チャールズ・エルミー・フランカテリとは? わかりやすく解説

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チャールズ・エルミー・フランカテリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/12 07:10 UTC 版)

チャールズ・エルミー・フランカテリ: Charles Elmé Francatelli, 1805年 - 1876年)は 、ヴィクトリア朝イングランドの著名な料理人である。


  1. ^ ユードはフランス国王ルイ16世の料理人だった父の下で、ブルボン朝の王室厨房で見習いとしてフランス料理を学んだフランス人シェフである。フランスでナポレオン・ボナパルトの母のマリア・レティツィア・ボナパルトの料理人として働いた後にイギリスに渡り、以後生涯をイギリスでフランス料理のシェフとして過ごした。ユードは渡英後リバプールでセフトン伯ウィリアム・フィリップ・モリニューの料理人を20年間近く務めた後、ヨーク公フレデリック・オーガスタスの料理人を経て1827年にクロックフォード・クラブの初代シェフとして抜擢された。フランカテリがユードから引き継いだクロックフォード・クラブの厨房は、ユードが同クラブの創業時に高級フランス料理のための厨房として特別に設計したものだった。ユードはクロックフォード・クラブを辞職した後、ロンドン、メイフェアのアルバマール通りの高級社交クラブ「ユナイテッド・サービス・クラブハウス」(United Service Club-House) でシェフとして働いた。
  2. ^ 当時のイギリスでは最高の料理人を雇い最高級の料理を提供していた飲食店は会員制の高級社交クラブや高級ホテルなどに限られており、それを利用できるのは王侯貴族など上流階級だけで、一般庶民には全くの高嶺の花だった。
  3. ^ Charles Elme Francatelli, www.thecooksguide.com (英語)より。
  4. ^ a b これは現在ロンドンのパークプレースにある5つ星ホテルのセントジェームズ・クラブ・アンド・ホテル (St James's Club and Hotel) と名前がほとんど同じだが経営上無関係である。
  5. ^ セントジェームズ・クラブは、小説家のイーヴリン・ウォーが会員だったほか、「ジェームズ・ボンド」シリーズで有名な小説家イアン・フレミング第二次世界大戦中に一時住んでいたことでも知られている。
  6. ^ リフォーム・クラブはトラベラーズ・クラブ(Travellers Club)と並んでイギリスの最高級社交クラブのひとつであり、会員には、政治家では元首相のローズベリー伯アーチボルド・プリムローズ、パーマストン子爵ヘンリー・ジョン・テンプルウィリアム・グラッドストンハーバート・ヘンリー・アスキスデビッド・ロイド・ジョージウィンストン・チャーチルや、元欧州委員会委員長のロイ・ジェンキンスがいた。小説家では、アーサー・コナン・ドイルE・M・フォースターヘンリー・ジェイムズウィリアム・メイクピース・サッカレーハーバート・ジョージ・ウェルズ経済学者ではフリードリヒ・ハイエクも会員だった。また、映画では「007 ダイ・アナザー・デイ」や「ミス・ポター」などに登場する。
  7. ^ この施設は高級レストラン兼宴会場で、フリーメイソンの会員以外も利用することができた。
  8. ^ ただし、メネルはフランカテリを忠実な「カレームの弟子」であると位置づけ、彼が『現代の料理人』で提示したレシピは保守的でオートキュイジーヌからの革新が最小限であり、当時イギリスでは一般には手に入りにくかった非常に高価な食材を使うレシピが依然として大半で、イギリスの一般市民にはほとんど手の届かないものだったと批判している。もっとも、メネルは当時レシピの革新性を高く評価されていたソィエすら「イギリス的要素の受容は限定的」と厳しく評価している。フランカテリやソィエの努力である程度の進歩があったとはいえ、最高の料理人のレシピで作った洗練された料理の多くにイギリス一般市民の手が届くまでには、次世代以降のイギリスの料理人によってさらなるレシピの「現地化」が進むのを待たねばならなかった。
  9. ^ Victoria on MASTERPIECE:Season 1, Episode 6 Recap Thirteen, February 19, 2017


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