テンペラ【(イタリア)tempera】
テンペラ
テンペラ
【英】:TEMPERA
油と膠質が混じり合った乳剤(エマルジョン)で顔料を練り合わせた絵具。「混ぜ合わせる」という意味のイタリア語「テンペラーレ」(Temperare)に由来する。乳剤には、卵や無花果の乳液を使った天然のものと、カゼインと膠の混合溶液のような人工のものがある。歴史的には、卵テンペラが最も代表的なものであった。練り合わせ剤(メディウム)を使わないフレスコが広く普及した14世紀以降、フレスコと区別するため、メディウムを使う絵画を広くア・テンペラと呼んだが、油彩画が絵画の主要な位置を占めるようになった16世紀以降は、従来の卵を用いたものをテンペラと称するようになる。テンペラは乾きが早く、じょうぶで耐久性に富む絵具層をつくり、色調は油彩画よりも明るく鮮明である。しかし、色面の平塗やぼかしの技法には不向きで、線描的な性格を持っている。そのため、その欠点を補うためしばしば油彩画と併用して使われる。
テンペラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 14:00 UTC 版)
テンペラは、乳化作用を持つ物質を固着材として利用する絵具、およびこれによる絵画技法。テンペラは、混ぜ合わせるという意味のラテン語 temperāre を語源とするイタリア語 tempera からの借用語である[1]。
- ^ “Tempera”. Merriam-Webster.com Dictionary. Merriam-Webster. 2020年7月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g 植本誠一郎「絵具講座 第IV講: テンペラと古典絵画」『色材協会誌』第75巻第6号、色材協会、2002年、 294-300頁、 doi:10.4011/shikizai1937.75.294。
- ^ a b c d 増谷直樹「イタリアに於けるテンペラ技法」『上越教育大学研究紀要 第2分冊 言語系教育・社会系教育・芸術系教育』第7巻第2号、上越教育大学、1988年、 189-204頁、 hdl:10513/996。
- ^ a b c d e 潮田和也 『現代における写実表現の研究: 写実表現に有用なテンペラ・メディウムの技法研究と開発』文星芸術大学、2015年。NDLJP:9597286。
- ^ “tempera painting”. Encyclopedia Britannica. Britannica (2015年8月16日). 2022年8月5日閲覧。
- ^ a b “ピグメント: 絵具自製レシピ”. クサカベ. 2022年8月5日閲覧。
- 1 テンペラとは
- 2 テンペラの概要
- 3 テンペラ作品の例
- 4 脚注
テンペラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/29 21:21 UTC 版)
古典的な卵テンペラ絵の具の場合、固着材が水で薄めた卵黄であり、顔料を含めた塗膜も薄く脆いため、支持体にはほどほどの吸水性と色の白さが求められる。伝統的には木の板の上にヤニを食い止め、継ぎ目を消すための布を貼り、膠液で練ったボローニャ石膏を刷毛で塗り重ねる。特に平滑な画面を求める場合は、石膏を塗った面を鋼の板で研ぎ出す処置を行うこともある。
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