スピントロニクス
別名:マグネットエレクトロニクス
電子が持つ「マイナスの電荷」と「磁石」という二種類の性質を利用する工学分野。従来の他の技術では実現困難だった様々な技術を可能としている。
2011年6月13日、東北大学とNECの共同研究プロジェクトがスピントロニクスを既存の電子回路に組み込み、高速動作と不揮発性を両立させた集積回路の開発に成功したと発表した。磁石の作用を応用しているため、電源を切っても回路のスイッチの状態が維持される。そのため待機電力がゼロの半導体集積回路が実現可能となる。
関連サイト:
世界初 データ保持に電力が不要な連想メモリプロセッサを開発・実証 ~待機電力ゼロの電子機器実現に向けて~ - NEC
スピントロニクス【spintronics】
スピントロニクス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/21 08:27 UTC 版)
スピントロニクス(英: spintronics)とは、固体中の電子が持つ電荷とスピンの両方を工学的に利用、応用する分野のこと。 スピンとエレクトロニクス(電子工学)から生まれた造語である。マグネットエレクトロニクス(英: magnetoelectronics)とも呼ばれるが、スピントロニクスの呼称の方が一般的である。
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- 1 スピントロニクスとは
- 2 スピントロニクスの概要
スピントロニクス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 05:47 UTC 版)
「東北大学電気通信研究所」の記事における「スピントロニクス」の解説
従来の電子の電荷を用いた演算素子に、電子のスピンも併せて利用する新しい電子デバイスの研究が進められている。2004年にスピントロニクス実験施設が竣工し、この分野での先導的研究拠点として機能している。論理演算を行う半導体集積回路に不揮発性メモリ機能を合わせて構成する新型デバイスの研究が進められている。
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