分岐器
(シーサスポイント から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 15:38 UTC 版)
分岐器(ぶんきき[1]、ぶんぎき[2]、英: railroad switch, turnout)とは、鉄道の線路において線路を分岐させ、列車又は車両の進路を選択する機構。アメリカ英語での正式名称は、ターンアウトスイッチ。アメリカでは、分岐器のうち、進路を転換する部分のことをポイント(point)という[3]。
- ^ 日本国語大辞典(小学館)
- ^ 日本大百科全書(小学館)
- ^ 『信号システムの進歩と発展 = 近年20年の展開と将来展望 =』日本鉄道電気技術協会、2009年、p.53 - p.45。ISBN 978-4-931273-98-6。
- ^ この部分は、ウイングレール(翼レール)、鼻端長レール、鼻端短レールを組合せており、間隔材と填材が取付けられているほか、ストックレールにはガードレールが取付けられている。
- ^ a b JIS E 1311:2002「鉄道-分岐器類用語」(日本産業標準調査会、経済産業省)。
- ^ この部分は、車輪のフランジが通過するため、磨耗し易く、そのため、普通クロッシングの約10倍の耐久性を持つ、一体式で鋳造により製造された高マンガン鋼クロッシングが採用されている所があり、高速走行に対応している場合がある。
- ^ 日本での採用例:北越急行ほくほく線の全線、京浜急行電鉄(生麦駅)、近畿日本鉄道(上鳥羽口駅非常渡り線)、東京急行電鉄(田園都市線あざみ野駅および東横線・目黒線武蔵小杉駅非常渡り線、大井町線上野毛駅、同線溝の口駅渡り線)、京王電鉄(京王線飛田給駅)、小田急電鉄(小田原線秦野駅)、京成電鉄(成田スカイアクセス成田湯川駅)。かつては特急列車が多数運転されていた東北本線の一部の駅にも採用されていたが、東北新幹線開通に伴う東北本線特急列車の削減によって全て通常の分岐器に交換された。
- ^ そのため転轍器をポイント部とクロッシング部に2つ設置する。
- ^ 通常式分岐器はフランジウェイの隙間を車輪が通過すると大きな騒音が発生するが、可動式ノーズ分岐器はフランジウェイによる隙間が存在しないので大幅な騒音低減が可能。例えば東京急行電鉄あざみ野駅は優等列車も停車する駅であり上下線ともに減速が強いられるが、それにもかかわらず分岐器周辺が住宅密集地のためノーズ可動クロッシングが騒音低減目的で用いられている。
- ^ 機械式とME(マイクロエレクトロニクス)式の2つがあり、接着状態情報(接着・非接着)で分岐器の定位と反位を検知して連動装置に出力するとともに、基本レールとトングレールとの間の隙間が許容値を超えている場合は、分岐器を転換不能として検知するようになっている。
- ^ a b c d e Satish Chandra, M.M. Agarwal (2007) RAILWAY ENGINEERING Oxford University Press India. pp.263-265
- ^ Dr.Rajat Rastogi Transportation Engineering - II, Lecture - 20, Crossing and Design of Turnout Department of Civil Engineering, Indian Institute of Technology. pp.9-11
- ^ a b c d e f JIS E 1301:1966「鉄道用分岐器類の番数」(日本産業標準調査会、経済産業省)
- ^ a b c d e f 「分岐器の番数」 『鉄道辞典・下巻』 p.1578、日本国有鉄道、1958年3月。
- ^ 「轍叉番号」、『鉄道用語辞典』、大阪鉄道局、1935年
- ^ 分岐器の番数に関し日本の模型趣味者の間や模型の参考書で古くから流布している直角法については日本では採用されていない。また同様に流布している「分岐器の片開き・両開きの形状によって直角法と中心線法を使い分ける」手法は元から世界に存在せず、共に日本の実物で用いられている定義とはまったく無関係である。
- ^ 軌間を表示する場合のレール面から14mm下がった位置の線(日本産業規格 JIS E 1311:2002「鉄道―分岐器類用語」)。
- ^ 基本のクロッシング番数以外は倍数を用いるこの方式により、配線の設計施工が容易となる利点がある。例えば、基準線を平行とし分岐線を左右対称に相対する形で置かれた2基の10番片開き分岐器の分岐線の交点では、規格により正確に「10番の2倍の角度」に規定されている5番クロッシング(フログ)を用いる5番ダイヤモンドクロッシングを設置すれば良いことが分かる。
- ^ Otto Plášek Soustava stupňových výhybek, Značení a soustavy a výhybek a výhybkových konstrukcí pp.21-23
- ^ 京滬高速鉄道、全線貫通 来年10月に開通へ
- ^ 新幹線のような高速で運転される場合にはクロッシング部による制限が生じるはずであるが、新幹線では本線分岐は全てノーズ可動型であり、在来線では線区最高速度に拘束されるので実用上は制限がないことと変わらない
- ^ 横取り装置とは? 横浜市営地下鉄「脱線事故」の原因と概要(2019年) - 鉄道模型&鉄道情報 sagamier.com(相模原鉄道模型クラブ)、2019年6月9日
- ^ 「分岐器の役割をする横取装置の一部を格納しないまま列車を運行し、本線を走行する列車が保守基地線に進入して脱線した事例」『運輸安全委員会ニュースレター』第7号
- ^ “鉄道 分岐器用融雪器 [鉄道 分岐器用 電気融雪器]”. Good Design Award. 2023年1月26日閲覧。
- ^ a b c “電力”. 鉄道・運輸機構. 2023年1月26日閲覧。
- ^ ノーズ可動式分岐器においてはノーズ可動部も
- ^ カンテラと呼ばれる。合図灯とは別物
- ^ “「火事ではありません」鉄道の“縁の下の力持ち”装置が話題…正体を江ノ島電鉄に聞いた”. FNNプライムオンライン. 2022年2月18日閲覧。
- ^ a b “雪に立ち向かう―安全・安定輸送を確保するために―” (pdf). JR東日本秋田支社. 2017年4月12日閲覧。
- ^ “Anti-Icing Formulas Prevent Train Delays”. spinoff.nasa.gov. 2023年2月24日閲覧。
- ^ a b “鉄道ポイント融雪装置”. Google Patents. 2023年1月26日閲覧。
- ^ 雪に立ち向かう - JR東日本
- ^ @hankyu_ex (2017年1月3日). "2017年1月3日のツイート". X(旧Twitter)より2023年1月26日閲覧。
- ^ @hankyu_ex (2017年1月3日). "2017年1月3日のツイート". X(旧Twitter)より2023年1月26日閲覧。
- ^ 真平, 若松. “線路が燃えてる? いえ「融雪カンテラ」です 阪急電鉄の投稿に反響”. withnews.jp. 2023年1月26日閲覧。
- ^ “2016年協会誌「R&m」12月号”. 一般社団法人 日本鉄道車両機械技術協会. 2023年1月26日閲覧。
- ^ “散水装置”. 大阪産業大学地域・交通計画研究室. 2023年1月26日閲覧。
- ^ 雪対策について - JR東海
- ^ 『JIS E 3013:2022 鉄道信号保安用語』日本産業規格、2022年8月25日、7頁。
- ^ “常用漢字表”. 文化庁. 2024年4月7日閲覧。
- ^ 『鉄道信号技術』一般社団法人 日本鉄道電気技術協会、2020年11月24日 2020。
- ^ a b 『信号(改訂)』吉村寛、吉越三郎、昭和59年11月15日 昭和59、108-109頁。
- ^ 転換途中で石などが挟り一定以上の力がかかると摺動してモーターに無理な力が働かないようにする機構、その他にも転換力の調整や転換終了時の衝撃力を吸収している。
- ^ 鎖錠桿にロックピースを押し込み又は引き抜く事により動作桿と鎖錠桿の鎖錠又は解錠を行う。
- ^ 穴入口にハンドルを入れて動かすと電気転轍器のモーター回路が遮断されて、ハンドルで転換中でもモーターが作動しないようになっている。
- ^ 『信号(改訂)』吉村寛、吉越三郎、昭和59-11-15、141-144頁。
- ^ 『鉄道信号発達史』社団法人信号保安協会、昭和55年4月23日 昭和55、167頁。
- ^ 『東京地下鉄道丸ノ内線建設史(下巻)』帝都高速度交通営団、昭和35年3月31日 昭和35、298-302頁。
- ^ 『JIS E 3013:2022 鉄道信号保安用語』日本産業規格、2022年8月25日、2頁。
- ^ 通過中に列車をスムーズに通過させるためと、通過後の復帰を暫く遅らせる役割がある。
- ^ 『転てつ装置〔改訂版〕』一般社団法人日本鉄道電気技術協会、平成26年9月30日 平成26、96-97頁。
- ^ 『鉄道信号技術』一般社団法人日本鉄道電気技術協会、2020年11月24日 2020、264頁。
- ^ 1981年に開業した神戸新交通ポートアイランド線では、ガイドウェイの案内軌道が、下部から浮き上がりまたは沈み込む浮沈式を採用している。
- ^ 石簾マサ (2017-06-31). “札幌市営地下鉄の車両はどのように進路変更するの?転てつ器の謎に迫る(動画あり)”. 北海道ファンマガジン. 2017年10月15日閲覧。
- ^ a b c 「分岐器の紹介」、大阪モノレール(2016.07.10最終閲覧)
- ^ a b The Switch Myth The Monorail Society (米国の任意団体) によるモノレールの分岐に関する解説 (英語)
- ^ 先端部とリード部で構成されており、この2つは連結軸を介して繋がっている。
- ^ 冷泉彰彦「実用化技術はすでに確立 超電導リニア 乗車体験でシミュレーション」『鉄道ジャーナル』第52巻第4号(通巻618号)、鉄道ジャーナル社、2018年4月1日、pp.78-90、ISSN 0288-2337。
- シーサスポイントのページへのリンク