定を行った。カメラは、イオの火山活動も観測し、4つのガリレオ衛星全てを詳細に観測した他、ヒマリアやエララ等の外衛星も長距離から観測した。探査機は、木星のオーバルBAや磁気圏、薄い環の観測も行った。 2007年3月19日、コンピュータが修理不能のメモリーエラーを起こして再起動してしまい、探査機がセーフモードに入ったが、探査機は、木星の磁気尾に関する少しのデータを喪失しただけで、2日間で完全復帰した。この他にデータの喪失を伴う事象は発生しなかった。木星の観測対象としてのサイズが大きいことと、地球からの距離が冥王星と比して近いこともあり、ニューホライズンズは、本来の目的である冥王星よりも大量のデータを地球に送信する結果となった。
※この「ニュー・ホライズンズ(2007年)」の解説は、「木星探査」の解説の一部です。
「ニュー・ホライズンズ(2007年)」を含む「木星探査」の記事については、「木星探査」の概要を参照ください。
ニュー・ホライズンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 09:04 UTC 版)
「イオ (衛星)」の記事における「ニュー・ホライズンズ」の解説
ニュー・ホライズンズは冥王星とエッジワース・カイパーベルトに向かう途上で、2007年2月28日に木星系を通過した。この遭遇の最中に、遠方からのイオの観測が多数行われた。この時の画像の中にはトゥワシュトラ火口における大きな噴煙も含まれており、1979年のペレ火山の噴煙の観測以来初めてとなる、イオの最大級の火山噴火の詳細な観測が行われた。ニュー・ホライズンズはギッル火口 (Girru Patera) 付近の噴火の初期段階の画像も取得しており、ガリレオの観測以降に発生したいくつかの火山噴火も捉えている。
※この「ニュー・ホライズンズ」の解説は、「イオ (衛星)」の解説の一部です。
「ニュー・ホライズンズ」を含む「イオ (衛星)」の記事については、「イオ (衛星)」の概要を参照ください。
ニュー・ホライズンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 09:09 UTC 版)
「ニュー・フロンティア計画」の記事における「ニュー・ホライズンズ」の解説
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} ニュー・ホライズンズから見た冥王星(2015年7月14日) ニュー・ホライズンズから見た冥王星の衛星カロン(2015年7月14日) 詳細は「ニュー・ホライズンズ」を参照 冥王星へのミッションであるニュー・ホライズンズは、2006年1月19日に打ち上げられた。2007年2月に木星をスイングバイした後、探査機は冥王星に向けての航行を続けた。2015年7月に第一ミッションの冥王星フライバイを行い、その後探査機は、2019年1月1日にフライバイするために、2014 MU69と呼ばれるエッジワース・カイパーベルト天体を目標として航行中である。このミッションに関連するミッションとして、ニュー・ホライズンズ2号(英語版)が提案されていた。
※この「ニュー・ホライズンズ」の解説は、「ニュー・フロンティア計画」の解説の一部です。
「ニュー・ホライズンズ」を含む「ニュー・フロンティア計画」の記事については、「ニュー・フロンティア計画」の概要を参照ください。
「ニューホライズンズ」の例文・使い方・用例・文例
固有名詞の分類
NASAの宇宙探査機 | パイオニア11号 マリナー10号 ニュー・ホライズンズ エウロパ・オービター WMAP |
木星探査機 | ボイジャー2号 パイオニア11号 ニュー・ホライズンズ エウロパ・オービター EJSM |
小惑星探査機 | ディープ・スペース1号 ニュー・ホライズンズ はやぶさ2 NEARシューメーカー |
太陽系外縁天体 | 惑星X オールトの雲 エッジワース・カイパーベルト エッジワース・カイパーベルト天体 ニュー・ホライズンズ |
- ニューホライズンズのページへのリンク