ジャコウ、とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ジャコウ、の意味・解説 

じゃ‐こう〔‐カウ〕【蛇行】

読み方:じゃこう

[名](スル)⇒だこう(蛇行)


じゃ‐こう〔‐カウ〕【×麝香】

読み方:じゃこう

香料の一。ジャコウジカ分泌物乾燥したもの漢方では興奮・強心・鎮痙(ちんけい)などに用いる。マスクムスク四味臭


麝香

読み方:ジャコウ(jakou)

香料一種


麝香(ジャコウ)

麝香
原産地中国ネパール
ヒマラヤ山地帯周辺より、中国シベリア地方広く分布する偶蹄目ジャコウジカ科の雄の分泌物で、下腹部にある香嚢より採取する縄張りマークや雌を引きつける為の匂いで、そのままでは良い香りとはいえないが、極度に薄めると見違える様な香りになる。数少ない動物性香料で、香水その他に幅広く使われ、重要かつ非常に高価強心剤として、六神丸など漢方薬にも多く使われ特殊な用途としては催淫剤として使われる事もある。一つ香嚢より約30gの麝香がとれるが、これを1kg集めるのに約100頭の麝香鹿を殺さねばならず(罠で雄・雌幼獣無差別に捕獲する為)年間頭をも必要とする。当然、絶滅危機瀕し近年ワシントン条約により輸入禁止になった

麝香

(ジャコウ、 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 03:33 UTC 版)

麝香(じゃこう)は雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥した香料生薬の一種である。ムスク: musk)とも呼ばれる。

用途

主な用途は香料と薬の原料としてであった。 麝香の産地であるインド中国では有史以前から薫香や香油、薬などに用いられていたと考えられている[1]アラビアでもクルアーンにすでに記載があることからそれ以前に伝来していたと考えられる。 ヨーロッパにも6世紀には情報が伝わっており、12世紀にはアラビアから実物が伝来した記録が残っている。

甘く粉っぽい香りを持ち、香水の香りを長く持続させる効果があるため、香水の素材として極めて重要であった。 また、興奮作用や強心作用、男性ホルモン様作用といった薬理作用を持つとされ、六神丸奇応丸宇津救命丸(かつては救心にも使用されてきたが現在は麝香の使用を廃止)などの日本の伝統薬・家庭薬にも使用されているが、日本においても中国においても漢方煎じ薬の原料として用いられることはない[1][2]

中医薬学では生薬として、専ら天然の麝香が使用されるが、輸出用、または安価な生薬として合成品が使われることもある。

採取

麝香をもつジャコウジカ
(シベリアジャコウジカ)

麝香はかつては雄のジャコウジカを殺してその腹部の香嚢を切り取って乾燥して得ていた。 香嚢の内部にはアンモニア様の強い不快臭を持つ赤いゼリー状の麝香が入っており、一つの香嚢からはこれが30グラム程度得られる。 これを乾燥するとアンモニア様の臭いが薄れて暗褐色の顆粒状となり、薬としてはこれをそのまま、香水などにはこれをエタノールに溶解させて不溶物を濾過で除いたチンキとして使用していた。 ロシアチベットネパール、インド、中国などが主要な産地であるが、特にチベット、ネパール、モンゴル産のものが品質が良いとされていた。 これらの最高級品はトンキンから輸出されていたため、トンキン・ムスクがムスクの最上級品を指す語として残っている。

麝香の採取のために殺されたジャコウジカはかつては年間1万から5万頭もいたとされている。 そのためジャコウジカは絶滅の危機に瀕し、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)によりジャコウの商業目的の国際取引は原則として禁止された。

現在では中国においてジャコウジカの飼育と飼育したジャコウジカを殺すことなく継続的に麝香を採取すること(麻酔で眠らせる[3]などの方法がある)が行なわれるようになっているが、商業的な需要を満たすには遠く及ばない。六神丸、奇応丸、宇津救命丸などは条約発効前のストックを用いているという[2]救心は2015年に入手困難な麝香を廃止し、鹿茸沈香を新配合さらに牛黄を増量することで対応している[4]

そのため、香料用途としては合成香料である合成ムスクが用いられるのが普通であり、麝香の使用は現在ではほとんどない。

成分

麝香の甘く粉っぽい香気成分の主成分は15員環の大環状ケトン構造をもつムスコン(3 - メチルシクロペンタデカノン)であり0.3 - 2.5% 程度含有する[1][5]。そのほかに微量成分としてムスコピリジン (muscopyridine) などの大環状化合物が多数発見されている[5]。有機溶媒に可溶な成分のうちで最大20%程度含まれている。この他に男性ホルモン関連物質であるC19-ステロイドのアンドロスタン骨格を持つアンドロステロンやエピアンドロステロン (epiandrosterone) などの化合物が含まれている[5]。ムスコンが2% 以上、C19-ステロイドが0.5% 以上のものが良品とされる[1]。麝香の大部分はタンパク質等である。麝香のうちの約10%程度が有機溶媒に可溶な成分で、その大部分はコレステロールなどの脂肪酸エステル、すなわち動物性油脂である。

語源

麝香の麝の字は鹿と射を組み合わせたものであり、中国明代の『本草綱目』によると、射は麝香の香りが極めて遠方まで広がる拡散性を持つことを表しているとされる[1][2]。ジャコウジカは一頭ごとに別々の縄張りを作って生活しており、繁殖の時期だけつがいを作る。そのため麝香は雄が遠くにいる雌に自分の位置を知らせるために産生しているのではないかと考えられており、性フェロモンの一種ではないかとの説がある一方[1]、分泌量は季節に関係ないとの説もある[2]

他の麝香、ムスク

ジャコウジカから得られる麝香以外にも、麝香様の香りを持つもの、それを産生する生物に麝香あるいはムスクの名を冠することがある。 霊猫香(シベット)を産生するジャコウネコジャコウネズミ、ムスクローズやムスクシード(アンブレットシード)、ジャコウアゲハなどが挙げられる。

また、単に良い強い香りを持つものにも同様に麝香あるいはムスクの名を冠することがある。 マスクメロンタチジャコウソウ(立麝香草、タイムのこと)などがこの例に当たる。

脚注

  1. ^ a b c d e f 林輝明「薬になる動植物:第42回麝香(じゃこう)」『漢方医薬新聞』2010年1月15日、3面。
  2. ^ a b c d 木村孟淳「中国の生薬62:麝香」『月刊漢方療法』第12巻第3号、2008年、p.p.200-202。 
  3. ^ ジャコウジカ保護考えて YOMIURI ONLINE 2013年8月23日
  4. ^ 『救心』処方変更してリニューアルのお知らせ
  5. ^ a b c 北川勲、三川潮ほか『生薬学』(第3版)廣川書店、1988年10月25日(原著1980年4月10日)、p.p.324-325頁。 

ジャコウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 18:09 UTC 版)

北斗の拳 イチゴ味」の記事における「ジャコウ」の解説

原典通り天帝ルイ幽閉し、その権力騙って圧制強いていた人物

※この「ジャコウ」の解説は、「北斗の拳 イチゴ味」の解説の一部です。
「ジャコウ」を含む「北斗の拳 イチゴ味」の記事については、「北斗の拳 イチゴ味」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ジャコウ、」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「ジャコウ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジャコウ、」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
96% |||||

4
96% |||||

5
96% |||||



8
96% |||||

9
96% |||||

10
96% |||||

ジャコウ、のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジャコウ、のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
香雅堂香雅堂
Copyright (c) 2024Kogado lnc All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの麝香 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの北斗の拳 イチゴ味 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS