ソーカル事件とは? わかりやすく解説

ソーカル事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/26 02:05 UTC 版)

ソーカル事件(ソーカルじけん、: Sokal affair)とは、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカル[注釈 1]が、1995年[注釈 2]現代思想系の学術誌論文を掲載したことに端を発する事件をさす[1]


注釈

  1. ^ Alan Sokal(1955年-)専門は統計力学場の量子論である。
  2. ^ この年は、Microsoft Windows 95の発売など、様々な世界的な事案が発生した年でもあった。
  3. ^ 『「知」の欺瞞』執筆の20年以上前に、クリステヴァは数学的乱用を止めている。しかし、それでもソーカルたちが彼女を批判したのは、「彼女の初期の作品が、ある種の知性のあり方の典型的な症例を示している」と考えたからである。(アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 11)
  4. ^ その後 Dissent 43(4), pp. 93-99 (Fall 1996)に載り、少し変えた版が「Philosophy and Literature 20(2), pp.338-346 (October 1996).」にも載った。

出典

  1. ^ 岡本(2015) p.1
  2. ^ Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity
  3. ^ a b c d e Guillory, John (2002) "The Sokal Affair and the History of Criticism" (Critical Inquiry, 28:2); Ruark, Jennifer. "Anatomy of a Hoax: how a physicist hoodwinked a group of humanists, and why it still matters 20 years later." The Chronicle of Higher Education 6 Jan. 2017
  4. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 4.
  5. ^ a b c アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 3
  6. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000.
  7. ^ New York University Faculty”. 2019年2月15日閲覧。
  8. ^ ブラウン、2010、p38
  9. ^ Hasian, Marouf A. and Thomas K. Nakayama (1997) "The empires strike back: The sokal controversy and the vilification of cultural studies" (Journal of Communication Inquiry, 21:2, 1997)
  10. ^ Soboul, Mikhail (2015) "Sokal Affair and Academic Disintegrity" (Differences, 30:5)
  11. ^ Swartz, Aaron (2013) "Sokal Affair." Culture Wars in America: An Encyclopedia of Issues, Viewpoints, and Voices, edited by Roger Chapman, and James Ciment, Routledge, 2nd edition.
  12. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 6.
  13. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 18.
  14. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 9
  15. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 27より重引
  16. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 172より重引
  17. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 54より重引
  18. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 14。正確な引用は『メタファーは、馴染みのない概念を馴染深い概念と関連させることで説明するために使うものであって、決して逆の状況では使わない』
  19. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. 14.
  20. ^ ジャック・デリダ『パピエ・マシン(下)』中山元訳、ちくま学芸文庫、2005年、167頁。原文初出は「ル・モンド」1997年11月20日
  21. ^ 『パピエ・マシン(下)』166頁
  22. ^ 『パピエ・マシン(下)』168頁
  23. ^ ジャック・ブーヴレス『アナロジーの罠―フランス現代思想批判』宮代康丈訳、新書社、2003
  24. ^ アラン・ソーカル & ジャン・ブリクモン 2000, p. X
  25. ^ 野家啓一『〔増補〕科学の解釈学』筑摩書房、2007
  26. ^ a b マーク・エイブラハムズ 2005, p. 275.
  27. ^ マーク・エイブラハムズ 2005, p. 278.
  28. ^ 黒木玄 2002.
  29. ^ a b 浅田彰 2003.
  30. ^ 菊池和徳 (2002年4月5日). “浅田彰『構造と力』の《クラインの壺》モデルは間違っていない --- 一トポロジストの異論” (HTML). 2007年8月22日閲覧。
  31. ^ http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/keijiban/e0015.html
  32. ^ [1]
  33. ^ a b [2]
  34. ^ [3]
  35. ^ [4]
  36. ^ [5]
  37. ^ shinkai35のツイート(823438412220764160)
  38. ^ 仲正昌樹のソーカル事件をめぐる記事について
  39. ^ [6]
  40. ^ [7]
  41. ^ リチャード・ワイズマン著 文藝春秋発行 『超常現象の科学』34ページ 一九七〇年代に、南カリフォルニア大学のドナルド・ナフテュリンとそのチームがこの現象をあざやかに実証した。数学と人間行動の関係という内容でまったくでたらめの講演草稿を作りあげ、それを教育学会で役者に読み上げてもらったあと、会場に集まった精神科医、心理学者、ソーシャルワーカーに感想を聞いたのだ。(中略)参加者はフォックス博士を「最高にすばらしい講演者」で「きわめて明快」であり、「テーマに関するすぐれた分析」をおこなったと評価した。


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ソーカル事件

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アラン・ソーカル」の記事における「ソーカル事件」の解説

詳細は「ソーカル事件」を参照 ソーカル1996年のソーカル事件によって一般には最もよく知られている。ポストモダンカルチュラル・スタディーズ系の雑誌ソーシャル・テクスト』(デューク大学出版)には当時査読制度がなかったが、この雑誌が「編集者イデオロギー的土台におもねった」応募論文掲載するかどうかを試すため、大げさだが実のところ全く意味をなさない文章ソーカル提出したタイトルは「境界侵犯量子重力変換解釈学向けて(Transgressing the Boundaries: Toward a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity)」。 『ソーシャル・テクスト』誌は実際にこの論文掲載し出版してしまう。その直後ソーカル論文いたずらであることを『リンガ・フランカ』誌に暴露し左翼社会科学理性基づいた知的土台によって裏付けられるべきだと主張した雑誌欺いたことについてソーカル左派とポストモダニストたちから批判受けたが、それらに対して自分動機は「左翼流行かぶれから守ること」にあると答えている。 この事件は、ポール・グロスとノーマン・レヴィットが1994年出版したHigher Superstition』と合わせてサイエンス・ウォーズ一部だと考えられる1997年ソーカルジャン・ブリクモンと共にフランス語で『Impostures Intellectuelles』を上梓した(1年後英訳が『Fashionable Nonsense』というタイトル出版された。日本語訳は『知の欺瞞』の題名2000年刊行)。この本では、一部社会科学者による科学的数学的概念誤用槍玉に挙げられており、また科学社会学における「ストロング・プログラム」の支持者真理価値否定しているとして批判されている。この本の書評では対照的な評価見られ一部ソーカルらの努力賞賛し、またそれ以上多く判断留保した2008年ソーカルはこの事件とその含意振り返る著書Beyond the Hoax』を発表した一方でソーカルとブリクモンは、言及受けた哲学者たちから、「科学的概念濫用していることを批判している一方で批判対象である哲学について基礎的な理解欠いている、あるいは誤読している」という趣旨批判を受け、一部科学者からもソーカルたちの手法について批判の声見受けられた。ジャック・デリダも、「こういった困難の度合い正確に測るために読むべきであったテクストを、彼らは読んでいないと考えざるを得ません。おそらく、彼らには読めなかった、ということでしょう。彼らは全く読んでいないのですよ」とインタビュー内でソーカルたちの誤読について批判的に言及している。

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ソーカル事件

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ソーシャル・テクスト」の記事における「ソーカル事件」の解説

詳細は「ソーカル事件」を参照 この雑誌1996年に、ソーカル事件の引き金となる、物理学者アラン・ソーカル意図的にでたらめを書いた論文掲載したことで悪名をはせた。「著者たちが無意味なことを語り現実など存在しないということ主張する論文を、理解できないままに真面目な顔で出版した」ことを理由に、ソーシャル・テクスト編集者には1996年度イグノーベル文学賞贈られた。当時、この雑誌には学術的な意味での査読おこなわれておらず、物理学者など外部専門家によるチェックもないまま論文掲載されていた。

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