ガチョウ足行進とは? わかりやすく解説

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ガチョウ足行進

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/16 07:19 UTC 版)

ガチョウ足行進(ガチョウあしこうしん、: Stechschritt: Goose-Step: Pas de l'oie: Passo dell'oca)は、閲兵式や衛兵交代の際の行進の形式の1つに対する呼称である。英語からグースステップともいう。


注釈

  1. ^ 行進のテンポ等に応じて、水平よりも高い角度に振り上げる場合、腰の高さに振り上げる場合、より低く膝の高さに振り上げる場合がある。またつま先を前方へ突き出す場合と、突き出さない場合とがある。
  2. ^ ソ連軍やその影響下にある東ドイツ朝鮮民主主義人民共和国など社会主義諸国では、前に出した腕の肘を曲げて握り拳を上半身の胸の辺りに引き寄せる。ただし観兵式では、「かしら右(左)」から「直れ」までの敬礼の間、両腕を脇に下げたまままったく振らない姿勢(上体だけを不動の姿勢にして、受礼者に注目する)に切り替えて行進を続ける。ドイツ軍では手指を伸ばして揃え、前に出した腕の掌をベルトバックルの前に引き寄せる。台湾イランアルゼンチンなどでは、まっすぐ伸ばした腕をそのまま前後に振る方式がとられている。
  3. ^ 軍隊等でこの行進形式を取り入れている国の国内では:Paradeschritt(パレード歩調)またはStechschritt(直立歩調)、西: Paso Regular、:正歩などと呼ばれる。
  4. ^ こうした経緯をたどった国の軍隊が、すべてガチョウ足行進を採用しているとは限らない。例えば明治以降プロイセン陸軍に範をとり、昭和期には枢軸国となった日本陸軍ではガチョウ足行進は採用されず、幕末から建軍前後にかけて影響を受けていたフランス流の徒歩行進を用い続けた。トルコ軍は、オスマン帝国時代にはドイツとの提携を強め、軍服にもドイツの影響が見られたが、現在アタテュルク廟で行われる衛兵交代式では脚は高く上がるもののひざは曲がっており、いわゆる「ガチョウ足行進」とは異なる方式になっている(ノートでの議論参照)。また、枢軸諸国の支援と影響を強く受けて成立したフランコ政権下のスペイン軍でもガチョウ足行進は行われなかった。
  5. ^ 18世紀からプロイセンより軍事顧問を招聘し、軍制改革を盛んに行ってきたロシアにもこの行進が導入されていた。
  6. ^ ただし、民主主義が機能している(いた)とされる諸国の軍隊(ワイマール共和制下のドイツ軍や、1973年のクーデター以前・1990年の民政移管後のチリ軍など)においてガチョウ足行進が行われている(いた)例があるし、逆に軍事政権・独裁政権と称される国々がこぞってガチョウ足行進を採用した(している)わけではない。
  7. ^ そのなかでも最も著名で典型的なものは、「発祥の地」ともいうべきドイツにおいて第二次大戦後、西ドイツドイツ連邦軍が、ナチス・ドイツのマイナスイメージから脱却を意図してガチョウ足行進を廃止した事例。
  8. ^ ナチス・ドイツの軍事行進、東西冷戦時代のモスクワ赤の広場のパレードや東ベルリンのパレードや衛兵交代、ピノチェト政権下のチリの閲兵式、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍事パレード等がその例である。これらの映像は、各国国外ではその国の恐怖を象徴するイメージとして用いられてきた[5]
  9. ^ 東ドイツではExerzierschritt(練兵歩調)という呼称を用いた。
  10. ^ ムッソリーニは1937年9月にヒトラーをベルリンに訪問して「アヒル式歩調」の勇壮さに圧倒されてイタリア軍に導入した。但し、彼ら自身はこれを「ローマ式歩調 Passo Romano 」と呼んだ。イタリアで行われていた「ローマ式敬礼」が「ナチス式敬礼」に取り入れられたのと好一対をなす現象である。木村 裕主『ムッソリーニを逮捕せよ』 新潮社、1989年参照。
  11. ^ ソ連または中国の影響。
  12. ^ ソ連またはベトナムの影響。
  13. ^ 中国の影響。

出典






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